よく出合う「困った」を解決!薬の疑問Q&A

  • ページ数 : 294頁
  • 書籍発行日 : 2010年12月
  • 電子版発売日 : 2012年10月12日
¥4,180(税込)
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商品情報

内容

日常診療で困ることの多い、薬や処方に関する様々な疑問に読みやすいQ&A形式で答えます。アンケートで集めた医師の生の声86を厳選し、薬剤・疾患別から投与方法・合併症など患者に応じた薬の使い方まで幅広く解説しました。

序文

本書を手に取っていただいてありがとうございます.薬についての類書が数多くあるなか,本書の役割はどこにあるのか,そんなことを考えながら本書の編集に当たりました.

読者のニーズが,単にエビデンスがあるとかないとかいったところにあるのではないというのは,長年臨床現場でのEBMの実践に関わってきた自分自身の経験に照らし合わせても明らかでした.臨床の現場で求められているのは,「エビデンスがあったとしても臨床の現場でどう利用したらいいのかわからない」,さらに「エビデンスがない場合にどうすればいいのかますますわからない」,そういう疑問を解決するような実践的な書である,というのが本書のスタートでした.

そこで,本書はエビデンスがあるなしを問わず,日常診療において,薬に関して臨床家が困っていることをトピックとして選び,エビデンスがないからといってトピックから除くのではなくて,ない場合にどう対処するのかも含めて回答する,という形のQ&A形式でお届けしています.

また,本書に掲載したQはすべて羊土社編集部が現場の医師から聞き集めた数多くの実際の疑問の中から,編者が重要度の高いと思われるものをピックアップして構成しました.いわば現場の医師の「生の声」から生まれたというのが本書の特徴のひとつです.


自分自身としては,なかなか面白い書に仕上がったと感じていますが,読者の皆さんにも,同様に面白いと思ってもらえるような書になっていれば幸いです.序文を読んで,面白そうだと思ったら,ぜひ本文まで少し読んでみてください.そこに広がる世界は,単に経験に基づくという世界でもなく,単にエビデンスに基づくという世界でもない,新しい世界が広がっているかもしれません.


2010年 10月

編者を代表して
名郷 直樹

目次

1 薬剤別薬の使い方Q & A

1.抗菌薬

Q1 どのようなかぜに抗菌薬が必要でしょうか?

Q2 投与中の抗菌薬は静注薬から内服薬への変更を含めて,いつまで継続したらよいでしょうか?

Q3 創部の細菌感染予防に抗菌薬は有効でしょうか?

Q4 海外で日本より高用量の投与が勧められている場合,抗菌薬の投与量はどのように決定したらよいでしょうか?

Q5 似たような抗菌スペクトラムをもつ抗菌薬は,どのように使い分けたらよいでしょうか?

Q6 抗菌薬投与中に細菌培養のための検体採取を行う場合,どのタイミングで行えばよいでしょうか?

Q7 抗菌薬の投与量を決定する際に基準とするGFR は,どの測定法を用いたものを選んだらよいでしょうか?

Q8 術後で抗菌薬を投与している際に発熱をきたした場合,その原因をどのように考えればよいでしょうか?

Q9 どのような状況であれば,抗菌薬が無効と判断してよいでしょうか?

Q10 臨床症状は軽快しているにもかかわらず,WBC やCRP などの検査値が高値だった場合に,抗菌薬はやめてもよいのでしょうか?

2.ステロイド

Q11 ステロイド外用剤は,どれくらい使用すると副作用を生じるのでしょうか?

Q12 急性呼吸促迫症候群では,ステロイド治療は有効でしょうか?

Q13 コントロール不良の糖尿病患者の喘息発作に,ステロイドの全身投与はしてもよいでしょうか?

3.解熱鎮痛薬

Q14 NSAIDs の増量を希望する慢性頭痛の患者には,どのように対応したらよいでしょうか?

Q15 整形外科疾患で使用中の鎮痛薬(NSAIDs)は,どうやって減量,中止したらよいでしょうか?

Q16 鎮痛薬はどのように使えばよいのでしょうか?

Q17 Cox2 選択的阻害薬は通常のNSAIDs より安全といえるのでしょうか?

