エキスパートに学ぶ 補助循環のキホンとトラブルシューティング

  • ページ数 : 192頁
  • 書籍発行日 : 2018年9月
  • 電子版発売日 : 2018年10月26日
3,520
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商品情報

内容

クリティカルケア領域に携わる看護師必携の一冊。

本書は、特に苦手意識が強いと思われる体外・補助循環に関する機器に焦点をあて、基礎知識から管理中のポイント、アラームの原因、対応策などを解説します。簡単な事例を通しながら知識の再確認も可能です。

序文

はじめに

近年,科学技術の発展に伴い医療技術の進歩も目覚ましく遂げており,医療の細分化,専門分化も進んでいます.このような背景から全身管理を行っていくうえで必要とされる種々の医療機器も開発・進化をしています.クリティカルケア領域においても例外ではなく,それに相応すべく,チーム医療の推進の観点からも集中治療領域に臨床工学技士を配置し,生命維持装置やその他の医療機器管理等を委任している施設も増えつつあるかと思います.もちろん,専門性や業務の効率化,安全性からも重要な分化であり,クリティカルケア領域に携わる看護師にとっても心強い存在となっているに違いありません.

その一方で,医療機器の操作を含め知識が希薄化していくことが懸念されます.あるいは,"医療機器に関しては臨床工学技士に委任しているからわからなくとも大丈夫・・・"と思ってはいないでしょうか.私たち看護師は,これらの生命維持装置,体外循環下で管理された患者を対象としており,全身状態としてどのように変化しているのか,医療機器は適切に作動しサポートできているのかをアセスメントし,そして患者に最良なケアを実践していく重要な役割も担っています.そのため,それぞれの機器の特徴や観察のポイント,異常時の対処法等について,ある程度理解しておく必要があるといえます.

種々の医療機器,生命維持装置がありますが,本書は特に苦手意識が強いと思われる体外・補助循環に関する機器に焦点をあてております.体外・補助循環には主に,①IABP(大動脈内バルーンパンピング),②PCPS(経皮的心肺補助),③ECMO(体外式膜型人工肺),④VAD(補助人工心臓),⑤血液浄化療法などがあげられます.

本書の構成としてPart1では,補助・体外循環を学ぶにあたって,根幹となる呼吸・循環の基礎知識として,モニタリングの意味や意義,データの解釈の仕方などについて解説しました.Part2~5では,IABP,PCPS・ECMO,VAD,血液浄化療法について,それぞれ原理から回路,管理中のポイント,アラームの原因から対応策について解説しております.Part6では,簡単な事例を通しながら本書を振り返り,知識の再確認ができるように構成してあります.

クリティカルケア領域に携わる看護師はもちろんのこと,これから学ぼうとする一人でも多くの方々に活用して頂き,疑問解決や臨床実践での一助になって頂けると幸いです.


土浦協同病院
看護部 看護副部長
集中ケア認定看護師
大槻 勝明

目次

Part1 補助循環のキホン

1 呼吸・循環の基礎知識

1. 呼吸・循環管理のアウトカム/2.酸素運搬を決定する因子/3.呼吸・循環体内酸素動態/4.酸素化の評価/5.A-aDO2をどう活用するか/6.循環の評価/7.心拍出量の評価/8.肺動脈カテーテル/9.循環動態モニタリングの活用と評価/10.混合静脈血酸素飽和度(SvO2)を基点とした治療アルゴリズム

Part2 IABP

1 原理と回路

1.バルーン/2.装置/3.拡張と収縮のタイミング/4.不適切なタイミング

2 管理中の観察のポイント

1.IABP駆動時および駆動中の確認/2.IABPのリスク管理/3.IABP施行中における合併症/4.IABPからの離脱

3 アラーム対応とトラブルシューティング

1.ヘリウムガスリーク/2.ガスライン閉塞/3.トリガー不能/4.バッテリー低下/5.ヘリウムガス低下

Part3 PCPS・ECMO

1 原理と回路

1.PCPS/2.ECMO/3.人工肺/4.遠心ポンプ/5.ガスブレンダーと酸素ボンベ/6.カニューレ/7.コーティング

2 装着の準備

1.PCPS必要物品/2.PCPS導入手順

3 管理中の観察のポイント(PCPS)

