レジデントノート増刊 Vol.18 No.5 内科の視点で診る 手術前後の入院患者管理

  • ページ数 : 240頁
  • 書籍発行日 : 2016年5月
  • 電子版発売日 : 2018年11月2日
¥4,950(税込)
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商品情報

内容

糖尿病や心不全といった基礎疾患への対応も含めて「内科の視点で」丁寧に解説.

手術可能か?術後合併症はどう予防し治療する?心機能評価や内服薬の中止・再開,せん妄の対応など,適切な評価・管理のポイントがつかめる!

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序文

救急外来や内科で入院患者を診療することは,臨床研修の場における大きな柱であり,数多くの本が出版されています.しかし,内科的疾患を複数もつ高齢者に対し手術が必要になった場合に,具体的に術前評価をどうするのか,術前・術後管理で何をしなければならないのか,について研修医の先生から「実践的な本が欲しい」という声が多く聞かれ,周術期の入院患者に対する内科的管理のわかりやすい書籍が待たれていました.

そこで本書では,周術期の入院患者管理に必要となる基本的な考え方を示しつつ,具体的な症例を提示しながら,内科的基礎疾患(糖尿病,心不全,虚血性心疾患,呼吸器疾患など)をもつ場合の術前評価,手術が可能かどうかの判断,術後のコントロールで注意すること,術後に起きた合併症(せん妄,心不全,心房細動など)をどう管理するか,抗血小板薬や抗精神病薬を内服中の患者の薬の継続,中止,再開の判断など,「内科的な視点で」解説していく内容を企画しました.

心臓血管外科,移植外科など集中治療室で特殊な管理を必要とするものは,誌面の制約から今回は対象とせず,一般病棟でも行われているコモンな内容を中心としました.さらに,外科系ローテーション中で術前・術後管理を担当する初期研修医,また,外科系より内科コンサルテーションにて術前評価,術後管理を依頼された内科系初期・後期研修医やその他の周術期管理に携わる医療従事者に参考になることを目標としました.

水戸協同病院の医師を中心に,ふだん研修医・若手医師に指導していることや,質問されることなどを思い起こしていただきながら,研修医の実践に直結する内容を記していただきました.読者の皆さんの一助になれば幸いです.

過去には,術前・術後管理は外科の範疇と考えられてきましたが,医学の専門分化,複数の疾患を抱える患者の複雑化,医療の高齢化,外科系の高度の専門医療の発展とともに,チーム医療としての内科への依存はこれからますます高まっていくでしょう.米国でのホスピタリストのように,エビデンスに基づいた内科的管理は,内科医としての重要な役割となっていくと考えられます.


2016年5月

編者を代表して
筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター
水戸協同病院 総合診療科
小林 裕幸

目次

第1章 周術期の入院患者管理の基本

1.周術期の輸液管理

1.輸液のポイント

2.症例と解説

2.周術期の栄養管理:術前栄養療法

1.栄養療法総論

2.術前栄養療法の適応基準と基本原則

3.術前栄養療法実施時の要点

4.症例提示

Advanced Lecture

1.術前栄養療法の必要性に対する異論

2.免疫増強栄養剤に関する両ガイドラインの推奨事項

3.術前栄養療法の作用機序

3.周術期の栄養管理:術後栄養療法

1.総論:侵襲下における栄養療法の効果と限界

2.術後栄養療法の適応基準と基本原則

3.術後栄養療法実施時の要点

Advanced Lecture

tropicfeedingという新たなオプション

4.術後の鎮痛管理

1.術後疼痛の機序,鎮痛のターゲット

2.術後痛の身体的影響,合併症

3.術後患者が痛みを訴えたら

4.術後鎮痛の考え方,処方例

5.術後鎮痛に使われることの多い薬剤,鎮痛法

5.血糖コントロールと手術

1.術前の血糖コントロール

2.術中の血糖コントロール

3.術後の血糖コントロール

4.各薬剤の扱い方

6.内服薬・吸入薬の停止,代替,再開のタイミング

1.循環器治療薬について

2.呼吸器治療薬について

3.神経内科治療薬について

4.リウマチ治療薬について

5.甲状腺治療薬について

6.その他の薬剤について

7.ERAS®プロトコル:周術期管理の大変革

1.ERAS®の目的:患者個人と社会のそれぞれに設定

2.ERAS®の起源

3.ERAS®の誕生と発展をもたらした背景

4.ERAS®の現況:年最新版と最近の知見

Advanced Lecture

ERAS®における腹腔鏡下手術のエビデンスは?

8.麻酔科からみた周術期管理の基本

1.患者は病名を簡単には教えてくれない!

2.重篤な疾患をもっている患者は,複数の重篤な疾患をもっていることが多い

3.術前評価

4.術前評価に応じて,術後のリスクがより少ない麻酔を選択する

9.周術期の赤血球製剤輸血:適正使用up-to-date

1.貧血診断・治療

2.RCC輸血の適正化

Advanced Lecture

エホバの証人

10.手術前のmedical clearanceとは?

