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- PT・OTビジュアルテキスト リハビリテーション基礎評価学
商品情報
内容
PT・OTに共通する基礎的な評価項目を厳選.図表を多用し,オールカラーでよくわかる!実習や臨床現場に出てからも長く使える教科書です.
>『 PT・OTビジュアルテキスト(専門基礎)』シリーズはこちら
序文
序
理学療法士,作業療法士をはじめとする医療専門職では,対象者が抱える障害像を把握し,具体的な介入を決定するために評価が行われる.評価は,対象者の観察に始まり,種々の検査・測定に基づいて行われるが,これは医師が診察や検査の結果に基づいて診断を行うのと同様である.したがって,正しい治療が行われるためには,正しい評価が行われなくてはならない.そして適切な理学療法や作業療法が提供されるためには,正確な評価方法に関する知識と技術を身につける必要がある.
周知のとおり,理学療法士と作業療法士とは,制度上は姉妹のような関係にあり,法制度が整備され,教育が開始されたのも同時であった.事実,リハビリテーションに関わる専門職として,両職種には知識や技術について共通する部分も多い.筆者らは,以前から理学療法士と作業療法士が行う評価はかなりの部分が共通しており,それぞれの専門職に固有の評価項目は必ずしも多くないことに気づいていた.独立した専門職である以上,同一の患者を評価する場合,評価の視点や重みづけは異なり,それぞれの専門職に独自の評価方法が存在することも理解している.その一方で,共通した評価方法に基づいて行われる評価指標も少なくないのである.
本書のコンセプトは,理学療法士と作業療法士に共通する基礎的な評価方法に関する解説書を作成することにあった.ただし,それぞれの職種には固有の専門的知識を必要とすることもまた事実であることから,必ずしも共通しない項目も掲載してある.したがって,本書は理学療法士およびその学生,もしくは作業療法士およびその学生が本書を手にしても十分な内容を網羅したつもりである.また,今後は理学療法士,作業療法士がお互いに固有の分野についても理解することが必要となると考えられることから,本書を通じて自分たちに不足した評価の内容について,相互に補完することが可能となろう.
最後に,本書は理学療法士と作業療法士の合作による評価学のテキストであり,本邦では初の試みであると思う.今後,適宜,改訂の作業を行い,より充実した内容に改訂していく所存である.読者の忌憚のないご意見やご指摘を賜ることができれば幸いである.
2014年9月
潮見 泰藏
下田 信明
目次
第1章 評価の基礎
1 リハビリテーション医療における評価
2 評価の過程
3 評価の対象
4 評価の構成要素
第2章 評価の実際
(1) 評価の進め方
1 リハビリテーションにおける問題解決プロセス
2 リハビリテーションの対象となる障害の範囲
3 リハビリテーション評価の時期
4 リハビリテーション評価計画の立て方
(2) 医療面接と情報収集
1 医療面接の目的と実施するタイミング
2 医療面接の実施手順
3 医療面接における注意点
4 主訴とニーズ
5 主な情報収集項目
6 カルテの見かた
7 医学的情報の取り方(疾患,画像所見,血液・尿検査,心電図)
8 社会的情報の取り方(家族関係)
(3) 意識障害・全身状態の評価
A) 意識障害
1 意識障害の診かた
2 意識レベルの判定
3 意識変容の評価指標
B) バイタルサイン
1 循環器の検査
2 呼吸器の検査
(4) 脳神経の検査
1 脳神経(cranial nerve)とは
2 検査の方法
(5) 高次脳機能(障害)の評価
1 高次脳機能(障害)評価の流れとポイント
2 簡易知的機能検査と高次脳機能障害スクリーニング検査
3 高次脳機能障害とその評価
(6) 気分(うつ・不安)・思考の評価
1 気分(うつ・不安)・思考を評価するにあたって
2 気分(うつ・不安)
3 思考
4 精神障害における全般的機能の評価尺度
(7) 意欲・自己効力感の評価
1 意欲の評価
2 自己効力感の評価
(8) 摂食・嚥下検査
1 摂食・嚥下障害とは