1.チューブ管理/2.ACT(活性凝固時間)/3.意識/4.呼吸/5.循環/6.体温/7.データ/8.心機能の評価/9.機器・回路・設定の確認/10.感染

4 管理中の観察のポイント(ECMO)

1.チューブ管理/2.ACT(活性凝固時間)/3.意識/4.呼吸/5.循環/6.データ/7.水分バランス/8.栄養/9.感染/10.患者・家族への対応

5 アラーム対応とトラブルシューティング(PCPS)

1.ポンプの停止/2.空気誤送血/3.ウェットラング/4.血漿リーク/5.回路内血液の色調/6.脱血回路の異常/7.遠心ポンプの異常

6 アラーム対応とトラブルシューティング(ECMO)

1.人工肺異常(酸素化不良)/2.リサーキュレーション/3.空気混入/4.血栓形成/ 5.回路からの出血・回路損傷/6.カニューレトラブル・抜去

7 PCPSとECMOともに注意したいこと

1.コンソールアラーム/2.人工肺異常/3.ガス流量の停止/高流量設定/4.回路内圧の異常/5.回路交換/6.プライミング/7.PCPS/ECMOの最新機種

Part4 VAD

1 種類と特徴

1.国内のVADの歴史/2.eVADの利点と欠点/3.iVADの利点と欠点

2 原理と回路

1.拍動流VAD/2.定常流VAD/3.ポンプの種類/4.遠心ポンプのメカニズム/5.軸流ポンプのメカニズム/6.定常流ポンプの誤解

3 管理中の観察のポイント

1.当院のVADに関連した施設状況と現状/2.VAD装着後の合併症/3.主要VADの機種ごとの観察項目

Part5 血液浄化療法

1 種類と特徴,原理・回路

1.血液透析(hemodialysis:HD)/2.血液濾過(hemofiltration:HF)/3.血液透析濾過(hemodiafiltration:HDF)/4.限外濾過(extracorporeal ultrafiltration method:ECUM)/5.単純血漿交換(plasma exchange:PE)/6.血液吸着(hemoadsorption:HA)/7.持続的血液透析濾過(continuous hemodiafiltration:CHDF)/8.血液浄化療法に用いる物品

2 管理中の観察のポイント

1.全身管理/2.体液管理/3.バスキュラーアクセス/4.カテーテル・回路/5.不均衡症候群/6.抗凝固薬の使用/7.ACT(活性化全血凝固時間)の測定/8.装置管理/9.患者への対応

3 アラーム対応とトラブルシューティング

1.よくみられるトラブルの原因/2.校正待機中/3.透析液(補液)液切れ検知/4.血液ポンプ制御中・脱血異常/5.入口圧異常/6.返血圧異常/7.空気誤入

Part6 事例で学ぶ補助循環

事例1

事例2①

事例2②

事例3

事例4

事例5

事例6

コラム

呼吸商と3大栄養素

混合静脈血酸素飽和度(SvO2

測定部位とSpO2ディレイタイム

中心静脈圧(CVP)は輸液反応性の指標になるか

血圧・心拍出量・血管抵抗の関係

肺動脈楔入圧が左心房圧を反映するのはなぜ?

肺動脈カテーテルの有用性について

なぜヘリウムガスを使用するの?

バルーンリークの際,ガス漏出が稀な理由は?

どの程度狭窄されるの?

血小板はなぜ減少するの?

RASS(Richmond Agitation Sedation Scale)


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書籍情報

  • ISBN:9784883786664
  • ページ数:192頁
  • 書籍発行日:2018年9月
  • 電子版発売日:2018年10月26日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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