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- ガイドラインには載っていない 消化管がんPractical Treatment
商品情報
内容
ガイドラインの内容を理解した上で、ガイドライン通りに治療できない患者の診療をどのように実施すべきか述べています。
本文では考えの根拠とその解釈が記載され、専門医の思考過程を知ることができます。
各項目は「point」のほか、相対する考え方がある場合に両論を併記し「pros」「cons」のアイコンでわかりやすく論点を整理し、読みやすい構成に。
序文
臨床試験の結果を基にガイドラインが作成され,以前に比べると標準化されていない担当医独自の診療を患者が受けることは少なくなってきた。しかしながら,患者個々のがんの病態,薬物代謝に関わる臓器機能,治療に対する患者の希望などは,きわめて多様であり,ガイドライン通りに治療することのできない患者が少なくない。
本書では,腎・肝など臓器機能障害例,糖尿病・循環器疾患など併存疾患のある症例,高齢者など,エビデンスの基礎となる臨床試験に登録されない患者に対する治療方法に関して,限られた数の論文や執筆者の経験に基づいて,薬剤・治療選択,および投与量の決定に至る考え方がまとめられている。抗がん剤の吸収,分布,代謝,排泄と,臓器機能がそれらに及ぼす影響を知ることにより,すべての患者の病態に応じた治療の考え方を構築し応用できるように配慮した(第Ⅱ章)。また,大腸がん,胃がん,食道がん,などにみられる代表的な病態,稀少がんである消化管間質腫瘍(GIST),小腸がん,中皮腫,神経内分泌腫瘍に関する治療の考え方,分子標的治療薬の最適な使い方,副作用のマネジメント,周術期化学療法の功罪,議論の対象となる手術適応の適否,interventional radiologyによる緩和処置については,各領域のがんに対する治療経験が豊かな医師に,治療選択の考え方,その長所,短所についても言及していただいた(第Ⅲ〜Ⅵ章)。それぞれの項目で,point, pros, consに要点が明示され,また論点が明らかにされ,課題の全体像をつかむことができる。本文では考えの根拠とその解釈が記載され,専門医の思考過程を知ることができる。さまざまな病態や臓器機能などの組み合わせを有する患者であっても,基本的な治療の考え方を理解していれば,すでに得られているエビデンスを日々のプラクティスに応用し,各々の患者に対処することも困難ではない。
ガイドラインの内容を理解した上で,ガイドライン通りに治療できない患者の診療をどのように実施すべきか,お困りの医師とその患者にとって,本書が少しでもお役に立つことができれば幸いである。
2014年6月
国立がん研究センター中央病院消化管内科医長
山田 康秀
目次
Ⅰ 個々の症例を考えるうえでの基本的考え方
Ⅱ こんなとき治療をどうするか
①腎機能障害例での抗がん剤の使い方
②肝障害例での抗がん剤の使い方
③糖尿病患者への抗がん剤の使い方
④抗がん剤使用中の糖尿病患者に対するマネジメント
⑤心筋梗塞既往,心不全,脳梗塞患者への抗がん剤の使い方
⑥抗凝固療法施行中患者への抗がん剤の使い方
⑦高齢者に対する抗がん剤の使い方
⑧骨転移併存例での化学療法
⑨中枢神経転移例に対する全身化学療法,髄腔内注入の使い方
⑩UGT1A1のpoor metabolizerにイリノテカンをどう使うか?
⑪閉塞性黄疸合併患者に対する化学療法
⑫閉塞性黄疸患者に対する経皮的胆道治療(ステント・PTCD)
Ⅲ 大腸がん治療のpractice
①抗EGFR抗体の使いどころ,効果予測
②抗EGFR抗体の副作用,マネジメントの実際
③抗VEGF抗体の使いどころ,効果予測
④抗VEGF抗体の副作用,マネジメント
⑤レゴラフェニブの使い方
⑥KRAS codon13症例に対して抗EGFR抗体を投与すべきか?
⑦オキサリプラチンのアレルギー,間質性肺炎にどう対処するか?
⑧オキサリプラチンの神経毒性にはどう対処するか?
⑨Stage Ⅳ症例に対して化学療法に先立ち原発巣を切除すべきか?
⑩腹膜播種例に対する化学療法
⑪肝切除周術期の化学療法
⑫肝転移の切除適応はあるのか?
⑬肝転移にRFAの適応はあるのか?
⑭転移巣切除後の化学療法
⑮肺転移の切除適応はあるのか?
⑯Stage Ⅱ,Ⅲ結腸がんにおける術後化学療法
⑰直腸がんにおける術前・術後の化学療法
⑱がん下大静脈症候群に対するステント治療
⑲大腸狭窄に対する緩和的ステント
⑳全身化学療法後の肝動注療法
㉑切除不能悪性腹膜中皮腫に対する全身化学療法
㉒小腸腺がんに対する化学療法
㉓腹膜偽粘液腫,虫垂がんの集学的治療
Ⅳ 胃がん治療のpractice
①トラスツズマブの使い方
②腹水貯留,経口摂取不良患者に対する抗がん剤の使い方
③アジュバント中の再発をどうするか?
④根治切除不能胃がんの原発巣からの出血
⑤腹膜播種症例の治療,抗がん剤切替のタイミング
⑥腹膜転移に伴う腸管狭窄に対する緩和手術の適応,術後の効果と化学療法のタイミング
⑦胃がんによる腸閉塞に対する内科的治療の考え方
⑧腫瘍マーカーの利用法
⑨PETの使いどころ
⑩DICを併発した胃がんに対する薬物療法
⑪術前・術後化学療法の考え方
⑫肝転移の切除適応はあるのか?
⑬がん性腹水に対するデンバーシャント
⑭KM-CARTは有用か? もしそうならばいつ使うのか?
⑮幽門狭窄に対する緩和的ステント
⑯腹膜播種に対する腹腔内化学療法は有用か?
⑰卵巣がんの腹腔内化学療法
⑱S-1の継続使用は有用か?
⑲腹水細胞診陽性のStage Ⅳ症例に対する化学療法および胃切除の意義
⑳卵巣転移に対する切除の意義
㉑神経内分泌新生物に対する化学療法
Ⅴ 食道がん治療のpractice
①Stage Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ食道がんに対する化学放射線療法の考え方
②化学放射線療法後の合併症に対する治療
③食道がんに対する二次治療
④T4食道がんの治療
⑤内視鏡治療後の術後化学放射線療法
⑥局所再発に対する化学療法および化学放射線療法
⑦間質性肺炎合併食道がんにおける化学放射線療法
⑧食道がんに合併する頭頸部がんの診断と治療
⑨食道狭窄に対する緩和的ステント
⑩原発性狭窄がある場合の胃瘻造設の可否
Ⅵ GIST治療のpractice
①一次性遺伝子変異とイマチニブの治療効果および予後
②再発リスクと術前術後化学療法の考え方
③切除可能肝転移に対する治療(切除かイマチニブか)
④放射線治療の適応はあるのか
⑤PDのパターン,判定の注意点--CT上,PET上,PDとなったときの判定の仕方,考え方,規準--
⑥スニチニブ,レゴラフェニブの治療効果と二次性遺伝子変異
⑦化学療法中の出血にどう対処するか
⑧イマチニブ,スニチニブ,レゴラフェニブのマネジメント
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書籍情報
- ISBN:9784758303736
- ページ数:300頁
- 書籍発行日:2014年8月
- 電子版発売日:2015年6月26日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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