臨床病態栄養学 第3版

  • ページ数 : 608頁
  • 書籍発行日 : 2013年9月
  • 電子版発売日 : 2019年10月23日
¥11,000(税込)
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商品情報

内容

4年ぶりに内容をアップデートした臨床栄養学テキストの決定版!

栄養学の基本と臨床栄養管理に必要な病態を理解して,適切な栄養管理を行うための実践的テキスト.
栄養士はもとより,NSTのメンバー,医師,看護師,薬剤師,他の医療スタッフや医療職を目指す学生が,栄養管理についてじっくりと深く学習できる充実した内容.
卒後教育にも幅広く活用できる.
図版232点,表組227点,モノクロ写真4点.

序文

第3版序

臨床現場での栄養管理は,入院期間短縮,合併症軽減,予後改善に貢献できることから,高度な医療にとって,また患者のQOLを高めるために特に重要です.近年,患者に対する栄養管理の重要性が医療保険制度の中で認識されつつあり,2010年に栄養サポートチーム加算が,2012年には糖尿病透析予防管理料が認められた.栄養管理は医療の基盤であり「臨床病態栄養学」の全体について学習することは,確信をもった臨床栄養管理につながり,チーム医療(NST)の一員として大きな役割を果たすために重要です.患者の栄養療法を行うためには栄養アセスメントが必要である.栄養アセスメントは,(1)患者さんと面談し,問診により現病歴や既往歴を把握するとともに視診,触診,打診,聴診を行う.次に(2)体重,身長,身体組成などの身体計測による評価,(3)血液検査,尿検査,心臓・呼吸・脳機能を評価する生理検査,X線やCTなどの画像検査を含む臨床検査,さらに(4)エネルギーはじめビタミンやミネラルなど全ての栄養バランス評価,の4項目から栄養状態とともに病態を把握する.これらの情報を適切に理解することにより,小児,妊婦,成人,高齢者および患者の重症度,合併症,等に加え,疾病による栄養代謝異常を理解して適切な栄養管理を実施する.

今回,「臨床病態栄養学第3版」の改訂にあたっては,栄養療法を決定する判断力を養い,チーム医療(NST)の中でリーダーシップを発揮できる学力を養うことができるように,第2版より以下の内容をレベルアップした執筆とした.

①経口,経腸,静脈栄養補給量および内容を全て理解する.

②患者の栄養代謝異常すなわち病態を理解する.

③薬剤の作用および栄養療法との関係を理解する.

④栄養エネルギーバランスの評価や計算法を理解する.

⑤栄養素の体内蓄積量,1日摂取量・投与量,予防量および治療量を理解する.

これを十分に学習することによって,医療・栄養療法に求められる能力および実力として,(1)ただ単に知ってる(Knows)から,(2)どうするか知ってる(Knows how),(3)やってみせることができる(Show how),(4)実践できる(Does),までの栄養管理能力を一歩一歩向上させることができるように編集しました.その結果,知識に基づいて判断し,自らを律して行動できる能力(チームワーク,リーダーシップ,倫理観,社会的責任および生涯学習力)を養える.

第3版の改訂にあたっては各分野のエキスパートの医師4名および管理栄養士2名で執筆し,NSTを構成する医師,管理栄養士,薬剤師,看護師,その他の職種にとっても活用できるようにした.