2 摂食・嚥下障害の評価
(9) 姿勢・形態測定
A) 姿勢評価
1 ヒトの抗重力姿勢の特徴
2 異常姿勢のタイプと原因
3 姿勢評価の意義
4 姿勢評価の手順
B) 形態測定
1 身長,体重の測定と体格指数
2 四肢長および周径の測定
3 臨床における四肢長・周径測定のポイント
(10) 感覚検査
1 感覚の概要
2 感覚障害の基礎
3 感覚検査の実際
(11) 痛みの評価
1 痛みとは
2 運動器に関連した疼痛評価の進め方
3 痛みの臨床的評価尺度
(12) 反射検査【藤平保茂】
1 反射とは
2 深部腱反射
3 病的反射
4 表在反射
(13) 筋緊張検査
1 筋緊張とは
2 手技
3 判定のしかた
(14) 関節可動域(ROM)
1 正常な関節可動域と異常な関節可動域
2 関節可動域における最終域感
3 関節可動域検査の手順
4 関節可動域検査(頸部)
5 関節可動域検査(体幹)
6 関節可動域検査(肩甲帯)
7 関節可動域検査(肩)
8 関節可動域検査(肘・前腕)
9 関節可動域検査(手)
10 関節可動域検査(手指)
11 関節可動域検査(股)
12 関節可動域検査(膝)
13 関節可動域検査(足)
14 関節可動域検査の結果の解釈
付録表 関節可動域表示ならびに測定法
(15) 徒手筋力検査(MMT)
1 徒手筋力検査(Manual Muscle Testing:MMT)とは
2 判定基準
3 テスト手技
4 信頼性
5 代償運動
6 固定と抵抗
7 具体的手順と注意点
8 その他の客観的筋力評価法
9 おわりに
付録図 MMTの実際
(16) 姿勢バランス
1 姿勢バランスの概要
2 座位バランス検査
3 立位バランス検査
4 パフォーマンステスト
5 姿勢バランス検査の留意点
付録表 Balance Evaluation Systems Test(BESTest)
(17) 協調性検査
1 協調性障害
2 協調性検査の実際
(18) 持久力の評価
1 体力とは
2 運動耐用能
3 筋持久力の評価
4 全身持久力の評価
(19) 上肢機能検査
1 上肢機能における観察の視点
2 上肢機能検査
3 脳卒中を対象とした日常生活における使用状況の主観的評価
(20) 日常生活活動評価
1 日常生活活動(ADL)とは
2 FIM(機能的自立度評価法)
3 Barthel Index
4 観察に基づく評価 ~身の回り動作(食事・トイレ・更衣・入浴)
(21) QOL評価
1 QOLとは
2 SF-36(MOS short-form36)
3 EuroQol(EQ-5D)
4 HUI
5 改訂PGCモラール・スケール
6 主観的健康感のVAS
(22) 観察に基づく動作分析
1 動作分析・動作観察の基本的な考え方
2 臨床で求められる動作分析とは
3 分析の種類
4 起居・移動の動作分析(正常な動作と頻度の高い問題点)
5 機能的動作獲得に向けた動作分析
(23) 運動発達の評価
1 運動発達を評価するにあたって
2 運動発達の評価
3 生活機能の評価
第3章 症例に基づく評価の進め方
症例1) 脳卒中患者
1 理学療法評価
2 作業療法評価
3 プログラム実施時の留意点
症例2) 大腿骨頸部骨折患者
1 理学療法評価
2 プログラム実施時の留意点
巻末付録 各種代表的疾患の主な障害と評価項目ならびに疾患特異的評価指標
1 脳卒中
2 パーキンソン病
3 脊髄小脳変性症
4 脊髄損傷
5 多発性硬化症
6 筋萎縮性側索硬化症
7 慢性関節リウマチ
8 変形性関節症
9 大腿骨頸部骨折
10 切断
11 末梢神経損傷
12 虚血性心疾患
13 糖尿病
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書籍情報
- ISBN:9784758107938
- ページ数:390頁
- 書籍発行日:2014年11月
- 電子版発売日:2018年12月12日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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