はじめの一歩の薬理学 第2版

  • ページ数 : 310頁
  • 書籍発行日 : 2020年1月
  • 電子版発売日 : 2020年2月26日
¥3,190(税込)
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商品情報

内容

身近な薬が「どうして効くのか」を丁寧に解説した薬理定番テキスト.カラーイラストで捉える機序は記憶に残ると評判.「感覚器」「感染症」「抗癌剤」など独立・整理し,医療の現場とよりリンクさせやすくなりました

序文

はじめに- 第2版に寄せて -

本書の初版が発行されてから,ほぼ6 年が経った.幸いこの間,多くの読者から好評をもって迎えられたことは,著者にとってこの上ない喜びである.医療系の大学や専門学校に教科書として採用されたことから,本書によって薬理学の勉学をスタートした学生は少なくない.それに加えて「薬はなぜ効くのか」ということに興味を抱く方々にも,広く目を通していただくことができた.これらの事実は,入門者に薬理学をやさしく理解してもらうという初版の出版意図が,ある程度,社会に受け入れられたことの証左であろう.


最近の医療の発達は目覚ましい.様々な生命科学関連領域の進歩に伴い,新しい疾患概念の確立やそれを契機とする新薬の登場など,薬理学を取り巻く環境も大いに賑わいを見せている.そして,そのような状況を反映して,薬の概念も大きく変貌しつつある.

薬は古代から用いられてきたが,その多くは植物由来であった.それらは,民間薬や漢方薬として現代に受け継がれている.やがて近代になると,化学の発達とともに,植物や微生物が産生する物質から有効成分が分離され,その構造を修飾することにより,様々な化学合成薬が作られてきた.その目的は,より薬効が強力で副作用の少ない薬を作ることであった.今,私たちが薬として一番イメージしやすいのは,このような薬であろう.確かに現在,利用可能な約2,000 種類に及ぶ医薬品の成分は,主としてこのような低分子量の化学合成薬である.

しかし近年,そのような範疇に入らない薬が増えてきた.例えば,バイオ医薬品と呼ばれる一群の薬がそれである.バイオ医薬品とは,製造工程に生物を用いるタンパク質などの高分子量の医薬品で,具体的にはヒト・インスリンをはじめとする生体成分や各種の抗体医薬などである.これらは,化学合成薬では改善できなかった病気の治療に著効を示す場合がある.さらに最近では,iPS 細胞のように生きた細胞が病気の治療に用いられるようになってきた.果たして細胞は薬と言えるのだろうか.薬とは一体何だろうか.このような薬に対する根源的な疑問が湧いてくる昨今である.

このように,医療は急速に変化しつつある.そのような時代背景の中で,第2版まで6 年という歳月はいささか長かったかもしれない.この間に,数々の新しい薬が一般的に用いられるようになってきたからである.

この改訂版では,若干の反省も込めて,新規作用機序を有する新薬を積極的に取り入れた.しかし,ページ数にも限りがあり,記述を簡素化する必要があったことから,もう少し丁寧な解説をしたいという箇所も少なからず残っている.言葉足らずに感じる部分もあることと思うが,むしろそれを広大な薬理学へ踏み出す第一歩と捉えていただければ幸いである.


この改訂版から,帝京大学薬学部の坂本謙司教授に執筆に加わっていただいた.本書に新しい風を吹き込んでくれたことに心からの謝意を表する.本書をより良いものとするため,内容に疑問や不備が感じられたら,忌憚のないご意見を頂戴したい.本書が旧版同様,多くの読者のお役に立てることを祈っている.


2019年11月

石井 邦雄

目次

はじめに -第2版に寄せて-

はじめに

1章 薬理学総論

1.薬理学の基本

2.薬はどのように作用するのか:受容体作用薬を例にして

3.薬の作用の解析

2章 自律神経系に作用する薬

1.神経系の構造と機能

2.自律神経系とは

3.交感神経系と薬

4.副交感神経系と薬

3章 体性神経系に作用する薬

1.局所麻酔薬

2.神経筋遮断薬

4章 中枢神経系に作用する薬

1.中枢神経系とは

2.中枢神経系の生理活性物質(神経伝達物質・神経調節物質)

3.統合失調症の治療薬(抗精神病薬)

4.気分障害の治療薬

5.睡眠薬

6.抗不安薬

7.抗てんかん薬

8.パーキンソン病治療薬

9.認知症治療薬

10.全身麻酔薬

11.鎮痛薬

5章 循環系に作用する薬

1.心臓の構造と機能

2.血管系の構造と機能

3.心不全治療薬

4.不整脈の治療薬

5.虚血性心疾患の治療薬

6.高血圧症の治療薬

6章 消化器系に作用する薬

1.消化器系の機能調節

2.胃・腸の疾患と治療薬

3.肝臓・胆嚢・膵臓の疾患と治療薬

7章 呼吸器系に作用する薬

1.呼吸の調節機構

2.気道の生体防御機構

3.呼吸興奮薬

4.鎮咳薬

5.去痰薬

6.気管支喘息治療薬

8章 利尿薬と泌尿器・生殖器系に作用する薬

1.腎臓の機能

2.利尿薬

3.泌尿器・生殖器作用薬

9章 血液に作用する薬

1.止血のメカニズム

2.血栓溶解のメカニズム

3.血液凝固系または線溶系の異常に用いられる薬

4.貧血とその治療薬

10章 代謝性疾患とその治療薬

1.糖尿病

2.脂質異常症

3.痛風・高尿酸血症

4.骨粗鬆症

11章 抗炎症薬・抗リウマチ薬・抗アレルギー薬

1.炎症と炎症性物質

2.抗炎症薬

3.抗リウマチ薬

4.抗アレルギー薬

12章 感覚器に作用する薬

1.目の疾患とその治療薬

2.耳の疾患とその治療薬

3.皮膚の疾患とその治療薬

13章 感染症治療薬

1.感染症治療薬概論

2.細胞壁合成阻害薬

3.タンパク質合成阻害薬

4.核酸合成の抑制

5.細胞膜の機能障害

6.その他の感染症治療薬

14章 抗癌薬

1.抗癌薬概論

2.殺細胞性抗癌薬

3.ホルモン療法薬

4.分子標的薬

5.その他の抗癌薬

6.抗癌薬投与時の支持療法

付録―薬の一般名⇔商品名 対応表

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書籍情報

  • ISBN:9784758120944
  • ページ数:310頁
  • 書籍発行日:2020年1月
  • 電子版発売日:2020年2月26日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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