ER・ICUの薬剤121 ver. 2.0

  • ページ数 : 288頁
  • 書籍発行日 : 2018年7月
  • 電子版発売日 : 2018年9月21日
¥4,400(税込)
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商品情報

内容

実践知が詰まった薬剤本の“新”決定版!

ER・ICUの薬剤本の決定版がver 2.0に進化した!薬剤10点を新たに追加、また薬剤ごとのアプローチ・使い分け・考えかたを解説した「もっとわかるパワーアップポイント」も加わり、実践に生かせる知識がより凝縮された1冊に!編著者は看護師・研修医に絶大な人気の大野先生&志賀先生です!

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序文

はじめに

前書『ER・ICUの薬剤110』が出版され3年の月日がたち、新薬の追加や内容をブラッシュアップした上で『ER・ICUの薬剤121』として、前書を踏襲しながらも新たな知見を盛り込み改訂された本書をお届けします。

編者・執筆陣も全く同じメンバーで約3年の月日を経てひとつの作品を作り上げられたことは奇跡的なことだと思っています。前書では現場でばりばり働く新進気鋭の中堅医師だった執筆陣はさらに要職につかれ多忙の中、改訂作業を進めてくれました。

本書はERおよびICUでよく使われる薬について、日々奮闘するレジデント・ナース向けに使用する上でのポイントをまとめた本です。実際の現場で医師がなにを考えてその薬剤を選択しているかを重視し臨場感あふれる内容となっています。

国内を見わたすと、救急医療も集中治療の現場でも、必ずしも専従の救急医、集中治療医がおらず、各科の医師により運営されているER・ICUも多いかと思います。その中で、専従の救急医・集中治療医の視点から重要と思われる薬剤121を取り上げて、作用機序、実際の投与にあたっての注意点、薬剤の使い分け、実際のケースに至るまでコンパクトに解説しています。

主な変更点と各項目のポイントを見ていきましょう。

まず「0.心肺蘇生時に用いる薬剤」と「17.循環作動薬」について、田村有人先生に薬剤の各論とともに心肺蘇生ガイドライン・アルゴリズムおよびショックのアプローチについて解説してもらいました。

「1.解熱性鎮痛薬」では、忙しないERで発熱精査をどの時点まで詰めていくかについて、そして「2.静注鎮痛薬」では鎮痛補助薬および鎮痛評価について、吉田 暁先生に解説してもらいました。

「3.鎮静薬/筋弛緩薬」について新規のデクスメデトミジン、鎮静評価そして筋弛緩薬ロクロニウムについて取り上げました。また「20.抗痙攣薬」も鎮静薬の抗痙攣作用がある薬剤およびレベチラセタム内服・静注薬を追加し、てんかん重積状態(status epilepticus)へのアプローチについて、水 大介先生に解説してもらいました。

「4.鎮咳薬」は救急で対症療法として用いられますが、同時に原因検索について取り上げ、「9.吸入気管支拡張薬」については喘息重積、COPD急性増悪への初期対応について、御室総一郎先生に解説してもらいました。

「5.抗めまい薬」「6.制吐薬」についても対症療法として処方されることが多いと思います。抗めまい薬・制吐薬を使用しながら原因疾患をどのように検索するかについて、林 敏雅先生に解説してもらいました。

「7.抗ヒスタミン薬」は、蕁麻疹、なんらかのアレルギーが関与する病態で使用頻度が高く、1世代、2世代による違いと蕁麻疹として使用する場合とアナフィラキシーを考慮する場合についてのアプローチについて、そして「21.利尿薬」ではトルバプタンを追加するとともに心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群での実際的な使い方について、中村光伸先生に解説してもらいました。

「8.ステロイド」「27.血糖降下薬」(とくにインスリン)では、臨床現場での使いかた・ステロイドごとの換算について、そしてインスリン以外の血糖降下薬全般の作用機序についても大楠崇浩先生に解説してもらいました。

「10.抗菌薬」は経口・静注を含め、非常に広範囲におよぶ内容を①頻繁に使う抗菌薬、②抗MRSA薬、③抗緑膿菌薬、④代表的な感染症については具体的な微生物・抗菌薬処方に分けて、わかりやすく吉本 昭先生にまとめてもらいました。

「11.抗ウイルス薬」については多数の中での使い分け、そしてインフルエンザシーズンに処方する・しないの選択肢について、そして「25.止血薬」ではプロトロンビン複合体濃縮製剤、フィブリノゲン製剤も含め、緊急止血・抗凝固薬拮抗・外傷診療で必要なこれらの薬剤について、宮道亮輔先生にまとめてもらいました。

「12.破傷風予防薬」ではトキソイド、ガンマグロブリンとともに破傷風予防の実践について、そして「28.その他」としてシアン中毒での大量ビタミンB12を加えてさまざまな用途で使用される薬剤について、鶴和幹浩先生に解説してもらいました。

