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CIRCULATION Up-to-Date Books11 真っ向勝負の大動脈弁狭窄症・閉鎖不全症

  • ページ数 : 224頁
  • 書籍発行日 : 2016年4月
  • 電子版発売日 : 2016年6月17日
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商品情報

内容

エキスパート6人が心臓弁膜症を多角的に解説!

大動脈弁疾患を診ているすべての医療従事者に向け、ガイドラインに基づいた内容で、診断・治療、その思考過程も熱く語られています。
エビデンス的な思考が7割 残りは哲学と情熱が詰まった一冊。

CIRCULATION Up-to-Date Booksシリーズ

序文

はじめに

"You'll never speak from heart to heart, unless it rises upfrom your heart's space."

--Johann Wolfgang von Goethe


高齢者を外来で診ていると,突然すごく大きく粗い収縮期雑音を聴取することがあります.聴診器を当てた瞬間から,"大動脈弁狭窄症"だとわかります.あらためて症状を聞くと,「少し動くと息が切れますが,齢のせいかもしれません」と言われるが,あきらかに大動脈弁狭窄症による心不全のようです.検査を進める上で,この高齢者に対して手術ができるかどうかが頭の中を駆け巡ります.いままでは,手術という選択肢しかありませんでした.最近は,カテーテル治療が利用できるようになり,選択肢が増えています.しかし,まだカテーテル治療は施設間の技術格差やデータの蓄積によるエビデンスの欠如といった問題点も指摘されます.超高齢社会をむかえたわが国において,大動脈弁疾患は増加します.循環器疾患に携わる循環器専門医,研修医,プライマリケア医は,大動脈弁疾患に対して「いまの時点で,どのように理解し,どのようにアプローチすればいいのか?」を考える必要があると思います.

従来の弁膜症の教科書では,ガイドラインに基づいた診断・治療はよくわかるのだけど,もう少し臨床現場に寄り添ってほしいと感じていました.特にカテーテル治療に関しては,今後のガイドラインに反映されていくべきです.そこで,本書を作成するにあたり,執筆者の先生たちには「いま,大動脈弁疾患を診ているすべての医療従事者向けに,ガイドラインに基づいた内容で,さらに足りない部分は先生たちの情熱と哲学で補ってください」と依頼しました.執筆陣は,私自身がお話させていただいた感触で,この方にぜひお願いしたいという先生を厳選しました.想いを伝えていただくにはこれくらいいるだろうと,一人あたり原稿用紙80枚前後という無理なお願いもしました.大動脈弁疾患の臨床像に関しては,名古屋大学の心不全グループのリーダーとして重症心不全の臨床に携わる奥村貴裕先生に,あくまで実践を念頭に置いて記述していただけるようお願いしました.ガイドラインについては,岐阜大学の西垣和彦先生にガイドラインとはそもそもなんぞやから,どのように読むべきかを,日本循環器学会の数々のガイドラインに携わられた経験から記述していただけるようお願いしました.検査法に関しては,三重大学で心不全グループのリーダーでありエコーラボの責任者でもある土肥薫先生に,臨床現場ですぐ使える検査としてお願いしました.カテーテル治療では,大動脈弁疾患のカテーテル治療は冠動脈と異なり,いまの時点ではまだ心血行動態的理解が必要であるという私の考えから,心血行動態に精通している九州大学病院の有田武史先生に,カテーテル治療の現在・過去・未来について述べていただきました.外科的治療に関しては,日本大学にて手術はもちろん驚くほどの講演や論文執筆をされている瀬在明先生に,どのように心臓外科の先生が外科的治療を行っているのか,思考過程も踏まえた記述をお願いしました.最後に,経皮的大動脈弁移植術(TAVI)が普及している米国の実情を知りたくて,米国でレジデントから始めて,現在Los Angeles のBeverly HillsにあるCedars-Sinai病院の循環器内科でFacultyをされている中村守男先生に,アメリカの現状についてエッセイのように書いていただきました.

みなさん,それぞれ違ったスタンスで書かれているのですが,情熱と哲学の詰まったおもしろい本になったと思います.大動脈弁疾患の診断治療にお役立ていただき,一人でも多くの患者の命あるいは活動性が守られることを願います.


2016年 2月

大西内科ハートクリニック院長
三重大学大学院医学系研究科循環器腎臓内科客員准教授
大西 勝也

目次

【第1章 奥村貴裕―臨床】

◆1 大動脈弁狭窄症の臨床像

・解剖と病態生理,そして診断,治療

◆2 大動脈弁狭窄症の進行と非心臓手術

・重症化を追う

◆3 大動脈弁閉鎖不全症の臨床像

・何を疑い,どう評価するか

◆4 大動脈弁閉鎖不全症の術後と特殊な病態

・原因となるさまざまな疾患

【第2章 西垣和彦―ガイドライン】

◆1 実践的ガイドラインの見方

・真の姿との正しいつき合い方を知っているか?

◆2 大動脈弁疾患のガイドライン

・用意すべきはこの2つ

【第3章 土肥薫―心血行動態と検査法】

◆1 大動脈弁狭窄症の重症度評価と検査の実際

・左室-大動脈弁-大動脈の相互関係から

◆2 大動脈弁狭窄症における左室後負荷の総合的評価

・左室圧-容積関係の視点から

◆3 大動脈弁閉鎖不全症の重症度評価と検査の実際

・心エコー療法とカテーテル法

◆4 大動脈弁閉鎖不全症における血行動態評価

・定量的評価法の利点と限界点

【第4章 有田武史―カテーテル治療】

◆1 進化するTAVI

・大動脈弁狭窄症におけるカテーテル治療のこれまでとこれから

◆2 それぞれの手技の実際

・見えてくる特徴と,これからの課題

【第5章 瀬在明―外科的治療】

◆1 大動脈弁疾患における大動脈弁置換術

・心臓外科医からの提言

◆2 大動脈弁疾患における人工弁の選択

・人工弁それぞれの特徴を知り選択する

【特別寄稿 中村守男―米国の臨床現場】

◆TAVR治療のいま

・Cedars-Sinai Medical Centerにおける大動脈弁狭窄症の治療


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書籍情報

  • ISBN:9784840457835
  • ページ数:224頁
  • 書籍発行日:2016年4月
  • 電子版発売日:2016年6月17日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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