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心不全と骨格筋機能障害 循環生理の要点と運動療法の盲点

  • ページ数 : 250頁
  • 書籍発行日 : 2018年7月
  • 電子版発売日 : 2019年1月16日
5,280
(税込)
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商品情報

内容

心不全への理解を深めるための骨格筋障害の知識・考え方をレクチャー!

超高齢社会を背景に心不全患者も増加している今日,心不全の予防・治療そして予後改善のための運動療法が盛んに行われている.なぜ心不全に運動なのか?心不全の理解を深めるための骨格筋障害の知識・考え方を解説.多くのイラストと簡潔明瞭な解説により心不全と運動器の関係がよく理解できる.心不全・慢性疾患の診療・リハビリテーションに従事する医療者が「心不全は心臓だけの病気ではない」ことを理解するための最良の一冊.

序文

心不全パンデミックへ向けて

超高齢社会を背景に心不全患者も増加し,わが国は心不全パンデミック時代に直面しようとしています.診療報酬の改定も追い風となり,心不全の予防・治療そして予後改善のために運動療法が盛んに行われるようになってきました.なぜ,心不全に運動なのか?

今こそ心不全への理解を深める時であり,その上で骨格筋障害の知識は不可欠です.


骨格筋は心臓・循環系のmaster(主)かslave(従者)か?

「運動能力を決定するのは心臓か筋肉か?」,「心不全と骨格筋障害」,過去には馴染みの薄かったフレーズですが,現在ではサルコペニア・フレイル概念の急速な普及・伝搬に伴って,耳にあるいは目にする機会が増えたことかと思います.心臓を中心とした考え方から,予後を左右するサルコペニア・フレイル・骨格筋障害・カヘキシーという末梢運動器不全を中心に考える概念・パラダイムの急激なシフトと,その過程を理解するためのlandmarkとなる論文をわかりやすく解説しました.


コメディカルの皆さんへ

本書は,心臓リハビリテーションに携わる幅広い職域,特に看護師,理学療法士,臨床検査技師,薬剤師,栄養士,臨床心理士,健康運動指導士,腎臓リハビリテーション時代の臨床工学士の方々のために執筆いたしました.本書は,常に作図を用いた"アナロジー(類推)"を心がけ,適宜,運動生理学等の基本的解説を加え,多くの方々に容易に理解していただけるように心がけました.


"Less is more"

本書の特徴の1 つは,"Less is more"であり,なるべく短い解説で読者の想像力を最大限に掻かき立て,結果として,より多くを学んでいただくことを意図しました.また「簡潔・平明」にして「尖鋭・比興」を心がけました.


インセンティブ

本書は,「心不全は心臓だけの病気ではない」ことを理解するには最良の入門書になるのではないかと思う次第です.本書を気楽に読み進めていただくことで,難解とされてきたこの領域の「からくり」も解けてくるでしょう.本書が,皆さんが心不全・慢性疾患の診療・リハビリテーション現場において,柔軟な考えができる手助けになれば幸いに思います.


2018年7月

沖田 孝一

目次

序章

1 心不全における骨格筋障害に関する研究の発展

2 慢性心不全と運動耐容能に関する盲点と要点

第I章 心不全における骨格筋障害

1 運動耐容能規定因子:limiting factors for exercise capacity

1 運動限界

2 貧血があるとどうして運動耐容能が低下するのか?

2 骨格筋はどのように酸素摂取量に影響するのか?

1 ミトコンドリア筋症の例

2 もう1つの例(骨格筋サイズの問題─筋量が少ない場合)

3 心不全では,実際どうなっているのか?

[知識のまとめと補足]運動耐容能と酸素利用能

1 運動耐容能を規定する骨格筋と呼吸・循環系の連関

2 骨格筋への酸素輸送と利用に影響する因子

3 有酸素運動トレーニングによる骨格筋における酸素利用の改善

3 心不全における運動耐容能規定因子

1 骨格筋仮説が生まれた背景

2 最大酸素摂取量

3 Landmark papers

4 運動限界における酸素輸送限界説と骨格筋利用限界説:微小循環の問題─debates continue─

1 骨格筋内微小循環障害説

2 微小循環に関する主要論文

5 心不全における骨格筋障害

1 筋萎縮:muscle atrophy, wastage

2 筋線維型の変化:histologic alteration

3 筋代謝酵素の変化:biochemical alteration

4 骨格筋エネルギー代謝:muscle energy metabolism

6 骨格筋障害の成因

1 身体不活動

2 栄養障害

3 末梢循環不全・低酸素状態

4 神経体液性因子

5 異化と同化の不均衡

6 骨格筋タンパク質分解亢進

7 炎症・酸化ストレス

8 cell-cycle dysregulation(細胞周期の調節不全)

7 骨格筋障害への対策

1 運動療法

2 心臓再同期療法,左室補助循環装置

3 薬物治療の可能性

8 HFpEFにおける運動耐容能低下と骨格筋障害

1 HFpEFにおける骨格筋障害

[知識の確認─理解を深めるために]骨格筋の生理学:エネルギー代謝

1 3つのエネルギー供給系とクレアチンリン酸シャトル

2 クレアチンリン酸とCKファミリー

3 クレアチンとクレアチンリン酸はどこからくるのか?

