術中神経モニタリングバイブル

  • ページ数 : 351頁
  • 書籍発行日 : 2014年6月
  • 電子版発売日 : 2015年5月8日
¥6,050(税込)
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商品情報

内容

神経モニタリングに関わる全医療者必携の1冊!

神経合併症予防に必須の術中神経モニタリングの方法とその解釈のしかたを1冊に網羅!
電子版では、文中の図表などの参照先へリンクが貼られているので、目的の場所にすぐ辿り着けます。

序文

画像診断や手術手技の著しい進歩にも関わらず,周術期の神経合併症はいまだ大きな問題である.手術手技によっては,運動機能,感覚機能,視覚機能,聴覚などさまざまな神経合併症が発生する.これらは,いずれも患者さんの機能的予後に重大な影響を及ぼす.近年は症状がない早期から手術をする場合も多く,これらの合併症を予防することはきわめて重要な責務となっている.こうした背景をもとに,周術期の神経合併症の予防のため,さまざまな神経モニタリングが施行されている.手術が終わってから異常が明らかになった場合,その改善が困難な場合も多く,術中から異常を察知し,術式や患者管理法を修正することで神経学的合併症の発生を防止しなくてはいけない.

術中神経モニタリングにおいてはいまださまざまな障壁がある.1つめは,疾患や術式によってさまざまな神経モニタリング法が適応されることである.2つめは,方法やアラームポイントを含め,いまだ神経モニタリング法のスタンダードが確立している状況ではないこと,3つめは,手術,麻酔,神経モニタリングにかかわるスタッフが協力してモニタリングを行えるチーム医療の確立が必要なことである.

一般に神経モニタリングには,外科医,麻酔科医,神経内科医,臨床検査技師,臨床工学士などの協力が必要で,良好なチーム医療の確立なしでは,良い神経モニタリングを実施することは困難である.術中神経モニタリングをチーム医療で行うためには,基礎的な知識や方法の統一が不可欠である.しかしながら,神経モニタリングはさまざまな方法があり,場合により術者によっても変更されるかもしれない.この「術中神経モニタリングバイブル」は1つのたたき台として,術中に共通の言語として使用することで,今後の神経モニタリング法の確立の一助になればと考えている.施設ごとに異なる内容も含まれるが,今後はどこにいっても均一な神経モニタリング法が提供できるような環境を学会などで整えていかなければならない.

今回,術中に使用される神経モニタリング実施に必要な,モニタリングの基礎的事項,解剖,疾患や術式,および各神経モニタリング法とその解釈についてのポケットマニュアルを作成した.術中神経モニタリングは,各施設での実施が必須となりつつある領域であり,さらに普及していくことが予想される.本書は,はじめて手術室にはいる臨床検査技師などの医療従事者でも容易に理解できる難易度での知識の整理を第一目標とし,術中神経モニタリングを施行する医師・臨床検査技師が手術室で簡便に使用できる1つの携帯本になればと考えている.議論のある内容も多く含まれているが,皆様のご意見をいただきさらに改訂することで,術中神経モニタリングの確立や周術期神経合併症の軽減に寄与できればと考えている.

2014 年4月

奈良県立医科大学麻酔科学教室

川口昌彦

目次

第1章 神経モニタリングに必要な解剖学

1. 運動路と評価法

2. 感覚路と評価法

3. 視覚路と評価法

4. 聴覚路と評価法

5. 眼球運動神経と評価法

6. 三叉神経・顔面神経と評価法

7. 下位脳神経と評価法

8. 言語機能の解剖と評価方法

9. 脳血管の解剖

10. 脊椎脊髄の解剖

11. 大動脈の解剖

12. 末梢神経の解剖

13. 筋肉の解剖

第2章 神経モニタリングに必要な電気生理

1. 神経生理

2. 電極位置

3. 刺激法

4. 記録方法

第3章 神経モニタリングに必要な画像診断

1. 脳疾患の画像診断

2. 脊椎脊髄疾患の画像診断

3. 大動脈疾患での画像診断

第4章 神経モニタリングに必要な麻酔の知識

1. 全身麻酔の流れ

2. 全身麻酔薬

3. 筋弛緩薬

4. 麻酔中の一般モニター

5. 麻酔深度モニター

6. 麻酔薬と神経モニタリング

第5章 手術室での注意点

1. 手術室での感染対策

2. 手術体位と注意点

3. ノイズ対策

第6章 各種神経モニタリングの施行法

1. 脳波(頭皮電極の場合)

2. 皮質脳波

3. 運動誘発電位(経頭蓋電気刺激法:Tc-MEP)

4. 運動誘発電位(脳表直接刺激法:D-MEP)

5. 運動誘発電位(皮質下刺激)

6. 運動誘発電位(脊髄硬膜外記録)

7. 上肢体性感覚誘発電位(上肢SEP)

8. 下肢体性感覚誘発電位(下肢SEP)

9. SEPによる中心溝同定

10. 視覚誘発電位(VEP)

11. 聴性脳幹反応(ABR)

12. 顔面神経モニター

13. 下位脳神経モニター

14. 異常筋反応

15. 眼球運動神経モニター

16. 球海綿体反射

17. wake-up test

第7章 脳外科手術での神経モニタリング

1. 脳動脈瘤手術

2. 運動野近傍脳腫瘍摘出術

3. 下垂体腫瘍摘出術

4. 覚醒下手術

5. 覚醒下脳手術の麻酔

6. テント下脳腫瘍摘出術

7. 片側顔面けいれんに対する微小血管減圧術

8. 内頸動脈剥離術

9. てんかん焦点切除術

第8章 脊椎脊髄手術での神経モニタリング

1. 側弯症手術

2. 脊髄腫瘍摘出術(脳神経外科)

3. 脊髄腫瘍摘出術(整形外科)

4. 頸椎前方除圧固定術

5. 椎弓形成術

6. 胸椎後縦靭帯骨化症の手術

7. 脊髄脂肪腫手術

8. 脊椎脊髄手術の麻酔

第9章 大血管手術での神経モニタリング

1. 弓部大動脈手術

2. 胸部下行・胸腹部大動脈瘤手術

3. 大動脈ステント術

第10章 神経モニタリングに必要な統計学

1. 基本統計

2. モニタリングの臨床評価・研究に必要な統計指標

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書籍情報

  • ISBN:9784758111102
  • ページ数:351頁
  • 書籍発行日:2014年6月
  • 電子版発売日:2015年5月8日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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