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画像診断 2016年11月号(Vol.36 No.13) 脳腫瘍WHO2016―読影のための実践講座―

  • ページ数 : 130頁
  • 書籍発行日 : 2016年10月
  • 電子版発売日 : 2017年7月7日
¥2,640(税込)
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商品情報

内容

脳腫瘍分類WHO2016の改訂内容を含めた最新脳腫瘍特集! WHO2016では遺伝子診断を基盤として再編成,名称変更がなされたが,本特集では,読影に際して必要な脳腫瘍の臨床および病態,画像所見を,新分類とあわせて整理する.また,治療後の所見の変化,経過や鑑別すべき病変など,術後および放射線治療後の評価についても解説し,より実践的な知識が習得できる特集.

序文

序説

1. WHO分類の変遷

WHOによる腫瘍分類は1950年代にその歴史が始まる.WHOに病理診断および病理用語に関する委員会executive boardが設立され,その中に脳腫瘍分類の専門委員会consultation boardが置かれ,脳腫瘍病理の症例検討が開始された.その集約として1979年にWHO脳腫瘍分類第1版(WHO1979)が刊行される.第1版の表題は"Histological Typingof Tumors of the Central Nervous System"で古典的な形態学的分類(HE染色や鍍銀染色,細網染色を主とする光学顕微鏡形態分類)に基づく.神経上皮性腫瘍の中でグリア細胞由来の脳腫瘍に,"グリオーマ(glioma)"と命名したのは,Virchow RLK(1821~1902)である.WHO分類以前の脳腫瘍分類にはBailey&Cushingの分類があり(1929年),Cushing HW(1869~1939)によりastrocytoma,glioblastoma multiforme,oligodendro glio ma,ependymoma,medulloblastomaの命名が登場する.glioblastoma multiformeはglioblastomaに変更されたものの,これらは第1版から現在も踏襲されている命名,分類である.その後,Mayo ClinicのKernohan JW(1896~1981)により,神経膠腫のgrading分類(I~IV)が発表され,臨床的な悪性度分類としてWHO1979においても,このgrading分類がWHO gradingとして掲載され,現在でも診断に利用されている.

その後1994年にはWHO第2版(WHO1994)が刊行され,免疫組織学的な手法が分類に用いられた.またglioblastoma multiformeはglioblastomaに変更,統一された.1983年にはRorke LBが未分化な中枢神経上皮細胞腫瘍をprimitive neuro ectodermaltumor(PNET)として一括して命名することを提案する(PNETは1973年にHart&Earleにより定義されている).このPNETは病理学的には,組織発生の特徴を無視した腫瘍名の統一化に関して多くの問題を残すものの,その響きの良さもあり,脳神経外科や画像診断の分野では一時広く認知された.しかしRubinstein LJ(1924~1990)との論争を経て,WHO1994ではPNETはmedulloblastomaおよびその亜型腫瘍と類似するものとされ,今回のWHO2016ではPNETの項目は削除された.

第3版は2000年に出版され(WHO2000),その表題は"Pathology&Genetics Tumors of theNervous System"で脳腫瘍の遺伝子変異について記載された.2007年には今回の改訂まで使用されていた,第4版(WHO2007)"WHO Classification ofthe Central Nervous System"が刊行され,遺伝子変異に基づき,glioblastomaをprimary glioblastomaとsecondary glioblastomaに亜型分類し,oligoastrocytomaや,glioblastoma with oligodendrogliomacomponentsが記載された.

2. WHO2016を踏まえて,画像診断医の役割

WHO2016では遺伝子診断を基盤として,脳腫瘍分類の再編成,命名変更が行われたが,形態学的な(核異型や分裂,血管内皮の形態などによる)grading分類は継続される.また脳腫瘍の診断,治療に携わる全ての施設で遺伝子・分子診断に基づく病理診断ができるわけではなく,術前診断においては従来どおり画像診断が主力となる.幸い,CT,MRI,PETによる画像診断技術(石灰化の有無,灌流画像,拡散係数測定,メチオニン測定など)は,術前grading診断に大きく寄与しており,今回のWHO2016改訂にも大きな異和感を感じさせない.

今後もCEST(chemical exchange saturationtransfer)法やMR spectroscopyによる2-ヒドロキシグルタル酸測定など分子診断の新技術は術前診断gradingや遺伝子診断の補完法として大いに期待され,これからも画像診断医の研究テーマは尽きない.


井田 正博

目次

【特集】

WHO2016:主な改訂ポイント

放射線診断専門医に必要な脳腫瘍病理

星細胞系腫瘍,乏突起膠細胞系腫瘍

その他の星細胞系腫瘍,神経細胞および混合神経細胞・膠細胞系腫瘍

脳室内およびその近傍の腫瘍

松果体部腫瘍

中枢神経系原発悪性リンパ腫

転移性脳腫瘍

神経膠腫を中心とした脳腫瘍治療後の評価

【連載】

すとらびすむす

私って人工知能時代向き?

画像診断と病理

膵内副脾の類表皮嚢胞

ここが知りたい!

画像診断2016年6月号特集 「知っておきたい膝関節のMRI」

CASE OF THE MONTH

Case of November

The Key to Case of September

Picked-up Knowledge from Foreign Journals

膝関節のMRI

救急CT診断演習

第3回 発想の転換

Refresher Course

慢性肝疾患における乏血性肝細胞性結節の画像診断とその取扱い

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書籍情報

  • ISBN:9784780900842
  • ページ数:130頁
  • 書籍発行日:2016年10月
  • 電子版発売日:2017年7月7日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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