4.抗血小板薬,抗血栓薬

Q18 すでに抗血小板薬を内服している人が脳梗塞を再発した場合,薬剤の変更や追加をした方がよいでしょうか?

Q19 投与中の抗血小板薬を一時中断する必要があるとき,どのタイミングで中止したらよいでしょうか?

Q20 心房細動をもつ高齢患者では,ワルファリン内服はいつまで続ければよいでしょうか?

Q21 ワルファリンを拒否する心房細動の患者に対して,何もしないよりはアスピリンを投与した方がよいでしょうか?

5.ビタミン・栄養

Q22 味覚異常の患者に亜鉛投与は有効でしょうか?

Q23 しびれを訴える患者に,ビタミンB 製剤は有効でしょうか?

6.麻酔薬

Q24 トリガーポイントブロックの効き方は個人差が大きいものでしょうか?

Q25 仙骨裂孔ブロックに血圧低下や頭痛が合併した場合,どのように対処すればよいでしょうか?

7.麻薬

Q26 モルヒネを使うと,寿命が短くなるのでしょうか?

Q27 モルヒネは痛みだけでなく呼吸困難にも有効でしょうか?

8.抗ウイルス薬

Q28 タミフル®による異常行動の出現はどう考えればよいのでしょうか?

9.漢方薬

Q29 投与中の漢方薬はどのようにして中止したらよいでしょうか?

10.ジェネリック医薬品

Q30 ジェネリック医薬品を使用した方がよいでしょうか?

2 薬の投与法Q & A

1.投与速度

Q31 抗菌薬の投与時間はどのように決めたらよいでしょうか?

Q32 心機能が低い患者や心不全の既往のある患者がショックや脱水になった場合,輸液の速度はどれくらいに設定したらよいでしょうか?

2.投与量

Q33 体重,体格の違いで薬剤の投与量は変更した方がよいのでしょうか?

3.投与順

Q34 2種以上の点耳薬を使用するときの順序や投与間隔はどのように決めればよいでしょうか?

Q35 急性虫垂炎患者を救急病院に搬送するときに,抗菌薬や鎮痛薬を先に投与してしまってもよいでしょうか?

4.投与経路

Q36 どのような薬剤が気管内投与可能でしょうか?

Q37 どのような薬剤が胃管から投与可能でしょうか?

5.処方の工夫

Q38 1日に何度も服薬できない患者には,どのように処方を工夫すればよいでしょうか?

3 患者に応じた薬の使い方Q & A

1.肝・腎機能障害

Q39 腎機能障害があるときに,どのように抗菌薬の種類と量を決めればよいでしょうか?

Q40 肝細胞障害があるときの薬剤投与量は,どのように決めればよいでしょうか?

Q41 腎障害がある患者で投与が必要な薬剤には,どのようなものがあるでしょうか?

Q42 糖尿病性腎症で浮腫がある患者にラシックス®を使用して腎障害が悪化した場合には,どのように対応したらよいでしょうか?

2.小児

Q43 小児の感染症では,薬剤選択や投与量をどのように考えたらよいでしょうか?

Q44 高熱を呈する患児には,熱源が不明でも抗菌薬を投与すべきでしょうか?

3.妊婦

Q45 解熱鎮痛薬を処方した後,妊娠とわかった患者さんにはどう対応したらよいでしょうか?

4 疾患別薬の使い方Q & A

1.糖尿病

Q46 さまざまな種類のインスリンが発売されていますが,どのように使い分けたらよいでしょうか?

Q47 2型糖尿病患者でHbA1c はどれくらいにコントロールすべきでしょうか?

Q48 SU 剤は作用機序から考えて,冠動脈に対しどのような影響があるでしょうか?

2.脂質異常症

Q49 LDL コレステロールと中性脂肪の両方が高値を示す脂質異常症患者に,スタチンとフィブラート系薬を併用してもよいでしょうか?

Q50 薬物療法を開始してすぐにコレステロール値が改善したため,食事療法を積極的に行わない脂質異常症患者には,どのように対応したらよいでしょうか?

