腫瘍病理鑑別診断アトラス 造血器腫瘍

  • ページ数 : 300頁
  • 書籍発行日 : 2013年5月
  • 電子版発売日 : 2019年2月20日
¥16,500(税込)
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商品情報

内容

造血器腫瘍の病理診断のスタンダードをめざした腫瘍病理鑑別診断アトラス!

WHO分類第4版の組織分類に沿って,造血器腫瘍を組織学的視点から詳細に解説する.日常診療でよく遭遇する鑑別診断は,鑑別のポイントとして別項目にまとめ,病理医が知っておくべき造血器腫瘍の画像診断・治療方針に関しては,血液内科医にも記載して頂いた.血液内科医が病理診断に何を求めているかについては「病理診断報告書の記載」としてまとめた.さらに分類や概説では表せない必要事項を「トピックス」として盛り込んでいる.

>『 腫瘍病理鑑別診断アトラス』シリーズ

序文

造血器腫瘍の診断は,臨床症状,骨髄や末梢血の塗抹標本,骨髄吸引クロットあるいは骨髄生検標本,フローサイトメトリー,染色体分析,および遺伝子解析に基づいて行われる.

このうち病理検査室に提出されるのは,骨髄吸引クロットや骨髄生検組織である.骨髄は比較的採取されやすいため,病理に提出される材料の中で,その占める割合は比較的多いと思われる.しかし,病理検査が造血器腫瘍の診断のカギとなるような機会は,ドライタップ時を除いてほとんど経験されない.このことは,日本血液学会と日本リンパ網内系学会により作成された「造血器腫瘍取扱い規約」がリンパ・造血器腫瘍の国際分類であるWHO分類を参考にしながらも,リンパ系腫瘍以外の造血器腫瘍に関する病理組織形態学には言及していないことからも明らかである.そもそも近年のWHO分類は,リンパ・造血器腫瘍で次々に明らかになっている染色体・遺伝子異常を積極的に取り入れ治療に役立てようとする意図で作成されたものであるが,基本的には,形態学や免疫細胞化学的な知識に立脚したものあって,細胞および組織形態学的検査なしでこれを運用することはできない.

一方,われわれ病理医にとってWHO分類は,ほぼ全ての造血器腫瘍の最新の病理組織学的内容を含んでいるので,非常に馴染みやすいものとなっている.そこで,本書ではWHO分類 第4版を柱とした組織分類を提示し,それを病理組織学的視点から詳細に解説した.鑑別診断で重要なものはそれぞれの腫瘍の中でも述べてあるが,日常診療でよく遭遇する鑑別診断については,「鑑別ポイント」として別項目にまとめた.また,病理医が知っておくと役立つような造血器腫瘍の画像診断・治療方針に関しては,血液内科医にも記載していただいた.そして,血液内科医が病理診断報告書に何を求めているか,言い換えれば病理医が何を病理診断書に記載しておかなければならないかを別項目としてまとめた.そのため,本書を「検鏡前の確認事項」「組織型と診断の実際」「鑑別ポイント」「臨床との連携」の4部に分け,さらに分類や概説では表せない必要事項を「トピックス」として随所に盛り込んだ.

本書が本邦における造血器腫瘍の病理診断のゴールドスタンダードとなれば幸いである.

平成25年5月

定平 吉都
北川 昌伸

目次

第1部 検鏡前の確認事項

Ⅰ.骨髄評価のための基礎知識

1.骨髄の採取

2.塗抹標本の取扱い方

3.病理標本の取扱い方

4.フローサイトメトリー,染色体分析,FISH,遺伝子診断

II.成人の骨髄病理標本の評価

1.骨髄標本の作製

2.骨髄組織標本の評価法

3.造血細胞の分布の評価

4.骨髄線維化の評価

5.鉄沈着の評価

III.小児の骨髄と白血病の特徴

1.小児の骨髄の特徴

2.小児白血病の特徴

第2部 組織型と診断の実際

Ⅰ.骨髄増殖性腫瘍

1.BCR-ABL1 陽性慢性骨髄性白血病

2.真性赤血球増加症

3.原発性骨髄線維症

4.本態性血小板血症

5.肥満細胞症

II. 好酸球増加およびPDGFRA,PDGFRBまたはFGFR遺伝子異常を伴う骨髄系ならびにリンパ系腫瘍と慢性好酸球性白血病

III.骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍

1.慢性骨髄単球性白血病(CMML)

