生活を支える高次脳機能リハビリテーション

  • ページ数 : 100頁
  • 電子版発売日 : 2011年5月11日
¥1,980(税込)
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商品情報

内容

私たちが今日から実践できる対応法までをコンパクトにまとめた,看護師,リハスタッフ,そして医師の方,必読の一冊。「生活を支える高次脳機能リハビリテーション」の電子書籍版です。

序文

高次脳機能リハビリテーションの展望

脳損傷を受けた高次脳機能障害者は,ある日突然,病院のベッドの天井が見え,自分が頭の怪我や病気を患ったと悲嘆にくれる.そして,右の手足が動かない,言葉が出ない,理解できない,物が憶えられない自分を認識する.しかし,これは何かの間違いではないかと柔軟に対応しようとする.ところがどうもこれは間違いではない,自分は脳に傷を負ったのだと理解する.歩けないのであれば車いすを使って移動しよう,憶えられないのであればメモ帳を使おうと,失われた機能を代償し,生活を調整しようとする.そして,病気や怪我の事実と向き合い,それを受容しようとする.最も重要なのは,病気や怪我の前とは違う新しい人生の意味を見出し,新しいアイデンティティーを確立し,社会に自分の居場所を見つけ,社会に再統合されていく.この過程が,高次脳機能障害のリハビリテーションである.

高次脳機能障害のリハビリテーションは,結果として,患者自身に「人の気持ちがわかる心」を,周囲には「人を助けてあげたくなるような心」を,それぞれ育んでくれる.しかし,これは何も高次脳機能障害のリハビリテーションに限ったことではない.あらゆるリハビリテーションの意味がここに集約されていると筆者は考えている.だからこそ,高次脳機能障害のリハビリテーションは,決して病院や介護施設だけで行われるものではない.今日,明日から私たちが,社会で,地域でできることがあるはずである.

本書が,高次脳機能障害による問題を抱えたすべての人々にとって,自らができることを発見する一助になれば幸いである.

目次

高次脳機能リハビリテーションの展望

プロローグ

第1章 高次脳機能と向き合う

高次脳機能とは

神経心理循環

脳機能循環

高次脳機能に関する問題が疑われたら

まず何をすべきか

1.脳機能循環を整える

2.できること,できないことは何かを知る

人として向き合う

認知・行動リハビリテーション

1.認知・行動介入法

2.ポジティブな行動支援

3.機能的なコミュニケーション訓練

4.生活状況に応じた行動支援

5.ライフスタイルの変更

6.地域に基盤を置いた治療

コミュニケーションのために

1.コミュニケーションの目的

2.コミュニケーションに必要なことを整える

3.患者とのコミュニケーションのコツ

4.家族とのコミュニケーションのコツ

病相期に応じた対応

1.発症直後

2.急性期

3.回復期

4.展開期

急性期の安静について

薬の調節について

家族指導について

第2章 高次脳機能障害の診断と対応法

高次脳機能障害とは

診断の手順

疾患ごとの後遺症の特徴

定義・症状・サイン・対応法・患者指導等

1.易疲労性

2.発動性の低下

3.脱抑制

4.注意・集中力の低下

5.情報獲得力の低下

6.記憶障害

7.遂行機能障害

8.現実感の欠如

9.失見当識

第3章 高次脳機能の検査

スクリーニング

1.Mini-Mental State Examination(MMSE)

2.Frontal Assessment scale at Bedside(FAB)

注意・集中力のテスト

1.Trail Making Test(TMT)

記憶のテスト

1.三宅式記銘力検査

遂行機能のテスト

1.慶應版ウィスコンシンカードソーティングテスト(KWCST)

病識について

第4章 高次脳機能のリハビリテーション

高次脳機能リハビリテーションとは

高次脳機能リハビリテーションを始める前に

高次脳機能リハビリテーションの進め方

1.見当識訓練(失見当識の改善)

2.耐久力の向上(易疲労性の改善)

a.計算ドリル

b.漢字ドリル

3.抑制力の向上(脱抑制の克服)

4.発動性の向上(発動性の低下の克服)

5.注意・集中訓練

6.情報獲得力・記憶・まとめ力の向上

7.遂行機能訓練

第5章 リハビリテーション外来

集団認知行動プログラム『羅心盤』

『羅心盤』の特徴と期待される効果

1.『羅心盤』の効果

2.『羅心盤』における患者の回復のプロセス

『羅心盤』の準備(場所・人・物)

『羅心盤』の方法

1.「主役」の紹介

2.「短所」を挙げてもらう

3.「長所」を挙げてもらう

4.「明日へ」

『羅心盤』の実際―事例紹介

事例1.23歳 男性 脳外傷(びまん性軸索損傷)

事例2.32歳 男性 脳外傷(びまん性軸索損傷)

事例3.29歳 男性 脳外傷(軽症脳外傷)

事例4.50歳 男性 脳腫瘍術後

事例5.23歳 女性 脳外傷(前頭葉挫傷)

事例6.34歳 男性 脳梗塞

事例7.24歳 男性 脳外傷(びまん性軸索損傷)

事例8.27歳 男性 脳外傷(左半球全般の脳挫傷)

事例9.23歳 男性 脳梗塞(左側頭葉~後頭葉の損傷)

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書籍情報

  • ISBN:9784895903073
  • ページ数:100頁
  • 書籍発行日:Invalid date
  • 電子版発売日:2011年5月11日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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