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実験医学増刊 Vol.37 No.17 脳の半分を占める グリア細胞

  • ページ数 : 230頁
  • 書籍発行日 : 2019年10月
  • 電子版発売日 : 2019年11月8日
¥5,940(税込)
ポイント : 108 pt (2%)
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商品情報

内容

神経「以外」の細胞として,長らく見過ごされていたグリア細胞.脳を守り,高次機能の要となるその役割がいま注目を集めています.光遺伝学,DREADD,イメージングなど先端技術で照らされるその姿をご覧下さい

実験医学 最新号・バックナンバー・増刊号

序文

はじめに


にかわ脳-Glue Brain Project-

IBM とスイス連邦工科大学がはじめた「Blue Brain Project」をはじめ,国家規模の機能的コネクトミクス研究は数々あるが,そのほとんどで研究対象としているのが,脳のたった半分だけ,というのは驚くべき事実である.実際の脳の中は,多数のグリア細胞の隙間を神経細胞が埋めているような有様である.ところが,脳科学のプロとも言えるべき人たちでさえ,脳の半分以上はグリア細胞でできているという厳然たる事実を,うっかり見過ごすことがある.

グリア細胞は活動電位を発しないため,脳内情報処理には何ら関わりがないとするのが,従来の考え方であった.ところが,グリア細胞内のイオン変動や代謝産物変動を可視化すると,実に豊かな情報表現がされていて,そして,さまざまな伝達物質を放出することで,他の細胞とも活発にコミュニケーションを取っていることが明らかになってきた.また,脳内血管と神経細胞の間には必ずグリア細胞がある.したがって,中枢である脳は,グリアを介して,全身とつながっているとも言える.グリア細胞は,脳と心と体を「ノリ」や「にかわ(Glue)」のように,構造的,そして機能的につないでいる.そして,その働きのおかげで,われわれは,整合性ある1 つの個体として活動できるわけである.

このような考え方は,グリアをこよなく愛する研究者の偏った思想と捉える向きも多いであろう.しかし,いまこそ,脳と心の機能は神経細胞のみが担っていると考えるニューロン・ドグマを疑い,グリアを中心に据える斬新な視座に立って,脳科学そのものを脱構築するチャンスである.これまでにない新たなアイデアが生まれ,神経科学も,ようやくポストモダンのフェーズに入ることであろう.科学革命の原動力は,一般科学の敷いた常識のレールを疑い,これを覆すことにある.

本増刊号では,グリア細胞に焦点をあてた"Glue" Brain Project を担う最先端の研究者に,執筆陣として参加していただいた.脳と心に関してアプリオリに想定される関係を根底から覆すような,革命的研究を紹介する.


松井 広
田中 謙二

目次

序にかえて-にかわ脳-Glue Brain Project-

第1章 グリア細胞の分化・神経発達

1.神経系前駆細胞(放射状グリア)とアストロサイトの多様性

2.ミクログリアから神経細胞へのダイレクトリプログラミング

3.ショウジョウバエ脳におけるグリア組織の再編成

第2章 グリア細胞と神経免疫・臓器連関

1.グリンファティック説とその反響

2.グリアの光刺激による脳血流の操作

3.ペリサイト機能欠損による血液脳関門の破綻

4.脳虚血後の炎症と修復における自然免疫の役割

5.筋萎縮性側索硬化症におけるグリア・免疫連関

6.グリア細胞による貪食を介した脳内リモデリング

7.歯周病菌とミクログリアの不都合な関係―アルツハイマー病治療のパラダイムシフト

第3章 グリア細胞と疾患

1.脳保護・修復におけるグリア細胞の役割―グリア性虚血耐性

2.脱髄初期におけるミエリン破壊機構の解明

3.多発性硬化症の新たな診断法,治療法―qMM法による髄鞘特異的イメージング

4.痛みと痒みの慢性化とグリア細胞

5.自閉症におけるミクログリア依存的シナプス除去の不全とその回復

6.ミクログリアの機能破綻を原因とする一次性ミクログリオパチー

7.グリアを狙うてんかん創薬

第4章 グリア─神経の機能連関

1.アストロサイトによるシナプス伝達チューニング機構

2.アストロサイト活動光操作による脳機能制御

3.神経興奮を調節する特殊なアストロサイト亜種とその機能

4.アストロサイトが引き起こすADHD様行動変化―グリアの視点から紐解く精神疾患のメカニズムと治療法

5.オリゴデンドロサイトによる軸索伝導とシナプス機能の促進

6.オリゴデンドロサイト-軸索相互作用による脳機能発現―神経軸索に依存した選択的な髄鞘形成

7.神経活動依存的な髄鞘化の障害がもたらす神経回路変容

第5章 グリアの解析手法

1.グリア─ニューロン間情報発信・受信イメージング技術

2.ライブ超解像イメージングによる三者間シナプスのアストロサイト信号の解明

3.グリア活動を反映するBOLD-fMRI信号

4.神経─アストロサイト─脳血流のマルチモーダルイメージング

5.グリア細胞の3次元超微形態学

6.単一細胞解析により明らかになったミクログリアの時空間的多様性

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書籍情報

  • ISBN:9784758103824
  • ページ数:230頁
  • 書籍発行日:2019年10月
  • 電子版発売日:2019年11月8日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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