サイトカイン・増殖因子キーワード事典

  • ページ数 : 422頁
  • 書籍発行日 : 2015年4月
  • 電子版発売日 : 2016年11月4日
¥7,920(税込)
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商品情報

内容

研究の場で即座に使える!

膨大な数の因子・知見が複雑に絡み合う本分野に朗報です.それぞれの因子について、経緯・機能・疾患との関連など、必要不可欠な情報を、豊富なイラストとともに徹底して整理。
サイトカイン・増殖因子に関する必要不可欠な情報をコンパクトにかつバランスよく整理し、研究の場で即座に使えるようにまとめられた一冊。

序文

本書「膨大なデータを徹底整理する サイトカイン・増殖因子キーワード事典」の原点は1995年に初版が刊行されたBio Science用語ライブラリーシリーズ「サイトカイン・増殖因子」である.サイトカイン・増殖因子の研究は分子生物学の進歩とともに1980年代から盛んに行われた.これらの因子は生体内に微量にしか存在しないが,それにもかかわらず分子生物学的手法で次々と新たな分子が同定され,その遺伝子がクローニングされた.その後,受容体遺伝子のクローニング,細胞内シグナル伝達機構の解明が急速に進み,生命科学の教科書が大きく書きかえられたという歴史がある.また,この分野におけるわが国の研究者の業績がきわめて大きかったことも特記すべきことであり,日本の生命科学の歴史に残る業績である.その後 ,遺伝子改変マウスを用いた研究が進み,サイトカイン・増殖因子の生体内での作用が詳細に明らかになり,21世紀に入るとEGF受容体やIL-6,TNFαの研究に代表されるように,研究の成果ががんや免疫疾患の治療に用いられる時代となってきた.

急速に発展するサイトカイン・増殖因子の研究に伴い,多くの若手研究者からこの分野は分子の種類が多すぎて理解しにくいとの意見が聞かれるようになった.

サイトカイン・増殖因子はその研究の歴史からさまざまな名称がつけられており,1つの分子が複数の名前をもっていたり,機能のうえでは縁もゆかりもない分子が類似した名称をもち,番号だけが異なる場合もある.こうした背景もあり,1995年に刊行されたBio Science用語ライブラリーシリーズはサイトカイン・増殖因子に関する必要不可欠な情報をコンパクトにまとめて好評を博した.その後1998年に第2版が刊行,さらには2005年に大幅に改訂し「サイトカイン・増殖因子用語ライブラリー」として衣替えして発刊された.この用語ライブラリーのめざしたところは「デジタルな情報誌」であった.最近ではインターネットでサーチするとほとんどの情報を即座に得ることができる.しかしそれでもサイトカイン・増殖因子に関する必要不可欠な情報をコンパクトにかつバランスよく整理し,研究の場でも即座に使えるような本にまとめることで,多くの研究者に有用な情報を提供してきたのではないかと自負している.

本書はこれまで発刊した用語ライブラリーシリーズをあらためて大幅に改訂してまとめたものである.古典的ともいえる分子については本書の前身である「サイトカイン・増殖因子 用語ライブラリー」と変更がないものもあるが,その点についてはご了承いただきたい.科学における事実は時代が変わっても変わらないことから,あえて変更を最小限に留めたものもある.一方で最近明らかになった分子を数多く取り入れてサイトカイン・増殖因子に関する情報をより広範に網羅し,バランスよく理解していただけるように配慮したつもりである.

「サイトカイン・増殖因子 用語ライブラリー」がたいへん好評だったこともあり,これまでに劣らぬものをということで羊土社の編集者の方々とも議論を重ねながら編集を行った.一部の分子についてはわが国に専門の方が少なく,無理なお願いを聞き入れて執筆してくださった方もおられ,この場を借りて改めてお礼を申し上げたい.本書「膨大なデータを徹底整理する サイトカイン・増殖因子キーワード事典」を多くの研究者に愛用していただくことを期待する.


2015年3月

編者を代表して
宮園浩平

目次

第1章 インターロイキン

Ⅰ Commonβ鎖を介して作用するサイトカイン

Ⅱ Commonγ鎖を介して作用するサイトカイン

Ⅲ gp130を介して作用するサイトカイン

Ⅳ その他の受容体を介して作用するサイトカイン

第2章 インターフェロン

第3章 造血因子

Ⅰ サイトカイン受容体に結合する造血因子

Ⅱ チロシンキナーゼ型受容体に結合する造血因子

第4章 TNFスーパーファミリー

第5章 ケモカインファミリー

Ⅰ CCLファミリー

Ⅱ CXCLファミリー

Ⅲ CX3CL/XCLファミリー

第6章 細胞増殖因子

Ⅰ EGFファミリーと受容体

Ⅱ PDGFファミリーと受容体

Ⅲ FGFファミリーと受容体

Ⅳ インスリンファミリー,IGFBPと受容体

Ⅴ HGFファミリーと受容体

Ⅵ VEGFファミリーと受容体

Ⅶ その他の増殖因子と受容体

第7章 TGF-βファミリー

Ⅰ TGF-β,アクチビンとその受容体,アンタゴニスト

Ⅱ BMPとその受容体,アンタゴニスト

第8章 脂質メディエーター

第9章 Notchシグナル

第10章 Wntシグナル

第11章 Hedgehogシグナル

第12章 Hippoシグナル

第13章 セマフォリン

第14章 その他の細胞外因子

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書籍情報

  • ISBN:9784758120555
  • ページ数:422頁
  • 書籍発行日:2015年4月
  • 電子版発売日:2016年11月4日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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