心エコーエキスパート完全レシピ

  • ページ数 : 196頁
  • 書籍発行日 : 2013年1月
  • 電子版発売日 : 2013年5月18日
¥6,600(税込)
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商品情報

内容

心エコー領域は日々著しい進歩を遂げ、「心エコーなくして循環器診療は行えない」といわれるほど、中核を担う検査となっている。

本書は循環器内科にとどまらず、外科を含めたエキスパートの先生方にご執筆いただき、教科書には載っていないより具体的な生の声を入れて構成している。基礎的な内容は成書にゆだね、「心エコーエキスパート」になるために身につけておくべきこと、方法をレシピ(手順書)として紹介する。

序文

目の前に苦しんでいる患者さんがいるとき,その心機能や構造を知りたいと思うのはごく自然なことである。身体所見に始まり心電図,X線,採血などと続く診断の流れのなかで心エコーはその患者さんの症例の真実に迫る道具として欠くことのできない検査である。

心不全治療や心臓血管手術では心エコー所見が手術の術式や治療方針に大きく影響する。さらに術直後からその後の経過観察における心エコー評価は,内科的治療や再手術の適応を決定するうえで重要な役割を果たしている。このことから,心エコー検査に携わるものには治療や手術に必要な情報を過不足なく提供することが要求される。そのためには特に外科医が必要とする着目点について充分な知識を持つことも重要である。

すなわち,新たなデバイスや術式が日々登場し,高齢者,透析症例など症例の条件もさまざまななかで,その症例に対し病気の重症度から選択される術式,合併症出現の可能性も考慮しなくてはならない。

本書は真に患者さんに役立つ心エコー検査を行ううえでの知識について触れ,明日からの診療,検査に役立てることを目標としている。本書が皆さんの役に立つことを期待している。


平成24年 12月

東京女子医科大学循環器内科
芦原 京美
東京ベイ浦安・市川医療センターハートセンター長
渡辺 弘之

目次

Ⅰ 紙上再現!Wet laboと心臓解剖
--エコーでどこを撮ればいいのか,実際にみてみよう--

1 心房,心室,流出路,弁膜症

心臓の解剖
心臓の全体像/右房/左房/右室/左室

弁膜症
大動脈弁逆流症/大動脈弁狭窄症/僧帽弁逆流症/僧帽弁狭窄症/三尖弁閉鎖不全症

2 先天性心疾患

成人先天性心疾患の特徴
解剖学的区分分析法/心室容積および心室機能評価/肺体血流量比,右室圧,肺動脈圧の評価法/房室弁および半月弁機能の評価/心房中隔欠損のデバイス閉鎖/疾患別の評価ポイント/心房中隔欠損/Fallot四徴術後/Ebstein病/心室中隔欠損/修正大血管転位

Ⅱ 苦手領域を克服!困ったときのお助けアイテム・対処法

1 組織ドプラ法

測定
presetがなくとも/適切な描出断面/サンプルボリュームの位置 中隔か側壁か/再現性をよくするためには

解釈
E/e'の誕生と普及/評価が難しい症例とは/E/e'に関する再考

まとめ

2 スペックルトラッキング法

準備
使用する装置とプローブおよびモードの選択/プリセットの準備/解析の準備

画像収集実践
プロセットの変更/画像の設定/呼吸のコントロール

いざ解析
心内膜面や心外膜面のトレースラインの引き方/トラッキングの開始点と終点の設定/トラッキング精度の確認をする

完成

解析結果を検討

おわりに

3 三次元経食道心エコー図

準備

実践
アプローチ/使用モード/臨床使用方法

Ⅲ 心機能評価 --実臨床で役立つ小技--

1 右心系

右室機能評価方法に関する基礎知識

容積評価法

2D心エコー図法による評価
収縮機能評価法

3D心エコー図法による容積および収縮機能評価

準備するもの

いざ実践

完成

総合的な右室機能評価:Tei index

前負荷:preload
下大静脈/肝静脈

拡張機能
三尖弁通過血流波:E/A比(E/A ratio)とE/E'ratioについて/右房収縮末期面積(RA end-systolic area:㎠)

後負荷:arterload
三尖弁逆流血流最大速度/狭窄部血流最大速度/肺動脈逆流血流最大速度,肺動脈逆流血流の拡張末期逆流血流速度

最後に

2 左心系

左室収縮機能評価
左室径から評価/左室容積から評価/血流速波形を用いた評価/局所壁運動から評価

左室拡張機能評価
左室流入血流速波形の限界/肺静脈血流速波形の活用/僧帽弁弁輪部運動を組み合わせる/左房容積から評価/左室内の血流動態から評価/肺動脈圧から間接的に評価/米国心エコー図学会推奨の方法

3 AV delay(AV delayの決め方,心臓再同期療法も含めて)

AV delay調整の理論
充満プロセスの変化

AV delayの調整法
反復法(iterative method)/Ritter法/Ishikawa法/Meluzin法

心エコーガイドAV delay調整をすることの技術的な側面

VV delayの調整

VV delayを調整するときの技術的な側面

Ⅳ 決めがたい症例 私はこうしている!