1.循環器疾患をもつ患者の術前評価

2.体系的なアプローチを学ぼう!

3.基礎疾患ごとの注意点

4.まとめ

11.周術期のリハビリテーション

1.呼吸リハ

2.離床リハ

3.嚥下リハ

第2章 内科的基礎疾患をもつ患者さんの術前評価・周術期管理

1.術前評価の"賢い選択"

1.術前検査のメリット・デメリット

2.術前に確認すべき病歴・身体所見

3.術前採血検査の"賢い選択"

4.術前心電図の"賢い選択"

5.術前胸部X線検査の"賢い選択"

Advanced Lecture

"Choosing Wisely campaign"とは

2.心疾患のリスク評価と虚血性心疾患の術前管理

1.周術期の心イベントリスク評価

2.術前の心検査

3.周術期におけるマネジメント

4.冒頭の症例での対応

3.心臓負荷試験の意義と選択

1.なぜ周術期に心筋梗塞が発症するのか?

2.心臓負荷試験の適応となる症例は?

3.心臓負荷試験の種類と選択の基準は?

4.心臓負荷試験が治療方針を変えるのはどのような場合か?

5.症例の解説

4.心疾患患者の周術期管理

1.周術期管理〜慢性心不全をきたす基礎心疾患は?

2.拡張型心筋症患者の注意点

3.弁膜症

4.植え込み型デバイス(ペースメーカ,ICDなど)

5.抗凝固薬,抗血小板薬を処方中の患者の周術期管理

1.ワルファリンによる抗凝固療法を受けている症例

2.抗血小板薬(DAPT)を内服している症例

Advanced Lecture

ワルファリン以外の周術期管理

6.呼吸器合併症のリスク評価と呼吸器疾患の周術期管理

1.周術期の呼吸生理

2.周術期リスクとリスク評価

3.周術期呼吸器合併症の予防

7.腎機能の術前評価と腎疾患の周術期管理

1.術前管理

2.術後管理

8.肝機能の術前評価と肝疾患の周術期管理

1.肝機能評価法

2.術後回復強化をめざした肝疾患の周術期管理

3.侵襲を伴う肝臓内科治療における周術期管理

4.肝癌患者の周術期死亡率・在院死

Advanced Lecture

1.BCAAの意義と投与のしかた

2.bacterial translocation(BT)とは?

9.術前の感染予防:抗菌薬予防投与とエビデンス

1.手術部位感染について

2.抗菌薬選択の原則

3.抗菌薬予防投与における抗菌薬の選択

4.術前の抗菌薬予防投与の実際

10.DVTのリスク評価と予防,そのエビデンス

1.DVTのリスク評価

2.DVTの予防法

3.DVT予防の期間

4.演習問題

Advanced Lecture

硬膜外麻酔時のDVT予防法

11.糖尿病の術前評価と周術期管理

1.糖尿病患者の術前評価のポイント〜症例提示

2.手術前後のインスリン療法のポイント

3.退院に向けて

第3章 術後合併症の内科的管理

1.術後の心不全

1.非心臓手術後の心不全の診断

2.心不全診断のポイント

3.術後急性心不全の治療

2.術後の心房細動(POAF)

1.POAFの疫学

2.POAF危険因子と発症予測

3.POAFの予防

4.POAFの治療

5.症例のまとめ

3.術後の発熱

1.初期評価

2.手術から発熱までの期間

Advanced Lecture

腹部手術症例の場合

4.術後せん妄

1.せん妄の評価・スクリーニング

2.せん妄に対するケア・治療

5.入院時指示の書き方

1.入院時指示とは

2.入院時指示の書き方

3.入院時指示を書く際の注意事項

第4章 周術期の患者管理,こんなときどうする?

1.ステロイド内服中の対応は?

1.ステロイド内服患者の背景

2.ステロイドの副作用による周術期合併症

3.急性副腎不全症のリスク評価

4.ステロイド追加補充の方法(ステロイドカバー)

5.急性副腎不全症を発症した場合の対応

6.ステロイドの追加補充に伴う周術期リスク

2.高齢者の術前・術後管理で気をつけることは?

1.加齢に伴う変化

2.フレイル

3.ADL低下

4.術後せん妄,術後認知機能障害

3.アルコール多飲,依存症で気をつけることは?

1.アルコール離脱症候群の病態生理と自然経過

2.アルコール離脱症候群のスクリーニングと介入

4.向精神薬内服患者の対応は?

1.周術期における向精神薬の使い方〜総論〜

2.周術期における向精神薬の使い方〜各薬剤の注意点〜

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書籍情報

  • ISBN:9784758115704
  • ページ数:240頁
  • 書籍発行日:2016年5月
  • 電子版発売日:2018年11月2日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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