びまん性肺疾患の臨床 診断・管理・治療と症例 第4版

  • ページ数 : 565頁
  • 書籍発行日 : 2012年7月
  • 電子版発売日 : 2017年11月10日
¥16,500(税込)
ポイント : 300 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

びまん性肺疾患の専門書、最新エビデンスを加えた待望の改訂版!

新しい免疫学的抑制薬、生物学的製剤に関する内容も追加。膠原病の肺病変について詳細な研究成果を37例をあげ、以前では鑑別診断の対象疾患にもなかったような疾患も記載されています。

序文

第4版の序

1977年12 月に発足した「びまん性肺疾患研究会」は,37 回の研究会にわたる288 症例 の討議の成果を踏まえて「びまん性肺疾患の臨床(監修:瀬良好澄,編集:三上理一郎,北谷文彦,泉 孝英)」を刊行したのは,1987 年9 月のことである.以来,1993 年には第2 版,2003 年には第3 版を発行することができた.今回,第4 版を131 回,715 症例の検討成績の成果として刊行できることになったのは,大変喜ばしいことである.症例提供者,毎回,熱心に討議に参加された各位に謝意を表させていただきたい.

本版も,第1 版~第3 版と同様,総論,各論,症例編から構成されているが,記載内容をみるとき,35 年にわたる「びまん性肺疾患研究の流れ」が語られていることを改めて認識させられることである.

総論:診断面では,CT 所見と病理組織所見の対比の集積の結果,画像所見だけで臨床診断を行うことがより容易になったことである.治療面では,初期の研究者は私にみるように多くは結核医からの転向組であっただけに「早期診断・早期治療」のセントラル・ドグマのなかで考えざるを得なかったが,より若い世代によって「病気との交際法―どのように病気とつきあっていくか―」が主流となってきたことは大きな変貌である.新たな免疫学的抑制薬,生物学的製剤の登場とも関連したことである.肺高血圧のような合併症に関する知見の普及も大きな役割を果たしている.

各論:特発性間質肺炎についての知見の集積は,膠原病の肺病変についての詳細な研究成果を加えられてきたことは,特筆されるべき進歩と捉えることとしたい.

症例編:第1 版では,22 症例が収載されていたが,第4 版では37 例に増加している.そして,その内容をみると1/4 程度の症例は,以前には,我々にとって鑑別診断の対象疾患に浮かばなかった,想定外疾患である.

ここで,大きく気づくことは,執筆者の所属施設が極めて多数になってきたことである.このことは,「びまん性肺疾患を取り扱うことができる施設」の増加を示すことであり,端的に,「わが国における呼吸器科の充実」を示していることである.

第4 版も第1 版~第3 版と同様,出版事情の厳しい折にもかかわらず,株式会社 金芳堂のお世話になり,出版できることになった.本書刊行を担当していただいた前崎節也氏に感謝する.


2012年5月

編者を代表して
泉 孝英

目次

総論

総論1 びまん性肺疾患 ―概念,研究の歴史,今後の課題―

総論2 びまん性肺疾患の診断

総論3 びまん性肺疾患の診断:画像検査

総論4 肺機能検査

総論5 臨床検査・血液検査

総論6 気管支鏡検査

総論7 病理組織学的検査

総論8 びまん性肺疾患の管理と治療

各論

各論1 特発性間質性肺炎

各論2 特発性間質性肺炎(IIPs)の各論

各論3 稀なIIPs/組織パターン,未分類IIPs

各論4 膠原病

各論5 膠原病に伴う肺病変

各論6 サルコイドーシス

各論7 過敏性肺炎・慢性過敏性肺炎

各論8 職業性肺疾患

各論9 薬剤性肺炎

各論10 好酸球性肺炎

各論11 肺血管炎

各論12 びまん性肺胞出血

各論13 肺塞栓・梗塞

各論14 ARDS

各論15 悪性腫瘍とリンパ球細胞増殖性疾患の臨床的側面

各論16 肺胞蛋白症

各論17 ランゲルハンス細胞組織球症

各論18 リンパ脈管筋腫症

各論19 気管・気管支・肺アミロイドーシス

各論20 肺胞微石症

各論21 誤嚥性肺炎・びまん性誤嚥性細気管支炎

各論22 肺感染症

各論23 慢性細気管支炎,閉塞性細気管支炎,びまん性気管支拡張症

各論24 肺気腫と気腔開大性肺疾患

各論25 肺高血圧症

症例

症例1 亜急性に進行し,器質化肺炎の目立つびまん性肺疾患を呈したperipheral T cell lymphoma,unspecifiedの一例

症例2 関節リウマチに合併した慢性細気管支炎に加わったマイコプラズマ細気管支炎

症例3 多中心性キャッスルマン病(multicentric Castleman's disease)に合併した肺硝子様化肉芽腫(pulmonary hyalinizing granuloma)

