脊椎脊髄術中・術後のトラブルシューティング 第2版

  • ページ数 : 366頁
  • 書籍発行日 : 2014年4月
  • 電子版発売日 : 2014年12月12日
¥13,200(税込)
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商品情報

内容

手術ですぐに役立つ実践書!

脊椎脊髄外科に関する様々なトラブルが生じたときの対処法をまとめた本書。髄液漏れのようにときどき起こるものから、大血管損傷のように一生に一度もないようなものまで幅広く取り上げています。
脊椎脊髄外科の専門医、認定医、指導医を志す整形外科医、脳神経外科医は必携の一冊です!

序文

第2版の序

書名に『トラブルシューティング』とあまり見かけい言葉.「トラブル?」と思って,この本を手に取ってださった方も多いと思います.パソコン用語では「トブル対処法」,本書では「術中・術後の合併症対策」といった意味です.

この本の初版は10 年ほど前に出版されましたが,まだに売れ続けています.

毎年,脊椎脊髄外科の指導医認定医を志す方が購入してくださっていると思っています.

実際には経験していなくても,起こり得る合併症にしては,耳学問だけでなく,あらかじめ対処法を考え手術に臨むことが必要です.本書では,多くの著者のくの経験が率直に述べられています.困ったときの対法が一冊にまとめて詳述されていることは大変に助かことです.サイズが比較的コンパクトなので,病棟に手術室にも持ち込みやすいことは利点です.いつでももが読めるように手術室に常備しておくこともよいでしょう.

今回の改訂により,さらに充実した内容になりました.これからも,トラブルシューティングとして,この本皆様のご要望に応え続けられることを期待しています.


2014 年4

編者を代表して
三井公彦



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初版の序

本書は脊椎脊髄外科に関するさまざまなトラブルが生じたときの対処法をまとめたものです.髄液漏のようにときどき起こるものから,大血管損傷のように一生に一度もないようなものまで取り上げました.

硬膜内腫瘍手術における合併症は4施設をまとめた345手術のうち,髄液漏が8.7%,神経脱落症状が4.3%,創感染,無菌性髄膜炎が1%,術後出血,椎骨動脈損傷,後彎変形,不安定性の増強などが0.5%でした.これらは脊髄手術を行う代表的な施設による結果です.したがって,手術に習熟するまで,これらの合併症がいつでも,もっと,起きうることはいうまでもありません.

私が髄内腫瘍の手術を始めた頃は,脊髄軟膜,血管の手術解剖はほとんど知られていませんでした.ある日,上衣腫の摘出術を行っていました.脊髄電位も術中から大きくなり,腫瘍の腹側へと順調に剥離が進んでいました.腫瘍の最大部位に近づいたとき,突然,脊髄の底から静脈血が噴き出し,術野があっという間に血液で埋まってしまいました.双極電気凝固も酸化綿による止血も無効でした.やむを得ず,単極凝固を一瞬かけたところ出血は止まりました.

ほっとしたのもつかの間,脊髄電位がぐんぐん下がり始め,10分後には消失しました.術後四肢麻痺,呼吸筋麻痺でした.このことがあってからいろいろ考え,手術解剖の研究も行い,止血法も経験を加えました.今では,あのとき,どこで何が起こったか,どのようにすればよいか,おおよそわかっています.

しかし,このことに対して具体的にどのようにしたらよいかを記述する機会が今までありませんでした.

本書にはこのような大きなことから小さなことまで,多くの方による苦い経験を踏まえた対処法が記載されています.脊椎脊髄外科をめざす方々の参考になれば幸いです.


