症状・疾患別にみる 漢方治療指針

  • ページ数 : 444頁
  • 書籍発行日 : 2017年5月
  • 電子版発売日 : 2017年10月27日
¥10,780(税込)
ポイント : 196 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

漢方エキス製剤の服薬指導はちょっと苦手という薬局薬剤師のための、漢方処方の解説本

帝国ホテルプラザ内で漢方薬局を営む著者が、疲れ・冷え性・高血圧・頭痛・肩こり・不眠・不妊など、70の症例・疾患の症例を基に漢方治療を解説。実践的な漢方処方の在り方を学べます。

序文

はじめに

漢方治療の要諦は、処方が患者の証(しょう)にもとづいて決まるということです。証とは患者の体質や症候のことです。同じ疾患であっても、患者の証が違えば処方は変わりますし、逆に異なる疾患であっても、証が同じならば同じ処方で治療します。これは病名や検査結果にもとづいて処方が決まる西洋医学とは大きく異なる特徴です。

漢方治療を行うためにまず必要なことは、このような漢方の基本概念を理解することです。第1章で解説しました。

続く第2章では、70種の症状・疾患別に、よくみられる証および処方について、症例を交えつつ詳説しました。ご覧いただくとわかりますが、不妊症には当帰芍薬散、ダイエットには防風通聖散、など患者の証を顧みずに病名や症状から機械的に決まる定番処方を使うことはほとんどありません。証に合わない処方は効果がありません。

正確な処方にたどり着く唯一の道は、よく「考える」ことです。名探偵や腕利き刑事が地道な捜査の中から真犯人を突き止めるように、粘り強く診察を行い、拾い集めた情報から患者の証をあぶり出すことです。これこそが患者に利益する漢方治療です。

証の判断に必要なのは多くの知識や経験ではありません。安直な知識や、証を考慮しない表面的な経験は、いくら豊富にあっても正確な証にはたどり着けません。必要なのは、患者から入手した情報をもとに、よく「考える」ことです。第3章では、そのために筆者が実際に行っている弁証(証を弁別すること)などの方法を公開します。また、患者の証に合わせて行っている日常生活上のアドバイスについても公開します。おもな証に推奨される食材についてはコラムで解説しました。

漢方医学にはいくつかの流派があります。また中国の伝統医学にも、中医学と一言ではくくり切れない数の各家と呼ばれる学派があります。それぞれに特徴があり有益な示唆に富みますが詳細は他書にゆずり、本書ではそれらをまとめて漢方としました。

出版にあたり、日経BP社 日経ドラッグインフォメーション編集部にはひとかたならぬお世話になりました。また食材コラムはすべて国際中医薬膳師の幸井由紀子が執筆しました。心より感謝します。

本書が医師や薬剤師の仕事の一助となり、将来の漢方普及への礎石となれば幸いです。


2017年5月

幸井 俊高

目次

はじめに

第1章 漢方の基礎

其の壱 漢方の根底にある基本概念

其の弐 人体の捉え方

其の参 病気の捉え方

其の四 病気の治し方

第2章 症状・疾患別にみる漢方処方

1 全身の症状・疾患

(1)疲れ

(2)冷え症

(3)のぼせ・ほてり(熱感)

(4)むくみ

(5)貧血

(6)肥満(ダイエット)

(7)痩せ過ぎ

(8)寝汗

(9)夏ばて・熱中症

(10)かぜ(引き始め編)

(11)かぜ(こじらせた場合編)

(12)インフルエンザ

(13)高血圧

(14)癌


2 頭部の症状・疾患

(1)頭痛

(2)脱毛・薄毛・抜け毛

(3)目の疲れ・眼精疲労

(4)めまい・ふらつき

(5)耳鳴り

(6)鼻詰まり

(7)鼻炎

(8)花粉症

(9)口内炎

(10)口臭

(11)歯周病


3 首から胸の症状・疾患

(1)橋本病

(2)バセドウ病

(3)肩凝り

(4)動悸

(5)喘息

(6)咳


4 腹部から下の症状・疾患

(1)食欲不振

(2)吐き気・嘔吐

(3)逆流性食道炎

(4)胃のつかえ感

(5)腹痛

(6)腹部膨満感

(7)腰痛

(8)便秘

(9)下痢

(10)過敏性腸症候群

(11)頻尿


5 皮膚の症状・疾患

(1)湿疹(皮膚炎)

(2)蕁麻疹

(3)アトピー性皮膚炎

(4)にきび


6 精神の症状・疾患

(1)不眠

(2)いらいら

(3)不安感

(4)過度の緊張

(5)自律神経失調症

(6)うつ病

(7)パニック障害


7 男性特有の症状・疾患

(1)ED(勃起不全)

(2)男性不妊症


8 女性特有の症状・疾患

(1)月経前症候群(PMS)

(2)月経痛

(3)月経不順(周期の異常)

(4)月経不順(量の異常)

(5)無月経

(6)不正性器出血

(7)更年期障害

(8)若年性更年期障害

(9)子宮筋腫

(10)子宮内膜症

(11)不妊症

(12)不育症

(13)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

(14)高プロラクチン血症

(15)2人目不妊

第3章 弁証論治の実際

Column

漢方の食養生


証別お薦めの食材

気虚

血虚

血瘀

血熱

陰虚

陰虚火旺

痰飲、痰湿

湿熱

寒凝

食滞

肝鬱気滞

肝陽化風

肝火

心気虚

心血虚

心火

脾気虚

脾陽虚

胃熱

胃陰虚

肺気虚

肺陰虚

腎陰虚

腎陽虚

索引

中医学用語索引

処方・生薬索引

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:73.2MB以上(インストール時:159.2MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:292.8MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:66.9MB以上(インストール時:167.3MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:267.6MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784822239688
  • ページ数:444頁
  • 書籍発行日:2017年5月
  • 電子版発売日:2017年10月27日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。


※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcher(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。


※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。