平成25年7月

武田英二

目次

総論

[1] 臨床病態栄養学の概念と意義

A. はじめに

B. 栄養管理とは

C. ニュートリション・サポート・チーム

D. 医療現場での栄養管理

 1. 栄養管理のすすめ方

 2. 臨床栄養管理に対する態度

 3. リーダーシップ

[2] 生活習慣病と栄養不良

A. 生活習慣病とは

B. 生活習慣病の現状

 1. 主要疾患の死亡者数

 2. 主要疾患の患者数

C. 栄養不良

D. QOLを改善する栄養療法

[3] 栄養素の代謝と作用

A. 分子栄養学について

 1. 分子としての栄養素

 2. 遺伝子発現調節と代謝調節

 3. 栄養素と遺伝子発現

 4. 分子栄養学と臨床栄養学

B. 栄養・エネルギー代謝

 1. エネルギー産生と臓器

 2. 栄養素とエネルギー代謝

 3. 運動のエネルギー代謝

 4. ストレスに対する生体反応

 5. 臓器・組織間での代謝情報ネットワーク

C. 炭水化物

 1. 炭水化物の消化・吸収

 2. 炭水化物の代謝

 3. 炭水化物の作用

 4. 食物繊維

D. 脂質

 1. 脂質の消化・吸収

 2. 脂質の代謝

 3. 脂質の合成と分解

 4. 脂質の作用

 5. 脂質の必要量

E. タンパク質

 1.生体でのタンパク質代謝

 2. 体タンパク質の合成と分解

 3. アミノ酸の代謝

 4. 体タンパク質の代謝

 5. タンパク質の作用

 6. タンパク質の必要量

F. ビタミン

 1. ビタミン異常症の発見

 2. 水溶性ビタミン異常症

 3. 脂溶性ビタミン異常症

G. ミネラルおよび微量元素

H. 水と電解質

 1. 水分の調節機構

 2. 尿の濃縮機構

 3. ナトリウムの調節機構

 4. カリウムの調節機構

 5. 水代謝の異常

 6. ナトリウムの異常

 7. カリウムの異常

 8. クロールの異常

 9. 酸塩基平衡と異常

[4] 栄養スクリーニングとアセスメント

A. 栄養スクリーニングとアセスメント

 1. SGA

 2. MNA

 3. MUST

 4. NRS 2002, ESPEN 2003

B. 問診および観察

 1. 病歴

 2. 身体状況

 3. 診察情報

C. 身体指標・計測による栄養アセスメント

 1. %理想体重または身長・体重比

 2. 平常時体重に対する体重比

 3. 肥満の判定と標準体重

 4. ウエスト・ヒップ比

 5. 上腕三頭筋囲および上腕筋面積

 6. 皮下脂肪厚

 7. 体組成

D. 臨床検査(血液・尿中指標)による栄養アセスメント

 1. 血液検査

 2. 尿検査

E. 栄養エネルギーバランス

[5] 小児・妊産婦・高齢者の栄養

A. 小児栄養

 1. 食生活と小児栄養

 2. 新生児期

 3. 乳児期

 4. 幼児期

 5. 学童期

 6. 思春期

 7. 小児の肥満

 8. 小児栄養障害のアセスメント

 9. 摂食障害

B. 妊産婦栄養

 1. 妊産婦の特徴

 2. 妊産婦の体重変化

 3. 妊産婦の栄養必要量

 4. 授乳婦に必要な栄養

 5. ハイリスク妊娠

 6. 母体の栄養と胎児・小児の健康

C. 高齢者栄養

 1. 身体的特徴

 2. 栄養管理

[6] 栄養補給法

A. はじめに

B. 栄養補給の選択と計画

 1. 患者の病態把握

 2. 栄養管理法の選択基準

C. 経口栄養法

 1. 経口栄養の原則

 2. 経口栄養における各栄養素の意義

 3. 治療食

D. 経管栄養法

 1. 経管栄養の特徴と適応

 2. 経腸栄養法

E. 経腸栄養の管理

 1. 経腸栄養の調製上の技術

 2. 経腸栄養の取り扱い上の注意

 3. 経腸栄養時の副作用対策

 4. 経皮内視鏡的胃瘻造設術