「13.血栓溶解薬」は脳梗塞を中心にとくに一刻を争って投与する必要のある薬剤であり、脳梗塞・肺塞栓での実際の使い方について、そして「26.拮抗薬」についても知っているか知らないかで大きな違いが出る部分です。これらについて、大下慎一郎先生にまとめてもらいました。

「14.抗血小板薬」についてチカグレロールを加え処置前・術前中止の際の考え方について、また「24.輸血製剤」についても救急医はなにを指標として投与しているかといった現場の生の視点も含め、松田知倫先生にわかりやすくまとめてもらいました。

「15.静注抗凝固薬」ではアルガトロバン、ナファモスタットを加え、「16.経口抗凝固薬」については新規経口抗凝固薬も含め、作用機序や使うポイントおよび処置前・術前中止する場合の考え方について小生が担当しました。

「18.血管拡張薬」については高血圧に対して用いられますが、とくに高血圧緊急症での使い分けも含め、菊池 忠先生に解説してもらいました。

「19.抗不整脈薬」について上室性頻脈・心室性頻脈へのアプローチとATP製剤を加え、多数ある抗不整脈薬の中から厳選した形で野村智久先生に解説してもらいました。

「22.輸液製剤」「23.膠質液・人工膠質液」については、日々の業務で使わない日がない薬剤ですが、意外と各製剤の違いに注意がいかないこともあります。酢酸加リンゲル液、重炭酸加リンゲル液を加え、これらの輸液製剤の違いを強調し、大屋聖郎先生にまとめてもらいました。

また第Ⅱ、Ⅲ章では、小児および妊婦・授乳中の患者への対応および使用できる薬剤・使用してはいけない薬剤の選びかた・使いかたのポイント−とくにERでの対症療法で用いる際の薬剤の処方例について、高野稔明先生と佐藤信宏先生にわかりやすくまとめてもらいました。

このような多数の執筆陣によるテキストを作るにあたり、一般的に編集者の知人や学会で各分野での著明な方々に原稿依頼することが多いかと思います。しかし前書はメーリングリストで執筆希望者を募って制作作業がスタートしました。つまり編集者と面識がない、まったく未知数の方々を中心に原稿を依頼する形をとりました。執筆された先生方の新鮮な視点と私とのやりとりの中で多くのマジックが十分に発揮され、メディカ出版の増刊としてたいへんな売り上げがあり広い読者層に読まれる結果となりました。

そして2017年秋に出版社から本書改訂について打診がありましたが、本の編集はかなりの労力を使うため私自身当初改訂について乗り気ではありませんでした。しかし前回同様の分担メンバーが快く改訂に応じてくれたことが私の肩を押してくれました。新規薬剤の追加や内容のブラッシュアップで何度も原稿のやりとりに応じていただいた各分担執筆者のみなさんにはとても感謝しています。

救急の現場に飛び込んだばかりの新人レジデント、ナースには導入の辞書代わりとして、ベテランナースのみなさんには日々の知識・技術の確認として本書を活用してもらえればうれしいです。

さらに、学生時代以来の再会を前書から共同編集という形で協力してくれた同級生であり優れた救急医である志賀 隆先生にお礼をいいたいと思います。そして本書の改訂にあたって現場の視点を見直すにあたり、日々現場に関わっている当院ER加藤亜由子師長、ICU/CCU梅津慎一・山口剛史主任、そして新規薬剤の追加・本書全体のアイデアについて2018年春までERに在籍していた水島将吾、藤田一成、加藤喜丈さんら男性ナース陣にお世話になりました。

最後にふだんの日常ICU業務に加えて本書編集に追われる日々の中、あまり家庭をかえりみない自分を、日差しの強い晴れの日も雨の日も風の強い日も昼も夜も、日々絶やすことのない笑顔で見守り続けてくれる妻有美に感謝したいと思います。


