保存版 慢性硬膜下血腫の診断・治療・手術 [動画付き]

  • ページ数 : 240頁
  • 書籍発行日 : 2017年3月
  • 電子版発売日 : 2017年12月28日
¥9,680(税込)
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商品情報

内容

いちばん簡単で、いちばん奥深い脳外科疾患を動画で学ぶ!

たかがCSDH、されどCSDH…。慢性硬膜下血腫を甘くみてはいけない!この疾患の不思議さ、奥深さを動画を交えて深く知ることが出来ます。日本では稀な疾患である「頭部銃創・刺創」も特集。

序文

慢性硬膜下血腫,ありふれた疾患に潜むもの

慢性硬膜下血腫は脳神経外科医にとって最も日常的な疾患の一つです.穿頭術でほとんどの患者さんの症状は改善するため,脳腫瘍や脳動脈瘤と違い,若い脳神経外科医もあまり本気で勉強する必要性も感じていないのが現状と思います.治療も先輩から教わった方法を踏襲するのみのことが多いように思います.私自身の経験からも,慢性硬膜下血腫の手術が自分自身の最初の手術でした.

その後,脳神経外科医として日常臨床で多くの慢性硬膜下血腫の患者さんたちの治療を経験するうちに,この疾患の不思議さ,例えば発生機序や増大機序など分からないことも多く,自分自身,勉強することとなりました.「不思議に思うこと」は研究心を刺激する一番の動機です.また,時に遭遇する難治性再発例,器質化症例,多房性症例,低髄液圧症候群に合併するものなど,治療に難渋する場合も多いことも知りました.高齢者に多い疾患のため,いわゆるfrailty状態の患者さんの外科治療となるために,思わぬ合併症に遭遇することもありました.自分の部下である若い脳神経外科医には「慢性硬膜下血腫を軽く見ていると酷いことになるぞ」と叱咤するとともに,術後管理を徹底するよう指導しております.

メディカ出版・「脳神経外科速報」誌から慢性硬膜下血腫に関する書籍の企画を依頼されたとき,正直なところ,誰も読まないのではないかと危惧しました.前述のように若い脳神経外科医の「ありふれた疾患」に対する興味は低く,あえて教科書など読まないことは自分の部下を見ていても分かっていたからです.しかし,「ありふれた疾患」に潜む問題点などを伝えていくことも大切と考えるとともに,若い脳神経外科医が気楽に読める雰囲気が必要ではないかと考え,いささか不謹慎ですが「漫画調」を取り入れました.先輩たちから「軽薄ではないか」とお叱りを受けそうですが,現在の若者があまり英語の成書を読まない傾向は彼らの医局の机を見るとお分かりになると思います.「気楽に」勉強して知識を得るほうが,何も勉強しないよりはマシです.そこで,多くの先生方に専門領域の原稿をお願いするとともに,現在脳神経外科領域の第一人者としてご活躍中の先生方に慢性硬膜下血腫に関する思い出やこだわりについて「コラム」として原稿をお願いした次第です.

昔のレコードにはA面とB面がありました.レコード会社はA面の歌が売れると思い販売するのですが,意に反してB面の歌がヒットすることがありました.今回,A面の「ありふれた疾患」の代表である慢性硬膜下血腫に対して,B面には「最も日本では稀な疾患」であり,いざ患者さんが来たときにあわてないために頭部銃創と頭部刺創の項を付録として付けることをメディカ出版にお願いしました.慢性硬膜下血腫と頭部銃創・刺創に関する教科書は日本では初めてではないでしょうか.この本を医局に置いていただき,日常臨床にお忙しい脳神経外科医の先生方に少しでもお役に立てれば望外の喜びです.

最後に,本書の発行において企画,編集,アドバイスなど多大なるご助力をいただいたメディカ出版の「修行僧のような風貌」の岡哲也様に感謝申し上げます.

防衛医科大学校脳神経外科学講座教授
森 健太郎

目次

推薦のことば 脳神経外科医を得意にさせる摩訶不思議な病気,慢性硬膜化血腫

序文 慢性硬膜下血腫,ありふれた疾患に潜むもの

執筆者一覧

WEB動画の視聴方法


【第1章 慢性硬膜下血腫概論】

〔コラム1〕慢性硬膜下血腫よもやま話―初学者のために

(1)慢性硬膜下血腫の疫学

(2)慢性硬膜下血腫被膜の分子生物学

(3)慢性硬膜下血腫と脳循環研究

〔コラム2〕たかがCSDH,されどCSDH

【第2章 非定型的慢性硬膜下血腫】

(1)慢性硬膜下血腫と内科的疾患―特に抗血小板薬・抗凝固薬とその対策

(2)認知症と慢性硬膜下血腫

(3)脳神経外科手術と慢性硬膜下血腫,その対策

(4)慢性硬膜下血腫と鑑別を要する疾患

〔コラム3〕やってはいけないこと,驚いたこと

【第3章 慢性硬膜下血腫の手術】

(1)手術の基本―脳神経外科医の登竜門

(2)One burr holeによる手術

(3)手術における工夫―経皮的硬膜下穿刺による「血腫と酸素の置換術」  

(4)経皮的硬膜下穿刺(青木式)の応用・合併症・効果   

(5)穿頭術に伴う合併症とその対策

〔コラム4〕慢性硬膜下血腫は実は危険な病気である

〔コラム5〕内視鏡支援下での血腫洗浄術

【第4章 再発性・難治性慢性硬膜下血腫の治療】

(1)再発因子とその対策

(2)再発防止のための治療・手術

(3)難治性慢性硬膜下血腫に対する脳血管内治療

(4)内視鏡を用いた多房性慢性硬膜下血腫の治療

(5)器質化慢性硬膜下血腫の診断と治療

(6)低髄液圧症候群に合併した慢性硬膜下血腫の治療指針

〔コラム6〕慢性硬膜下血腫を笑うものは慢性硬膜下血腫に泣く

【第5章 慢性硬膜下血腫の薬物治療】

(1)漢方薬を含む薬物治療

(2)トラネキサム酸を用いた薬物治療

〔コラム7〕慢性硬膜下血腫よもやま話

【Special Issue こんなときどうする? 頭部銃創,刺創】

(1)銃創

・A 銃(小火器)のお話

・B 頭部銃創:押さえておくべきポイント

・C 猟銃(散弾銃)による頭部外傷

(2)刺創


索引

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書籍情報

  • ISBN:9784840461450
  • ページ数:240頁
  • 書籍発行日:2017年3月
  • 電子版発売日:2017年12月28日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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