Textbook of Radiosurgery-放射線外科治療の進歩

  • ページ数 : 248頁
  • 書籍発行日 : 2012年2月
  • 電子版発売日 : 2012年12月8日
¥14,300(税込)
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商品情報

内容

ガンマナイフ、サイバーナイフ、ノバリス、トモセラピー、陽子線、重粒子線など、定位照射法や強度変調照射法による放射線外科治療のスタンダードがわかり、実際の症例をもとにした検査法、固定法、線量計画、辺縁線量など、放射線外科治療の臨床がわかる書です。

さらに、引用文献からPubMedへダイレクトにリンク参照いただけたり、お持ちの南山堂医学大辞典へのリンクもつき簡単に用語の確認もいただける、電子版ならではの便利な機能を搭載しました。

序文

ガンマナイフの普及に伴い発展した放射線外科治療は、その後の技術的進歩により、頭蓋内病変のみならず頭蓋外病変の治療に対応した各種治療機器の開発を促すことになった。現在では頭頸部病変や脊髄・脊椎病変から体幹部病変の放射線外科治療が可能な時代である。

各機種による治療法の相互理解と、安全な治療法の確立とさらなる発展のために、2009年に技術部門と治療部門を担当する診療放射線技師、医学物理士、医師等をメンバーとする「日本放射線外科学会」が設立された。学会設立にあたりご指導賜り、顧問として会を支えていただいた大江千廣先生(2010年1月5日心筋梗塞で急逝)に心より感謝し、ご冥福をお祈りするとともに、先生の機能的疾患に対する終生の取り組みが、次の世代に引き継がれることを願っている。

本学術集会では、将来の学会認定技師、認定医師の育成をめざして、毎回の放射線外科教育セミナーが開催されている。本テキストは学会教育セミナーの教本とすべく、学会委員を中心に、技術部門と治療部門の関係各位の先生方に執筆を担当していただいた。 忙しいなか執筆していただいた先生方に心より感謝する。

本テキストでは機種を超えた共通理解をはかるため、放射線外科としての特殊用語を統一したが、さらに線量計画のより正確な記載方法の統一が必要である。また、治療機器は年々改良され、治療方法や治療対象も日々変化しており、近い将来には改訂する必要があると思われるが、本テキストが放射線外科治療の健全な発展のための礎となれば幸いである。
放射線外科は、レクセル先生により脳の機能的疾患の非観血的治療として開発されたが、ガンマナイフでは当初より脳腫瘍(頭蓋咽頭腫)の治療も行われた。昨今の治療では悪性腫瘍とりわけ転移性脳腫瘍や頭蓋底腫瘍あるいは再発頭頸部腫瘍の治療にも貢献している。良性腫瘍や血管奇形の治療では、機能を保存する治療として定着し、治療困難な症例の治療適応が拡大している。カロリンスカ大学病院ガンマユニットグループのバックルント先生の言葉であるが、「複数の治療方法を習得した医師(医療チーム)により、治療法のバイアスに偏りなく、個々の症例に適した治療プログラムを作成できる」こととなった。先生は、ベルゲン大学(ノルウェー)を経て、リンシェーピング大学(スウェーデン)を退官後も、広い視野で放射線外科の発展を見守られている。バイアスに制限されない治療をめざしたバックルント先生の意志を継承したいものである。

放射線外科の各種治療機器にはそれぞれの特徴があり、機種に応じた利便性を有効利用するためには、機種間の相互理解が大切である。同一機種においても術者により使用方法に違いがあり、線量計画には術者のポリシーや術式が、ターゲットの設定、等線量、辺縁線量、重要領域の設定、分割回数等々に反映される。悪性腫瘍を治療対象とする通常の放射線治療では、治療の標準化が治療成績の向上に貢献するが、血管病変や良性腫瘍とりわけ機能的疾患の治療では、手術と同様に治療のポリシーや術式・技量・経験などが必要で、それなしに標準化することは困難である。熟練者の経験や手技を学ぶことは、合併症をなくし治療成績を向上させるために重要である。

本テキストでは各機種の特徴のみならず、線量計画から実際の治療について書かれてある。各術者(執筆者)の長年の経験から得られた治療法の解説である。時代とともに治療法にも変遷があり、今後より良い方法へと変わる可能性があるが、今までの治療経験をふまえたうえでのさらなる進歩を期待したい。各機種での治療結果を把握し、相互に切磋琢磨すべきポイントを理解することで、機種のバイアスを超えた治療の連携が可能になることを願いたい。

放射線外科治療では、術者の経験と技量が治療成績を左右するが、各種機器の出現により各々の特性を理解した技術の習得が重要となっており、手術と同様に合併症をなくすための技術の伝承が不可欠となりつつある。本テキストでは、執筆者に各論の各項で治療上の注意点についての記載をお願いした。これから放射線外科に携わる方々や、経験の少ない施設での治療の参考にしていただければ幸いであり、放射線外科テキストとしての役割が果たせることになるであろう。


2012年 1月

日本放射線外科学会理事長
井上 洋

目次

■総論

1章 放射線外科の歴史

2章 放射線外科の特徴

3章 各種放射線の特性

4章 放射線外科治療機器の特性と精度管理

A ガンマナイフ

B サイバーナイフ

C ノバリス

D トモセラピー

E 陽子線

F 重粒子線

5章 放射線外科線量計画と治療の実際

A ガンマナイフ

B サイバーナイフ

C ノバリス

D トモセラピー

E 陽子線

F 重粒子線

6章 放射線外科治療の注意事項、組織の耐容線量、合併症とその管理


■各論

1章 血管障害

1 脳動静脈奇形

2 硬膜動静脈瘻

3 症候性海綿状血管奇形

4 脊髄動静脈奇形

2章 脳腫瘍

5 髄膜腫

6 聴神経腫瘍

7 下垂体腺腫

8 頭蓋咽頭腫

9 膠芽腫

10 転移性脳腫瘍

11 悪性リンパ腫

12 脊索腫

3章 機能的疾患

13 不随意運動症

14 三叉神経痛

4章 頭頸部腫瘍

15 再発頭頸部癌

16 頸部リンパ節転移

17 上咽頭癌

18 中咽頭癌・口腔癌

19 鼻腔癌・副鼻腔癌

20 唾液腺癌

21 外耳道癌・中耳癌

5章 脊髄・脊椎腫瘍

22 転移性脊椎腫瘍

23 髄膜腫・神経鞘腫

24 脊髄髄内腫瘍

6章 肺

25 原発癌

7章 腹部

26 肝臓

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書籍情報

  • ISBN:9784840440196
  • ページ数:248頁
  • 書籍発行日:2012年2月
  • 電子版発売日:2012年12月8日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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