2018年5月 いつものICU奥にて

洛和会音羽病院 ICU/CCU
大野 博司

目次

Ⅰ章 ER・ICUでよく使う薬剤

(0)心肺蘇生時に用いる薬剤

総論

各論

 ・アドレナリン

 ・アミオダロン塩酸塩

(1)解熱性鎮痛薬

総論

各論

 ・アセトアミノフェン

 ・ロキソプロフェンナトリウム水和物

 ・ジクロフェナクナトリウム

(2)静注鎮痛薬

総論

各論

 ・ペンタゾシン

 ・フェンタニルクエン酸塩

 ・モルヒネ塩酸塩水和物

(3)鎮静薬/筋弛緩薬

総論

各論

 ・ミダゾラム

 ・プロポフォール

 ・デクスメデトミジン

 ・ケタミン塩酸塩

 ・ロクロニウム

(4)鎮咳薬

総論

各論

 ・デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物

 ・コデインリン酸塩水和物

(5)抗めまい薬

総論

各論

 ・ジメンヒドリナート

 ・クロルフェニラミンマレイン酸塩

(6)制吐薬

総論

各論

 ・メトクロプラミド

 ・ドンペリドン

(7)抗ヒスタミン薬

総論

各論

 ・d-クロルフェニラミンマイレン酸塩

 ・フェキソフェナジン塩酸塩

(8)ステロイド

総論

各論

 ・メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム

 ・ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム

 ・プレドニゾロン

(9)吸入気管支拡張薬

総論

各論

 ・サルブタモール硫酸塩

 ・イプラトロピウム臭化物水和物

(10)抗菌薬

総論

各論

 ・アモキシシリン水和物

 ・クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物

 ・セファレキシン

 ・レボフロキサシン水和物

 ・アジスロマイシン水和物

 ・アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム配合

 ・セファゾリンナトリウム

 ・セフトリアキソンナトリウム水和物

 ・セフェピム塩酸塩水和物

 ・タゾバクタムナトリウム・ピペラシリンナトリウム配合

 ・メロペネム水和物

 ・アミカシン硫酸塩

(11)抗ウイルス薬

総論

各論

 ・オセルタミビルリン酸塩

 ・ペラミビル水和物

 ・ラニナミビルオクタン酸エステル水和物

 ・ザナミビル水和物

 ・アマンタジン塩酸塩

 ・バロキサビル マルボキシル

(12)破傷風予防薬

総論

各論

 ・沈降破傷風トキソイド

 ・抗破傷風人免疫グロブリン

(13)血栓溶解薬

総論

各論

 ・アルテプラーゼ

 ・モンテプラーゼ

(14)抗血小板薬

総論

各論

 ・アスピリン

 ・クロピドグレル硫酸塩

 ・プラスグレル塩酸塩

(15)静注抗凝固薬

総論

各論

 ・ヘパリンナトリウム

 ・ヘパリンカルシウム

 ・ダルテパリンナトリウム

 ・エノキサパリンナトリウム

 ・フォンダパリヌクスナトリウム

 ・アルガトロバン水和物

 ・ナファモスタットメシル酸塩

(16)経口抗凝固薬

総論

各論

 ・ワルファリンカリウム

 ・ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩

 ・リバーロキサバン

 ・アピキサバン

 ・エドキサバントシル酸塩水和物

(17)循環作動薬

総論

各論

 ・ドパミン塩酸塩

 ・ドブタミン塩酸塩

 ・ノルアドレナリン

 ・ミルリノン

 ・バソプレシン

(18)血管拡張薬

総論

各論

 ・ニトログリセリン

 ・ニトロプルシドナトリウム水和物

 ・ニカルジピン塩酸塩

 ・アルプロスタジルアルファデクス

(19)抗不整脈薬

総論

各論

 ・ジソピラミドリン酸塩

 ・プロカインアミド塩酸塩

 ・リドカイン塩酸塩

 ・フレカイニド酢酸塩

 ・ランジオロール塩酸塩

 ・アミオダロン塩酸塩

 ・ベラパミル塩酸塩

 ・ジルチアゼム塩酸塩

 ・アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物(ATP)

(20)抗痙攣薬

総論

各論

 ・ジアゼパム

 ・フェノバルビタールナトリウム

 ・フェニトイン

 ・ホスフェニトインナトリウム水和物

 ・ミダゾラム

 ・プロポフォール

 ・チアミラールナトリウム

 ・レベチラセタム

(21)利尿薬

総論

各論

 ・フロセミド

 ・トラセミド

 ・アゾセミド

 ・トリクロルメチアジド

 ・スピロノラクトン

 ・アセタゾラミド

 ・トルバプタン

(22)輸液製剤

総論

各論

 ・生理食塩液

 ・乳酸加リンゲル液

 ・酢酸リンゲル液

 ・重炭酸加リンゲル液

 ・1号液(開始液)

 ・3号液(維持液)

 ・5%ブドウ糖液

(23)膠質液・人工膠質液

総論

各論

 ・5%人血清アルブミン

 ・25%人血清アルブミン

 ・ヒドロキシエチルデンプン130000

(24)輸血製剤

総論

各論

 ・人赤血球濃厚液

 ・新鮮凍結人血漿

 ・人血小板濃厚液

(25)止血薬

総論

各論

 ・トラネキサム酸

 ・エプタコグアルファ(活性型)

 ・静注用人プロトロンビン複合体製剤

 ・乾燥人フィブリノゲン

(26)拮抗薬

各論

 ・ナロキソン塩酸塩

 ・フルマゼニル

 ・スガマデクスナトリウム

 ・メナテトレノン(ビタミンK2)

 ・プロタミン硫酸塩

(27)血糖降下薬

総論

各論

 ・ヒトインスリン

(28)その他

各論

 ・オクトレオチド酢酸塩

 ・グルコン酸カルシウム水和物

 ・炭酸水素ナトリウム

 ・薬用炭

 ・ヒドロキソコバラミン(ビタミンB12)

II章 ERで小児によく使う薬剤と投与量

III章 ERで妊婦・授乳婦によく使う薬剤(または禁忌薬)、とくに対症療法


おわりに

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書籍情報

  • ISBN:9784840462969
  • ページ数:288頁
  • 書籍発行日:2018年7月
  • 電子版発売日:2018年9月21日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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