こころの健康を支える臨床心理学

  • ページ数 : 184頁
  • 書籍発行日 : 2012年3月
  • 電子版発売日 : 2019年4月3日
¥2,860(税込)
ポイント : 52 pt (2%)

商品情報

内容

人間理解のために心理学は大切な学問であり,患者・家族へのケアにおいて心理学周辺の知識が役立つ.

前半では,人間理解や人間のとらえ方といった心理学的人間理解について解説.後半はメンタルヘルスやストレスについて,さらに,各種心理療法を解説する.

序文

はじめに

本書は,"目にみえないこころを最大限理解すること"や"こころの問題を支援するための方法を知り実践に活かすこと"などをテーマに,第Ⅰ章「心理学的人間理解」と第Ⅱ章「こころの問題を取り上げる」の2部構成としています.

第Ⅰ章では,人間理解を促進する心理学や臨床心理学の基礎的知見をまとめました.ここでは,精神分析学や行動理論,自己理論,コミュニケーション論などといった,いわゆる"理論"を詰め込みました.

第Ⅱ章では,メンタルヘルスの保持・増進や心身の不適応予防,具体的な支援法(とくにカウンセリングの理論と方法など)をまとめました.第Ⅱ章の内容を理解することで,現実の社会における対人関係の問題やこころの不調に関与することができる技能を修得できる可能性が広がります.

こころの健康を考えるために,第Ⅰ章で紹介する基礎的な理論を十分に理解し,そのうえで,第Ⅱ章で紹介する具体的な支援法を修得することが理想といえます.しかしながら,皆さんが"いまこのときに"直面している人間関係の問題やこころの問題を解決する糸口を探るのであれば,ぜひ,読みやすい場所から読み進めてください.

一方,人間理解は多様な心理学領域で検討が進められ,それぞれが独立しているように感じられることもあります(たとえば,本書が2部構成,21のカテゴリーで分かれているように).しかし,心理学や臨床心理学がターゲットとするものは,人間であり,こころです.したがって,独立しているようであっても,すべてが関係しているといっても過言ではありません.読みやすい場所を読み終えたあと,ぜひ,自分や他人に対する興味・関心をもちながら,基礎(第Ⅰ章)と実践(第Ⅱ章)との両者を読み進めてください.

加えて,本書では14事例を紹介しています.これらの事例は,複雑な人間関係の問題やこころの問題をより一般化したものです.したがって,皆さん自身が直面する問題とマッチする事例もあるかもしれません.本書で扱う理論や方法論に加え,事例を皆さん自身の問題に照らし合わせることができれば,問題解決に近づくことができるかもしれません.

近年,こころの問題は多様化し,それを予防することや治療することが急務となっています.こころの健康を考え,豊かな生活を送ることをめざすとき,本書の内容が役立つことを願っています.

そして,まず初めに皆さんに質問します.「あなたは健康ですか?」


2012年3月

山蔦 圭輔

目次

第Ⅰ章 心理学的人間理解

1 人間を理解する

心理学の誕生と発展

心理学の一般性・客観性

こころの問題を扱う

2 人間のとらえ方① 精神分析と無意識

こころをとらえる方法──「無意識」を知る

無意識の世界を知る方法

抑圧された嫌な体験の行方

3 人間のとらえ方② 精神分析と防衛機制

葛藤と欲求不満

欲求不満と防衛機制

感情を向ける──投影,転移

治療場面で生じる感情と人間理解

4 人間のとらえ方③ 行動から理解する

日常生活と条件づけ

行動主義心理学と条件づけ

人間の客観的側面

偶然の行動と条件づけ──オペラント条件づけ

刺激→認知→行動の心理学

5 人間のとらえ方④ 自己概念と自己イメージ

自己とは何か

自己概念とは

青年期と自己イメージ

6 人間のとらえ方⑤ 人間とは何か

人間性心理学

人間性を方向づけるフィルター

7 人間のとらえ方⑥ 自分とは何者か──こうありたい自分

フィルターとこころの袋

高くなる理想と追いつきたい現実

8 コミュニケーションと他者の存在

欲求と他者の存在

他者を観察して自己を変える

9 他者の印象とコミュニケ̶ション

印象とコミュニケーション

印象形成とは何か

10 メンタルヘルスとソーシャルサポート

ソーシャルサポート

ソーシャルサポートとストレス

ソーシャルサポートと人間関係

11 コミュニケーションとリーダーシップ

リーダーとは

コミュニケーションネットワーク

第Ⅱ章 こころの問題を取り上げる

1 メンタルヘルスを考える① メンタルヘルスと人間関係

健康と人間関係

ものの見方とストレス

2 メンタルヘルスを考える② ストレスとは何かストレスとは何者か環境からの有害な刺激

3 メンタルヘルスを考える③ ストレスのメカニズムと

ストレス・コーピング

心理的メカニズム

ストレスと個人差

4 メンタルヘルスを考える④ 心身相関とリラクセーション

こころと身体の緊張

自律訓練法

漸進的筋弛緩法:筋肉の力は二度抜く

5 対人支援と臨床心理学① 他者の立場に立つ

あたかも自分のことであるかのように聴く

誰かの世界を知ること

6 対人支援と臨床心理学② 来談者中心療法

カウンセリングとは何か

来談者中心療法とは

7 対人支援と臨床心理学③ 行動療法・認知行動療法

行動療法とは

認知行動療法とは

8 対人支援と臨床心理学④ うつ状態とうつ病

気分の落ち込み──うつ状態とうつ病の違い

うつはなぜ生じる?──自己注目

うつはなぜ生じる?──反芻

9 職場のメンタルヘルス

職場におけるメンタルヘルスの実態

こころの問題を引き起こす要因

職場におけるケア

10 健康保持・増進と健康教育

健康保持・増進と予防

健康保持・増進にかかわる理論


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書籍情報

  • ISBN:9784059127642
  • ページ数:184頁
  • 書籍発行日:2012年3月
  • 電子版発売日:2019年4月3日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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