2.若年性骨髄単球性白血病(JMML)

3.BCR-ABL1陰性非定型慢性骨髄性白血病(aCML)

4.著明な血小板増加症に関連した環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS-T)

IV.骨髄異形成症候群

1.総論

2.各論

1)RCUD

2)RARS

3)RCMD

4)RAEB

5)MDS with isolated del(5q)

6)MDS分類不能型(MDS-U)

7)ICUSとIDUS

Ⅴ.小児骨髄異形成症候群

VI.急性骨髄性白血病と関連の前駆細胞腫瘍

1.頻度の高い遺伝子異常を伴う急性骨髄性白血病

2.骨髄異形成関連変化を伴う急性骨髄性白血病

3.治療関連骨髄腫瘍

4.急性骨髄性白血病,NOS

VII.骨髄肉腫

VIII.Down症候群関連骨髄増殖性疾患

1.概説

2.一過性骨髄造血異常症(TAM)

3.Down症候群関連骨髄性白血病(ML-DS)

IX.芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍

第3部 鑑別ポイント

Ⅰ.芽球増加をきたす骨髄性腫瘍の鑑別

1.腫瘍性芽球増殖

2.骨髄性腫瘍の治療後の病態

3.骨髄性腫瘍との鑑別を要する病態

II.骨髄低形成をきたす骨髄性腫瘍の鑑別

III.骨髄線維化をきたす骨髄の鑑別

1.骨髄増殖性腫瘍(MPN)

2.悪性リンパ腫・リンパ性白血病

3.悪性腫瘍の骨髄転移

4.骨髄線維化をきたす非腫瘍性病態

5.先天性疾患,代謝異常症,ほか

IV.巨核球の形態異常をきたす骨髄性腫瘍の鑑別

1.骨髄異形成症候群(MDS)

2.骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)

3.骨髄異形成関連変化を伴う急性骨髄性白血病

4.骨髄増殖性腫瘍(MPN)

5.急性巨核芽球性白血病(AMKL)

Ⅴ.赤芽球増加をきたす骨髄性腫瘍の鑑別

1.巨赤芽球性貧血と赤芽球増加を伴う骨髄異形成症候群(MDS)の鑑別

2.二次性赤血球増加症と真性赤血球増加症との鑑別

3.赤芽球が骨髄有核細胞の50%以上を占める骨髄性腫瘍の鑑別

VI.骨髄浸潤パターンからみた悪性リンパ腫の鑑別

1.骨髄検査の現状と反応リンパ球の出現様式

2.各種悪性リンパ腫の骨髄浸潤様式

VII.免疫組織化学による造血器腫瘍の鑑別

1.骨髄標本における免疫組織化学(IHC)の意義

2.骨髄生検および吸引クロット標本の固定

3.骨髄病理診断に用いられる抗原

4.各造血器腫瘍におけるIHC

5.骨髄肉腫の診断

6.骨髄病理標本の診断のために準備すべき抗体

第4部 臨床との連携

Ⅰ.造血器腫瘍の画像診断

II.MDSにおけるリスク分類

III.急性骨髄性白血病におけるリスク分類

IV.造血器腫瘍における治療効果判定(分子標的治療を含む)

Ⅴ.放射線障害と造血器腫瘍

VI.病理診断報告書の記載法


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書籍情報

  • ISBN:9784830622380
  • ページ数:300頁
  • 書籍発行日:2013年5月
  • 電子版発売日:2019年2月20日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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