F. 経静脈栄養法

 1. 特徴と適応

 2. 禁忌

 3. 経静脈栄養剤および輸液の種類

 4. 中心静脈栄養の実際

 5. 合併症

 6. 末梢静脈栄養

 7. 経腸栄養剤と中心静脈栄養剤組成の比較

G. 末梢静脈輸液療法

各論

[1] 消化器疾患

A. 消化吸収機構と排便

 1. 消化管機能

 2. 消化・吸収と消化酵素

 3. 消化管ホルモン

 4. 嘔吐,下痢,便秘に伴う代謝異常

B. 食道・胃疾患

 1. 逆流性食道炎

 2. 急性胃炎,慢性胃炎

 3. 胃・十二指腸潰瘍

 4. 胃癌

C. 腸疾患

 1.潰瘍性大腸炎

 2. クローン病

 3. 短腸症候群

 4. 吸収不良症候群

 5. Clostridium difficile関連腸炎

D. 膵臓疾患

 1. 膵臓の機能

 2. 急性膵炎,慢性膵炎

 3. 膵臓癌

E. 肝臓・胆囊疾患

 1. 肝臓の機能

 2. 肝炎

 3. 肝硬変

 4. 肝臓癌

 5. 肝不全

 6. 脂肪肝

 7. 胆石症

 8. 急性胆囊炎

 9. 慢性胆囊炎

[2] 代謝性疾患

A. 糖尿病

 1. 糖代謝調節と糖尿病

 2. 糖尿病の分類

 3. 糖尿病の診断

 4. 糖尿病の合併症

 5. 糖尿病の治療と予防

 6. 他疾患合併時の糖尿病の血糖管理

B. 高脂血症/脂質異常症

 1. 脂質代謝,高脂血症/脂質異常症の定義と診断基準

 2. 高トリグリセライド血症

 3. 高コレステロール血症

C. 肥満症

 1. 概念

 2. 成因

 3. 肥満の合併症

 4. 治療

D. 痛 風

 1. 尿酸の生成と排泄

 2. 高尿酸血症の成因

 3. 痛風の発生率

 4. 分類

 5. 栄養アセスメント

 6. 治療

 7. 食事療法

E. 先天性代謝異常症

 1. アミノ酸代謝異常症

 2. 糖代謝異常症

 3. 脂質代謝異常症

[3] 内分泌・骨疾患

A. 甲状腺疾患

 1. 甲状腺

 2. 甲状腺疾患

B. 副腎疾患

 1. 概念

 2. 副腎皮質・髄質ホルモンの生合成

 3. 副腎皮質・髄質ホルモンの分泌調節

 4. 副腎皮質・髄質ホルモンの作用

 5. 副腎疾患

 6. ストレス反応

C. 骨疾患

 1. 骨代謝のメカニズム

 2. 骨粗鬆症

 3. 骨粗鬆症の危険因子

 4. 骨粗鬆症の遺伝因子

 5. 骨粗鬆症の栄養アセスメント

 6. 骨粗鬆症の予防

 7. 骨粗鬆症の治療

[4] 循環器・呼吸器疾患

A. 循環呼吸調節機構

 1. 全身性調節

 2. 局所性調節

B. 動脈硬化症

 1. 病理

 2. 成因

 3. 臨床症状

 4. 治療

C. 虚血性心疾患

 1. 狭心症

 2. 心筋梗塞

D. 心不全

 1. 定義

 2. 病態

 3. 症状と診断

 4. 心不全の合併症とその対策

 5. 治療法

E. 高血圧

 1. 概念

 2. 成因

 3. 症状,診断,分類,栄養評価

 4. 二次性高血圧

 5. 治療

 6. 妊娠高血圧症候群

F. 呼吸障害

 1. 呼吸不全

 2. 慢性閉塞性肺疾患

 3. 肺炎

 4. 肺結核症

 5. 気管支喘息

 6. 睡眠時無呼吸症候群

[5] 腎疾患

A.腎臓の構造と機能

 1. はじめに

 2. 尿生成における各器官の働き

 3. 体液の恒常性を維持する仕組み

 4. 腎機能検査

B. 糸球体疾患

 1. 急性糸球体腎炎症候群

 2. 急速進行性糸球体腎炎症候群

 3. IgA腎症

 4. 慢性糸球体腎炎症候群

C. ネフローゼ症候群

 1. 概念

 2. 病態

 3. 栄養アセスメント

 4. 治療

 5. 予後

D. 腎不全

 1. 急性腎不全と急性腎障害