症例4 肺門リンパ節腫大により中枢部の肺動脈狭窄を起こし,肺動脈圧上昇をきたした

サルコイドーシスの一例

症例5 縦隔の肉芽腫性炎症・線維化により,中枢部の肺動脈狭窄と肺動脈圧上昇をおこしたサルコイドーシスの一例

症例6 無症状で軽快し,多発性浸潤陰影を呈した壊死性サルコイド肉芽腫症(necrotizing sarcoid granulomatosis ; NSG)の一例

症例7 禁煙後も多発性嚢胞性病変の進行を認め,ステロイドが著効した剥離性間質性肺炎(desquamative interstitial pneumonia ; DIP)の一例

症例8 シェーグレン症候群に合併し,肉芽腫を示した間質性肺炎の一例

症例9 カレー粉への過敏性の関与が考えられたNSIPの一例

症例10 屋根職人に発症した好酸球性肺炎

症例11 発熱,両側多発肺野陰影と好酸球増多を示した肝原発の血管肉腫の一例

症例12 Henoch-Schonlein紫斑病(HSP)に伴った間質性肺炎の一例

症例13 一側肺に急速に進行し経口ステロイド治療で軽快した特発性器質化肺炎

症例14 咽頭痛,労作時呼吸困難と発熱で発症し,広範な多臓器浸潤と血球貪食症候群と共に急速に進行した肺浸潤を呈したEBウイルス慢性活動性感染症に続発した末梢型T細胞リンパ腫の一例

症例15 若年女性の慢性過敏性肺炎の一例

症例16 多発空洞性肺病変を呈したホジキンリンパ腫の一例

症例17 健診発見の特発性肺血鉄症(idiopathic pulmonary hemosiderosis)

症例18 細気管支病変の著明な夏型過敏性肺炎の一例

症例19 発熱が持続し,PR3-ANCA陰性のウェゲナー肉芽腫症

症例20 シェーグレン症候群に合併したアミロイド結節,嚢胞性病変,濾胞性細気管支炎の一例

症例21 多発浸潤影をきたした肺結節性リンパ過形成(pulmonary nodular lymphoid hyperplasia)の一例

症例22 pulmonary tumor thrombotic microangiopathyによる急性呼吸不全を呈した胃癌の一剖検例

症例23 両肺野に空洞を伴う結節影,浸潤影を認めた結節硬化型のホジキン病

症例24 IgG4陽性の形質細胞による肺病変を認めた多中心性キャッスルマン病

症例25 多発性骨髄腫に合併したびまん性胞隔型肺アミロイドーシスの一例

症例26 IgG4陽性形質細胞浸潤を伴う線維化病変を認めた慢性間質性肺炎

症例27 自己免疫性膵炎を合併したIgG4関連肺疾患(結節型)

症例28 生体片肺移植を行った末梢血幹細胞移植後の閉塞性細気管支炎症例

症例29 胃癌再発に伴ってびまん性肺疾患を発症したanti-synthetase syndromeの一例

症例30 稀少金属(レア・アース)であるlanthanoidesによるmixed dust fibrosis

症例31 種々の肺病変を認めた喫煙関連びまん性肺疾患の一例

症例32 肺野のびまん性陰影を呈したdendriform pulmonary ossificationの一例

症例33 インジウム肺の一例

症例34 シェーグレン症候群に伴う慢性下気道炎症性疾患の一例

症例35 発熱,多関節痛を主訴に来院したサルコイドーシス症例

症例36 サルコイドーシスに下肺野優位の慢性間質性肺炎を合併し,急性増悪を呈した一例

症例37 シェーグレン症候群に合併した濾胞性細気管支炎

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:80.0MB以上(インストール時:174.0MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:320.0MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:133.1MB以上(インストール時:332.8MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:532.4MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784765315326
  • ページ数:565頁
  • 書籍発行日:2012年7月
  • 電子版発売日:2017年11月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。


※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcher(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。


※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。