4 クレアチンとCK(creatine phosphokinase)は,なぜ骨格筋と脳に多いのか?─クレアチン欠乏をきたす疾患─

5 脳クレアチン欠乏症候群(CCDS)

第II章 骨格筋という高次機能臓器(master regulator for health)─運動器でありながら内分泌機能を有する巨大な臓器─

1 運動疫学から骨格筋疫学へ

1 運動疫学

2 骨格筋疫学

2 健康を支える内分泌臓器としての骨格筋

1 運動効果における骨格筋と脳・神経系の関連

2 骨格筋と脳に共通する液性因子:BDNF

3 Exercise is a multi-organ harmony against diseases

3 サルコペニア,フレイル,ロコモティブ・シンドローム

1 サルコペニア

2 ロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)

3 フレイル

第III章 運動を支える循環系のしくみ─心臓から毛細血管まで─循環生理の要点

1 心臓・循環系

2 心臓への静脈還流

3 動脈・静脈の構造

4 血管平滑筋

5 末梢循環系

6 循環調節

7 運動中の循環調節

8 慢性心不全の要点

第IV章 運動療法の実際

1 心疾患における運動トレーニング様式--運動強度・運動時間・運動様式--

1 有酸素運動トレーニング

2 レジスタンス・トレーニング

3 その他の運動様式

2 心疾患に対する運動療法・リハビリテーションの実際

1 急性心筋梗塞(AMI)

2 心不全

3 心臓手術後

4 各段階における運動プログラム例

3 心臓リハ・運動療法の実際(民間病院での実地例)

1 離床期

2 運動療法導入準備期

3 院内リハ期

4 神経筋電気刺激療法(NMES)の応用

4 高齢者向け運動プログラム

1 筋力強化およびバランストレーニング

2 マシーンの利用

5 多様な運動療法・運動療法実地の工夫

1 屋外の利用─北海道循環器病院の例─

2 Exercise card(エクササイズカード)の利用─北海道社会事業協会帯広病院の例─

第V章 心肺運動負荷試験・運動機能評価法・運動効果モニタリング

1 心肺運動負荷試験の要点

1 メディカルチェック

2 運動負荷試験

3 心肺運動負荷試験

2 リハビリテーション現場におけるさまざまな指標

1 Short Physical Performance Battery(SPPB)

2 Functional reach test(FRT)

3 Timed-up and go test(TUG)

4 10m歩行テスト

5 Barthel index

6 機能的自立度評価法(FIM)

7 Katz index

8 International Physical Activity Questionnaire(IPAQ)

9 基本チェックリスト

10 Lubben Social Network Scale短縮版(LSNS-6)

11 ヨーロッパ心不全セルフケア行動尺度(EHFScBS)

3 運動療法・心臓リハビリテーションの効果と科学的モニタリング

1 心血管危険因子への運動療法・心臓リハビリテーションの効果

2 運動療法・心臓リハビリテーション効果の科学的モニタリング(展望)

第VI章 栄養管理・食事療法─カヘキシーへの対策と課題─

1 心不全における栄養障害と悪液質

2 栄養評価

3 心不全における栄養不良例への介入方法

1 適切な心不全コントロール

2 ACEi,ARBおよびβ遮断薬の適切な使用

3 食事療法

4 肥満パラドクス

5 肥満を改善する食事療法について

1 総カロリー制限(低脂肪食)

2 地中海食

3 糖質制限(超低糖質食としてのケトン食を含む)

4 ベジタブルファースト(vegetable first)

5 立ち食いの有効性は?

6 脂肪酸

7 シス・トランス脂肪酸

8 コレステロール摂取は制限すべきか

トピックス

トピックス 1骨格筋機能改善薬

1 運動模倣薬(exercise mimetics)

2 骨格筋萎縮予防・肥大促進薬

3 運動模倣薬と筋肥大促進薬の問題点

トピックス 2生物とホルミシス(hormesis)

1 ホルミシスとは

2 抗酸化サプリメントの功罪

3 ヒトにおける介入データ

4 治療薬は大丈夫なのか?

トピックス 3内分泌器官としての骨

1 骨:内分泌機能も有する多機能組織

2 オステオカルシン

3 FGF23

終章

ヒトにおける運動療法・心臓リハビリテーションの意義

1 ヒトという生命体

2 運動は全身の器官および細胞・組織を1 つの目的に向かって活動させる

3 おわりに─"Beyond exercise and cardiac rehabilitation"

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書籍情報

  • ISBN:9784830645693
  • ページ数:250頁
  • 書籍発行日:2018年7月
  • 電子版発売日:2019年1月16日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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