 2. 慢性腎不全と慢性腎臓病

 3. 透析

E. ハイリスク妊娠

 1. 妊娠嘔吐・妊娠悪阻

[6] 血液疾患

A. 血液による生体調節

 1. 血液の働き

 2. 血液の性質

 3. 血液の成分

 4. 赤血球

 5. 白血球

 6. 血小板

B. 貧血

 1. 貧血の分類

 2. 貧血の性状

 3. 薬物治療

 4. 栄養療法

C. 白血病

 1. 白血病とは

 2. 発症メカニズム

 3. 症状

 4. 診断および治療

 5. 栄養食事療法

 6. 骨髄移植

D. 悪性リンパ腫

 1. 悪性リンパ腫とは

 2. 症状

 3. 診断および治療

 4. 栄養食事療法

[7] 感染,免疫,アレルギー

A. 免疫と栄養

 1. 免疫反応

 2. アレルギー反応

 3. アレルギー発症機構

B. 食物アレルギー

 1. 発症機序

 2. アレルギーの原因食品

 3. 臨床症状

 4. 診断

 5. 治療

C. 免疫不全

 1. 免疫不全とは

 2. 免疫不全の病態

 3. 免疫不全症の成因

 4. 続発性免疫不全症

 5. 栄養不良と免疫障害

 6. HIV感染症

D. 食中毒

 1. 食中毒とは

 2. 食中毒の種類

 3. 食中毒の発生状況

 4. 食中毒と原因食品

 5. 細菌性食中毒

 6. 症状

 7. 細菌性食中毒を起こす原因細菌

 8. 細菌性食中毒の診療

 9. 治療

 10. 予防法

 11. ノロウイルス

 12. 化学性食中毒

E. 敗血症および多臓器不全

 1. 概念

 2. 成因

 3. 敗血症に関する感染防止対策

 4. 病態生理

 5. 敗血症の症状

 6. 敗血症の診断

 7. 敗血症の治療

 8. 食事療法

 9. 敗血症の予後

[8] 栄養摂取障害

A. 摂食・嚥下障害

 1. 病態

 2. 原因

 3. 食事

B. 神経性食欲不振症

 1. 食欲の調節

 2. 食欲不振とは

 3. 神経性食欲不振症の病態

 4. 神経性食欲不振症の症状

 5. 神経性食欲不振症の診断

 6. 神経性食欲不振症の栄養評価

 7. 神経性食欲不振症の治療

C. 栄養不良

 1. 栄養不良の病態

 2. エネルギー・タンパク質代謝と栄養療法

 3. 社会的意義

 4. リフィーディング症候群

D. 脳卒中

 1. 脳(内)出血

 2. 脳梗塞

 3. 一過性脳虚血発作

 4. 脳膜出血

 5. 脳卒中の治療

 6. 脳卒中の栄養管理

E. 外科栄養管理

 1. 術前の栄養管理

 2. 術後の栄養管理

F. 癌の栄養管理

 1. 癌の概要

 2. 癌患者の代謝

 3. 癌患者に対する栄養療法

 4. 癌患者の栄養管理の実際

 5. 癌治療の栄養療法

 6. 化学療法,放射線療法と栄養管理

 7. 癌の終末期医療における栄養療法の意義

G. 熱傷

 1. 病態

 2. 診断

 3. 栄養管理

[9] 臨床検査項目

Ⅰ. 血液生化学的検査

II. 肝機能検査

III. 腎機能検査

IV. 内分泌機能検査

Ⅴ. 血液学的検査

VI. 血清学的検査

VII. 腫瘍関連検査

VIII. 尿検査

IX. 画像検査

Ⅹ. 心電図検査

XI. 元素の周期表

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784830660450
  • ページ数:608頁
  • 書籍発行日:2013年9月
  • 電子版発売日:2019年10月23日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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