エコ蔵じいさんの楽しい超音波診断 Handy Text 4 頚動脈

  • ページ数 : 191頁
  • 書籍発行日 : 2011年11月
  • 電子版発売日 : 2013年6月29日
¥4,620(税込)
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商品情報

内容

「エコ蔵じいさんの楽しい超音波診断 Handy Text」シリーズ第4弾の「血管の頚動脈」編です。

これから頚動脈の超音波検査をやってみようかという方々のための手軽な超音波診断テキストとして、また、第一線の医師の先生方はもちろんのこと、臨床検査技師、診療放射線技師の先生方や看護師さん達にも大いに活躍していただくことを期待しています。

エコ蔵じいさんモデルによる漫画チックなイラストにより、楽しみながら最後まで読破いただけます。

序文

本書は,エコ蔵じいさんの「楽しい超音波診断 Handy Text」シリーズの第4 弾で,「腹部編」,「心臓編」,「乳腺・甲状腺・唾液腺編」に次いで発刊された「頚動脈編」です.

画期的な超音波診断の入門書として金芳堂からHandy Text シリーズが,すでに刊行されており,これまでに「腹部編」,「心臓編」,「乳眼・甲状腺・唾液腺編」が発刊されていますが,本書は第5 弾(最終編)としての「下肢動静脈編」と姉妹関係の血管エコーの超音波診断書として同時に発刊されることになったわけです.いわゆる血管エコーの主流となる超音波診断書であります.

当初は乳腺・甲状腺疾患と合わせて発刊する予定でしたが,どうしてもボリューム的にも無理があり,世に出るのが数年遅れたという経緯があります.従って,今回第5 弾の「下肢動静脈編」と同時に発刊することになりましたが,最初に考えていたよりも症例数を増加できたこと,内容の充実を十分に考慮できたことなど却ってメリットが多くなったことは幸いであったと考えています.

ところで,最近では以前「成人病」といわれていた疾患は「生活習慣病」と称されています.「成人病」と称されていた考え方は早期発見,早期治療に重点を置いた二次予防の概念です.一方,「生括習慣病」と称されているのは,いわゆる成人層に多く発生する悪性新生物,脳血管障害,虚血性心疾患,糖尿病などの疾患は,子供時代からの日常の生活習慣が大いに影響していることから,日常の生活習慣に注目して予防や治療に貢献するという一次予防の概念です.

ところで,脳血管障害をはじめとする生活習慣病を理解するためには頚動脈病変や下肢動静脈などを主とする血管病変を考えることが必要です.

血管病変を臨床診断するために,最近特に注目されているのが頚動脈病変に対する超音波診断なのです.

本書は,全身の血管病変の中でも頚動脈の超音波診断に的を絞って解説した成書ですが, スクリーニング検査の方法から動脈硬化性病変を有する種々の疾患などについて詳しく解説しております.

なお,血管エコーを理解するために「カラードプラ」と題する超音波物理学の章を掲げておりますが,頚動脈エコーの超音波診断を十分理解していただき日常の臨床診断に利用していただくために考慮した企画です.十分活用していただければ幸いです.

もちろん,本書でも最大の特徴であり,常識では考えることが出来ない表現方法,すなわちエコ蔵じいさんというキャラクターを通じての立体的なイラストを全症例にわたり記載しておりますので,どうぞ楽しみながら愛読して下さい.

以上のように,他の出版物と比較していただいても十分納得していただけるものと思われますが,小生はこのような難解な超音波画像を,かくも楽しく且つわかりやすく提供できる人物は,日本さらには世界中を探しても中村 滋先生一人しかいないと確信しております.エコ蔵じいさんという人形を自ら作成し,さらにCT 検査で確かめ,立体的な把握を求めて追求した結果であると思っております.

したがって,自信を持って推薦することができると考えておりますが,読者の皆様のご期待を裏切らず,十分応えることが出来るものと確信いたしております.

さらに本書でも,腹部編,心臓編,乳腺・甲状腺・唾液腺など編と同様に英略語集を付記しております.これも本書の特徴で,皆様方の日常の臨床診断にも大いに活用していただけるものと考えております.

以上のような特徴を有し,大変判りやすく,かつ理解しやすいのが本書の最大の長所と考えていますので,血管エコー(とりわけ頚動脈エコー)に関心を持たれている,医師, 技師の先生方はもちろんのこと,医学生諸君にも大いに活用していただければ幸いです.

どうぞ,題名の通りHandy Text として手軽に活用して下さい.

最後になりましたが,本Handy Text シリーズの発刊(腹部編,心臓編,乳腺・甲状腺篇など)に際し,最初から最後まで並々ならずご助言をいただき,大変お世話になりました金芳堂 市井輝和社長に対し深謝申し上げます.