Q51 コレステロール値の高い女性はどのように治療したらよいでしょうか?

Q52 スタチンで十分LDL が下がらない場合にエゼチミブの追加投与は妥当でしょうか?

3.痛風・抗尿酸血症

Q53 尿酸降下薬はどのような基準で減量,中止したらよいでしょうか?

Q54 無症候性の高尿酸血症患者は,どのように治療したらよいでしょうか?

4.循環器

Q55 ACE阻害薬とARBの有効性や副作用には差があるのでしょうか?

Q56 無症候性の心房細動には,どのような治療をしたらよいのでしょうか?

Q57 心不全に対してβ遮断薬はどのように使用すればよいでしょうか?

Q58 低血糖を起こしやすい降圧薬はどれでしょうか?

Q59 血圧の低い心不全患者であっても,β遮断薬やACE 阻害薬は投与した方がよいでしょうか?

Q60 降圧薬は何を第1選択にすべきでしょうか?

5.消化器

Q61 胃薬はどのように使えばよいでしょうか?

Q62 出血性胃潰瘍の患者に対して,胃薬はどのように使用したらよいでしょうか?

Q63 慢性的な便秘に対して,どのように下剤を使い分ければよいでしょうか?

Q64 慢性的な下痢に対して,どのように止痢薬を使い分ければよいでしょうか?

6.呼吸器

Q65 長時間作用型のβ刺激薬の長期投与は安全なのでしょうか?

Q66 気管支喘息のコントロールに多剤併用している場合,症状が改善したらどのように減薬すればよいでしょうか?

Q67 脳梗塞後の誤嚥性肺炎を予防するためには,どのように対応したらよいでしょうか?

Q68 禁煙を勧めるために,どのような場合に禁煙補助薬を使用したらよいでしょうか?

7.精神科

Q69 投与中の抗うつ薬はどのように減量,中止したらよいでしょうか?

Q70 投与中のベンゾジアゼピン系抗不安薬はどのようにして減量,中止したらよいでしょうか?

Q71 精神疾患で内服中の患者が身体疾患を発症して内服ができなくなった場合,どのようにして必要最低限の薬を選択すればよいでしょうか?

Q72 入院をきっかけに発症した夜間せん妄に対しては,どのように対処すればよいでしょうか?

Q73 高齢者に超短時間作用型の睡眠薬を使用しても朝残ってしまいますが,どのようにしたらよいでしょうか?

Q74 不眠を訴える患者には,どのように対応したらよいでしょうか?

Q75 すでに睡眠薬を使用しているにもかかわらず,なお不眠を訴える患者には,どのように対応したらよいでしょうか?

8.皮膚科

Q76 蕁麻疹の患者に抗ヒスタミン薬を投与する際に,内服薬に加えて静注薬も使用した方がよいでしょうか?

Q77 主婦湿疹にはどのような対応をしたらよいでしょうか?

Q78 皮膚瘙痒感に対して,どのように対処したらよいでしょうか?

Q79 日常的にみる皮疹に対して,ステロイド外用薬,抗菌薬,抗真菌薬のどれをどのように選択したらよいのでしょうか?

9.片頭痛

Q80 片頭痛患者では,トリプタンとエルゴタミンのどちらを使えばよいでしょうか?

10.骨粗鬆症

Q81 骨粗鬆症患者はビス剤の服用が難しくても,投与を継続した方がよいでしょうか?

5 その他

1.副作用

Q82 薬の副作用の頻度はどれくらいでしょうか?

Q83 複数の薬剤を服用している患者に薬剤による副作用が考えられる場合,どの薬剤から中止,変更したらよいでしょうか?

2.患者対応

Q84 当直中に主治医でない患者の対応を求められたときに,電話連絡のみで内服や点滴の指示を行うことは法的に問題ないでしょうか?

Q85 クセになるからと必要な薬の服用を渋る患者には,どのように対応すればよいでしょうか?

3.エビデンス

Q86 エビデンスのない薬は処方すべきではないでしょうか?

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書籍情報

  • ISBN:9784758106955
  • ページ数:294頁
  • 書籍発行日:2010年12月
  • 電子版発売日:2012年10月12日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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