1 複数の疾患が重なった所見のときの考え方・撮り方

Functional MRで左室形成検査をする場合

準備

実践
Multi-Slice View/2Dスペックルトラッキングエコー:2D-STE/3Dエコー:3DE

完成

2 重症度,軽症度診断

①各指標のピットフォール(PISA法とVCなど)

準備
僧帽弁逆流の重症度診断のための準備

実践
カラージェット面積が使えないとき/vena contracta幅を測定してみる/PISA法による評価法の手順/PISA法は万能?/PISAは半球か?/僧帽弁逆流の重症度を総合的に判断してみよう/大動脈弁逆流の重症度をみるとき

完成

②定量困難例の考え方

大動脈弁狭窄症
大動脈弁狭窄症の重症度診断における「高度弁狭窄」とは?/症状は強いのに,心エコーでの弁狭窄は中等度以下の場合/心エコーでの重症度は高度狭窄なのに,症状がない場合

僧帽弁逆流の定量
僧帽弁逆流の重症度判定が難しいのはどんなとき?

おわりに

Ⅴ 手術に必要なエコーを究める

1 手術に備えて撮るエコーのポイント

①非心臓手術

非心臓手術周術期合併症のリスク評価とマネージメント
術前のリスク評価と管理

術前に撮る心エコーの意義

個々の病態における術前心エコーのポイント
大動脈弁狭窄/左室収縮障害/左室拡張障害/虚血性心疾患/その他

②心臓手術 外科医の立場から

準備

実践
外科医は数値より解剖(構造)を知りたい/きれいな短軸像とカラードプラ像/A2・P2逸脱は乳頭筋支配を考えて/経食道心エコーは必須か?/副病変検出こそ術前心エコーの真骨頂/外科医は止まっている心臓で判断している/腱索断裂と腱索延長

完成

2 代表的手術と術後エコーの留意点・合併症

①大動脈弁閉鎖不全

弁機能不全
弁機能不全とは/弁狭窄の有無/弁周囲逆流の主な原因

人工弁心内膜炎

自己弁温存手術後の心エコー図検査における留意点
reimplantation法/合併症/閉鎖不全再発の原因

自己弁温存手術後の弁形成

②僧帽弁閉鎖不全

準備

実践
僧帽弁形成術式/僧帽弁形成術後エコー評価/僧帽弁形成術後起こりうる合併症

完成

③三尖弁逆流(MCキューブを用いた症例)

準備
手術適応

実践
三尖弁形成術/Carpentier-Edwards MC3を使用する三尖弁形成術/遺残三尖弁逆流

完成

④人工弁

準備
代表的な手術術式/人工弁の種類

実践
人工弁機能評価:人工弁機能不全の診断

完成

⑤左室形成術

準備
左室形成術の適応

実践
代表的術式

完成

Ⅵ レポート添削教室 --レポートテクニックをマスターする--

1 弁膜症 術前

①大動脈弁

実践
大動脈弁狭窄
成因とその根拠/弁変性の程度と広がり・弁硬化の程度/弁口部圧較差/弁口面積/外科的弁輪径/左室サイズと壁厚/左室機能・壁運動異常/左房サイズ/肺動脈圧/上行大動脈拡大の程度/大動脈弁逆流の有無・程度/合併症の有無
大動脈弁逆流
成因とその根拠/弁変性,破壊の程度/逆流ジェットの発生部位と方向/定性(半定量)評価/定量評価(volumetric法,PISA法)/下行大動脈近位部および腹部大動脈近位部での拡張期逆流の有無と程度/Valsalva洞および上行大動脈拡大の程度/左室拡大と肥大の程度/左室機能・壁運動異常/肺動脈圧/合併症

完成

②僧帽弁

準備
弁変性の有無/弁逆流の原因/弁膜症の重症度評価/心機能評価/その他

実践
逆流の原因と逆流弁口の位置/定量的重症度評価/心機能評価

完成

2 弁膜症 術後

①大動脈弁

実践
人工弁の種類とサイズ/弁座固定の状態/弁葉の状態/駆出血流速度/有効弁口面積/経弁逆流・弁周囲逆流の有無と程度/左室サイズと壁厚(術前との変化)/左室機能/流出路狭窄の有無/合併症の有無

完成

②僧帽弁

準備

実践
弁形成術施行例における弁機能評価/人工弁置換例における弁機能評価/心機能評価

完成

3 虚血性心疾患 冠動脈バイパス手術前

準備
計測値/アシナジー(asynergy):有無,範囲,程度/壁性状:壁厚,エコー輝度,ヒンジポイント/弁逆流:MR,AR,TRの重症度とその成因/弁狭窄:ASの重症度とその成因/その他

実践

3 虚血性心疾患 冠動脈バイパス手術後

完成

4 腫瘍

準備
分類

実践
心臓原発性良性腫瘍/心臓原発悪性腫瘍/転移性腫瘍

完成

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  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784758314022
  • ページ数:196頁
  • 書籍発行日:2013年1月
  • 電子版発売日:2013年5月18日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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