2011 年11 月

朝井 均



はじめに

とうとう,このシリーズ本の執筆も最終段階です.① 腹部, ② 心臓,③ 乳腺・甲状腺・唾液腺など─に引き続き,本書は,④ 頚動脈と題しました.血管領域の超音波検査は心臓の超音波検査での知識が大いに役立ちました.血管超音波でのM モードやカラーモード・ドプラモードは心臓超音波の考え方がそのまま応用できるからです.人体の血液の流れを議論する血管超音波検査学には,とりわけドプラ効果の理論の理解が欠かせません.そこで今回本書では,各論に先んじ,主として血管超音波検査に視点を置いた「カラードプラ」と題する超音波物理学の章を作成しました

普段何気なく使っているカラードプラボタンの裏側にある機構を理解して検査することは,非常に重要なことであると考えたからです

エコ蔵じいさんの「売り」はいうまでもなく超音波断面を組み込んだ人形イラストですが,その人形を実際に超音波画像に組み込んでみて,検査の対象臓器すなわち検査領域ごとに,表示方法を定める考え方に違いがある点に改めて驚かされました.その最たる現象の一つが,頚動脈長軸超音波像の表示方法の不統一性でもあります.その理由を探ってみれば,これら超音波の表示方法は,何れもそれぞれの領域ごとに既存の他の検査方法や治療術式等の方法論が基本に存在し歴史的に完成されたものであり,一方超音波画像診断学は,その後に発展したものであるため,超音波の表示法はそれら既存の表示方法に準じて設定されており,容易には変更不可能なものであるのが,理由の一つの様です.従って初心者はこれら領域ごとの表示方法の不統一性を甘受して学ばざるを得ないという訳です.従って,その意味でもエコ蔵じいさんは,打ってつけのキャラクターと言えるのではないでしょうか

エコ蔵じいさんを通じての,師 朝井先生との二人三脚(といったら怒られるかな)も,これで一段落です.こんなにも大変で,こんなにも楽しい共同作業は,もう無いかも知れません.でも,この充実した期間は,私の人生の大きな宝物でした.腹部に始り体表臓器へと版を進める内に,何かおぼろげながら日常臨床を理解出来るようになりました.さまざまな疾患を実際に経験して臨床診断治療学を,症例に関する病理学からは疾患の本質にも多少なりとも踏み込んで理解することが出来ました.それによって普段の超音波臨床に幅も生まれ,この年になっても超音波検査が楽しくて楽しくてたまらないのです.ですから最近では,こう公言して憚りません.『超音波検査って,すごく楽しい.本を作るのは,もっとすごく楽しい!』と.  今回の体表の超音波診断テキスト版は,前回・前々回などと同様,基本的コンセプトは楽しさ分かり易さです.技術的なことも含めて難解な領域には全く踏み込んではいません.これから血管を中心とした体表臓器の超音波検査をやってみようかという方々のための手軽なポケット本です.腹部や心臓そして乳腺・甲状腺編と同様,英略語集も配しました.血管などのエコ蔵じいさんが気に入れば,腹部や心臓そして乳腺・甲状腺のエコ蔵じいさんも「チョー楽しい」こと請け合いです.このシリーズ本を全てマスターしたら,一端のSonographer といってしまえるかも知れません

今回も本書の作成にも多くの方々にご協力頂きました.院内の症例の超音波像撮影には当院臨床検査科の中西美紀技師に,エコ蔵じいさんイラストの元となったMPRCT 画像撮影には今回も臨床放射線科の岩本明男技師に大変お世話になりました.また梁瀬義章院長ならびに寺西恵子理事長・寺西シヅエ会長など,今回も多数の病院職員の皆様方のお世話になりました.発行に際しましては金芳堂の市井輝和社長に深謝いたします


2011 年11 月

中村 滋

目次

Ⅰ 血管超音波検査とは

1 血管超音波検査の位置付け

2 血管の解剖と機能

3 動脈硬化とは

Ⅱ 血管超音波検査の技術的基礎知識

1 プローブの選択

2 プローブマーク

3 カプラー

4 プローブの持ち方

5 イメージングの方向性と断層面の表現方法

6 アーチファクト

7 カラードプラ法

8 優れた画像を得るための条件設定

Ⅲ 頚部血管の解剖

1 頚動脈

2 頚静脈

Ⅳ カルテの読み方

Ⅴ 頚動脈超音波検査

1 頚動脈超音波検査の検査手技

2 頚動脈超音波像の評価

3 頚動脈周辺の頚部血管

4 血管超音波検査の進め方

Ⅵ 頚動脈病変評価の実際

Ⅶ 動脈硬化に対する他の超音波学的アプローチ

1 血管超音波検査の位置付け

・血管エコーの臨床現場で便利な英略語集

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書籍情報

  • ISBN:9784765315036
  • ページ数:191頁
  • 書籍発行日:2011年11月
  • 電子版発売日:2013年6月29日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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