はじめての薬物速度論

  • ページ数 : 117頁
  • 電子版発売日 : 2011年5月31日
¥2,090(税込)
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商品情報

内容

薬物速度論を平易な言葉を用いて理解できるように導いてくれる、まさに"目から鱗を落とす"きっかけとなる一冊が電子書籍になりました。

序文

本書は2004年7月に薬物動態の初心者に薬物速度論の概要をわかってもらうために企画し,(株)パレード P.press出版部から自費出版した「薬物動態解析入門?はじめての薬物速度論」を新版にしたものです.なぜ,このような本を企画したかというと,新しくこの分野に移ってきた多くの方から,「はじめて薬物速度論を勉強するのに,わかりやすい本を教えてください」と尋ねられ,「この本はどうでしょう」と既に発刊されている薬物速度論の本を薦めていましたが,「全く初めての人が,読んでわかるのだろうか」とずっと疑問を感じていたからです.いい本がないのであれば自分で書いてみようと思い,企画しました.

自費出版してから3年経ち,残部も少なくなってきました.最初はこの内容でよいか心配でしたが,概ね良い反応であり,初心者用の本が必要であると,改めて感じました.このまま絶版も考えましたが,より多くの方に,届くように,一般の書籍として出版できないかと南山堂編集部の方に相談したところ,快く引き受けていただけました.
「数式を使わない......」という本を見かけますが,薬物速度論は言葉の通り,速度論ですから基本的に数式を使います.これは避けることはできません.しかし,その式の意味や使い方の解説はできるはずと思っています.本書は話し言葉で書いています.その方が,取っ付きやすいと思ったからです.

新版にあたり,説明不足の点は修正し,略語表や式一覧なども付け,また教科書の参考書としても使えるように,過去の国家試験の問題を参考に不足分を補いました.ファーマコキネティクスの部分の8?9割は網羅していると思います.

本書は薬物動態学者だけでなく,病院・薬局の薬剤師の方,製薬会社のメディシナルケミスト,薬理学者,製剤学者にも読んでいただき,薬物動態の意味を理解していただきたいと思い,8章に「医療関係者へ」,9章に「創薬担当者へ」という章を設けています.本書だけ読んで,製剤設計のシミュレーションをした人がいます.その話を聞いて,うれしいと同時に,ほぼ必要な内容を含んでいることにもなるので,安心しました.しかし,この本はあくまで入門書です.薬物動態をこれから利用していこうという方は,この本を読んだ後に,さらに他の本を読んで知識を深めてください.

最後に,自費出版にあたってお世話いただいた(株)パレード P.press出版部の太田宏司郎氏,吉村勝氏に御礼申し上げます.また今回の出版に際し,推薦の序をご執筆いただきました東京大学杉山雄一先生はじめ南山堂編集部のご尽力に御礼申し上げます.


2008年 新春

加藤 基浩

目次

推薦の序

はじめに

略語表

第1章 薬物動態

1.1 薬物動態と薬物速度論

1.2 薬物速度論はなぜ必要か

第2章 速度論への入り口

2.1 身近な現象を速度論で

2.1.1 モデルケース1 寄せ鍋

2.1.2 モデルケース2 生け簀

2.1.3 モデルケース3 空気清浄機

2.2 動物・ヒトでの消失

第3章 速度論の基本

3.1 速度

3.2 0次,1次速度

3.3 半減期

3.4 クリアランスと分布容積

3.5 ここで再び半減期

第4章 コンパートメントモデル

4.1 コンパートメントモデル

4.2 1-コンパートメントモデル

4.2.1 1-コンパートメントモデル(静脈内急速投与)

4.2.2 クリアランスとの関係

4.2.3 半減期の求め方

4.2.4 解析例(静脈内投与)

4.2.5 0次吸収1-コンパートメントモデル(静脈内持続投与)

4.2.6 1次吸収1-コンパートメントモデル(経口投与)

4.3 2-コンパートメントモデル

4.3.1 2-コンパートメントモデル(静脈内急速投与)

4.3.2 分布容積

4.3.3 1次吸収2-コンパートメントモデル(経口投与)

4.4 その他のコンパートメントモデル

4.5 最小2乗法

4.6 おわりに

第5章 モデルを使わない解析

5.1 モデルを使わない解析

5.2 モーメント解析

5.2.1 モーメント解析

5.2.2 AUC(血漿中濃度-時間曲線下面積)

5.2.3 MRT(mean residence time;平均滞留時間)

5.2.4 クリアランスと分布容積

5.2.5 モーメント解析による吸収評価

5.3 デコンボリューション法

第6章 生理学的モデル

6.1 生理学的モデル

6.2 タンパク結合

6.3 臓器クリアランス

6.4 肝クリアランス

6.4.1 Well-stirred モデル

6.4.2 Parallel tube モデル

6.5 腎クリアランス

6.6 固有クリアランス

6.7 分布容積

6.8 経口クリアランス

6.9 おわりに

第7章 線形動態,非線形動態 3つの解析法で解析してみましょう

7.1 線形動態

7.2 非線形動態

7.3 薬物動態評価・予測と解析法

第8章 医療関係者へ

8.1 添付文書の読み方

8.2 効果と半減期と蓄積性

8.3 予測式を使わない予測法(反復投与)

8.4 薬物間相互作用

8.5 ポピュレーションファーマコキネティクス

第9章 創薬担当者へ

9.1 創薬担当者へ

9.1.1 早いと速い

9.1.2 バイオアベイラビリティ

9.1.3 In vitroでの肝固有クリアランスの求め方

9.1.4 半減期

9.1.5 組織移行性

9-2 薬効・毒性担当者へ

9.2.1 In vitroとin vivoの有効濃度

9.2.2 PK/PD解析(TK/TD)

9.3 物性・製剤担当者へ

第10章 補講

補講1 ラプラス変換

補講2 なぜ,Vdβの方がVssよりも大きいのか

補講3 反復投与の解析・予測


おわりに

参考図書

式一覧

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784525727215
  • ページ数:117頁
  • 書籍発行日:Invalid date
  • 電子版発売日:2011年5月31日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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