ビジュアル薬剤師実務シリーズ 1.薬局調剤の基本

  • ページ数 : 238頁
  • 電子版発売日 : 2011年5月31日
¥3,520(税込)
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商品情報

内容

薬局調剤に必須の知識や手技を豊富な写真とイラストで懇切丁寧に解説したテキスト「ビジュアル薬剤師実務シリーズ 1.薬局調剤の基本」が電子書籍になりました。

序文

監修の序

2006年に薬学教育6年制がスタートした.以前の薬学教育は,知識重視で,技能や態度教育はほとんど施されてこなかった.病院や薬局に就職した薬剤師は,自己学習や経験によって,足りなかった技能の部分と態度の部分を補ってきた.しかしこのような薬学教育が医療現場で活躍する薬剤師を求める社会のニーズに合わなくなったことから,臨床教育の充実が必要となり,学部の修業年限が6年となった.現在はモデルコアカリキュラムに従って教育が行われている.そして大学には,現場で経験を積んだ実務家教員が多く配属されることになった.しかし技能や態度の教育については,教科書や参考書がまだ少なく,実務家教員といえども大勢の薬学生を教えるのに苦慮している.

私が羊土社から本シリーズの発刊の話をいただいた時,いよいよ薬学も医学と同じような教育ができると確信した.それは羊土社から発行されている医師向けの『臨床研修イラストレイテッドシリーズ』を見た時,医師向けの臨床教育ではイラストを多用した書籍によって手技までもがわかりやすく解説されていたからである.それが大学だけでなく現場の医師に利用されていると聞き,このシリーズが実務中心であり,知識に偏らず細やかな手技にスポットを当てていることに注目した.近年,医学の飛躍的進歩と共に製剤技術や調剤機器も新しくなった.調剤手技もそれに合わせて進化したが,市販の解説書では旧来の調剤方法を踏襲するものでしかない.医師の臨床教育の世界で定評のある『臨床研修イラストレイテッドシリーズ』にならい,ビジュアルを重視し,実務のコツを解説した薬剤師向けの参考書を発刊できることは,この上もない喜びである.

本シリーズは1,2巻の「薬局編」と3,4巻の「病院編」からなる4冊構成であり,薬学生にとってはもちろん,病院や薬局で勤務する薬剤師にとって座右の書となることを希望する.6年制薬学教育では,実務実習前に共用試験が実施される.OSCEは知識ではなく技能と態度を評価するものであるが,本書はそのOSCEにも活用していただけるものと思う.本来ならば,OSCEに合格するためだけの参考書にした方が,薬学生諸君にはありがたいかもしれない.しかし,OSCEに合格するための手技と実際に現場で行われている手技では若干の違いがある.筆者はOSCEに充分活用できることと併せて,将来就職してからも役立つ参考書にしたいと考えた.薬学生や指導薬剤師のためにモデルコアカリキュラムの方略(LS)をリンクして示してある.さらに執筆者の多くは病院や保険薬局で実務をされている薬剤師であるため,手技を写真やイラストを多用してわかりやすく解説することだけでなく,それぞれの作業を行う上での心構えや倫理観についても考慮し,OSCEにありがちなロボットのような画一的な動きではなく,人間としての正しい動作を解説した.

将来薬剤師過剰時代を迎えることになるが,この"ビジュアル薬剤師実務シリーズ"がすべての薬剤師の質の向上に貢献することを願って止まない.最後に,執筆のお手伝いをいただいた阿部宏子先生,下平秀夫先生をはじめとするすべての執筆者と羊土社の秋本佳子様に心より感謝する.

2008年9月

上村 直樹


編集の序

薬剤師法第19条に「薬剤師でない者は,販売又は授与の目的で調剤してはならない」とあり,薬剤師にしか許されていない行為に調剤がある.しかしながら薬学部・薬科大学を卒業しても身に付いていない行為のひとつにも調剤が挙げられる.調剤業務には膨大な知識と経験的技能とふさわしい態度がバランス良く醸成されていることが必要となる.しかし大学では知識中心の教育を受け,薬局や病院ではその職場での即実践となる手技をメインに経験するというのが現状である.現在ベテランの薬剤師は,この知識・技能・態度を独学で身につけてきたと言っても過言ではない.4年制の薬学教育では時間的に難しかったと言ってしまえばそれまでであるが,実務家教員の不在とわかりやすい参考書がなかったことも大きな原因であると考えている.薬学教育も6年制になり,医療薬学分野の講義も増えつつあり,それに伴い実務家教員の数も増えつつある.しかし,まだまだ充分とは言えない.そして多くの学生に手技を教えるのは時間的にも困難なことである.そこで,新人の薬剤師や薬学生のために薬局調剤の手技を中心とした参考書を発行することを決意したのである.

本書は,イラストと写真をふんだんに使用し,効果的かつ効率的に薬局調剤が学べるように工夫した.特に実務で知っておくべきコツやポイントは"かゆいところに手が届く"よう配慮して解説した.一方で手技の説明に留まらず,その奥にある「思い」を伝えることに心がけた.薬局調剤は機械的で単純な作業の連続であると誤解をしている学生や新人も少なくない.本書によって,薬局調剤の奥深さや調剤をするに当たっての心構えを理解していただければ幸いである.総論と各論の2部構成になっているので,総論で概要を捉え,各論部分で個々の業務について詳細を参照されるとよいだろう.

本書は薬学生だけでなく,すでに薬局業務に就いている薬剤師から,しばらく業務を離れてしまった薬剤師までを念頭に置いて執筆した.実務実習前の薬学生にとってはOSCEの参考書としても役に立つと思う.現在薬剤師として働いている人にとっては,自分自身の業務の見直しや不得意分野の習得に役立てていただけるとありがたい.本書によって薬局調剤が多くの薬剤師や薬学生に理解され,結果として国民から信頼される薬剤師が日本中に増えることを願っている.


2008年 9月

編者を代表して

上村 直樹

目次

推薦の言葉【内山 充】

監修の序【上村 直樹】

編集の序【上村 直樹】

実務実習事前学習方略/薬局実習方略/OSCEとの対応表

総論 薬局調剤とは

 1.薬局調剤の心得【上村 直樹】

 2.調剤の流れ【下平 秀夫】

各論 調剤の実際

基本実務

 1.処方せん受付と患者対応【鹿村 恵明】

 2.薬袋作成【出石 啓治】

 3.計数調剤【高橋 淳一】

 4.散剤調剤【下平 秀夫】

 5.内用液剤の調剤【城戸 美好】

 6.外用薬調剤(軟膏剤,外用液剤,坐剤)【出石 啓治】

 7.特殊な調剤【出石 啓治】

 8.調剤機器【花島 邦彦】

 9.劇薬,毒薬,麻薬,向精神薬の調剤と管理【花島 邦彦】

 10.調剤薬鑑査【鹿村 恵明】

アドバンスト実務

 11.処方せん鑑査と疑義照会【鹿村 恵明】

 12.服薬指導【高橋 寛】

 13.薬歴管理【高橋 寛】

 14.調剤過誤防止【高橋 淳一】

索 引

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書籍情報

  • ISBN:9784758109208
  • ページ数:238頁
  • 書籍発行日:Invalid date
  • 電子版発売日:2011年5月31日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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