2003年3月

編者を代表して
三井公彦

目次

Part. 1 脊椎脊髄手術における合併症の考え方・とらえ方

1 脊椎脊髄手術合併症の分類と発生頻度,予防の原則

Part. 2 トラブルシューティングの実際

1 血管損傷と出血対策

1 腰椎前方固定術の展開における血管処理と損傷時処置

2 椎骨動脈損傷―前方アプローチにおいて

3 椎骨動脈損傷―後方アプローチにおいて

4 腰椎後方ヘルニア手術における前方大血管損傷に対する処置

5 内視鏡下椎間板切除時の前方大血管損傷に対する処置

6 脊椎腫瘍摘出時における出血対策

7 髄内腫瘍摘出時における出血対策

8 脊髄硬膜外の血管解剖と止血操作

9 硬膜外静脈叢からの出血に対する処置

10 術後硬膜外血腫に対する処置

2 麻痺

1 術後脊髄麻痺への対応―総論1

2 術後脊髄麻痺への対応―総論2

3 胸椎後縦靱帯骨化症に対する後方除圧矯正固定術の実際―麻痺を回避するためには

4 術後神経障害に対する高気圧酸素治療

5 神経根障害と考えられる頸椎手術後のC5麻痺に対する処置と予防

6 神経根障害と考えられる頸髄後方除圧後上肢麻痺に対する予防と処置

7 椎弓形成術後のヒンジ損傷の発見と対策

8 脊椎手術術後の神経因性膀胱に対する処置

9 頸椎前方手術における反回神経麻痺と嚥下障害

10 術後の脊髄浮腫―再灌流によると思われる脊髄浮腫

11 覚醒テスト

3 感染

1 脊椎術後感染症の早期診断と治療

2 手術部位感染症の早期診断と治療

3 脊椎術後感染症の予防と治療

4 髄膜炎の治療―特に抗生物質の投与について

5 硬膜外膿瘍への対応

6 関節リウマチ脊椎病変の手術部位感染に対する対応

7 脊椎術後感染症に対する高気圧酸素治療

8 術後感染に対する陰圧閉鎖療法

9 脊椎instrumentation術後感染に対する処置―開放砂糖療法

10 脊椎instrumentation術後感染に対する処置―抗生物質入りフィブリン糊

11 脊椎instrumentation術後感染に対する処置―大網移植

4 硬膜損傷と髄液漏

1 硬膜損傷における髄液漏の対策

2 硬膜修復におけるVCS clipの応用

3 内視鏡手術時硬膜損傷の処置―パッチテクニック

4 術後髄液漏に対する経皮的くも膜下ドレナージ

5 術後髄液漏に対する自然治癒待機法

6 脊椎術後脳脊髄液減少症に対する処置

5 Instrumentation,implantに関する合併症

1 椎弓根スクリュー挿入時のlooseningに対する処置

2 胸椎椎弓根スクリューによる大動脈損傷とその処置

3 胸腰仙椎椎弓根スクリューによる神経障害とその処置

4 Instrumentによる血管損傷―環軸椎

5 Magerl法施行時の椎骨動脈損傷,神経損傷に対する処置

6 頸椎椎弓根スクリューによる神経・血管合併症

7 脊椎・脊髄ナビゲーション手術の現状とピットフォール

8 Instrumentation手術後の創離開に対する処置

9 Junctional kyphosisに対する予防と処置

10 Instrumentに伴う椎体骨折の予防と治療

11 後頭骨・頸椎固定術後の嚥下障害の予防と治療

12 Instrumentation failureとその処置

13 MISt手術のガイドワイヤーに関するトラブルの予防と処置

14 シャント術(S-Sシャント)に関する合併症とその処置

6 その他

1 咽頭・食道損傷,喉頭・気管損傷に対する鎖骨骨膜付き胸鎖乳突筋弁による再建術

2 食道瘻に対する頸長筋による修復術

3 術後乳び漏に対する治療法

4 術後肺血栓塞栓症に対する予防と初期治療

5 脊椎脊髄手術の術後痛に対する処置

6 術後せん妄に対する処置1

7 術後せん妄に対する処置2

8 採骨部痛に対する予防と処置

9 頸椎術後軸性疼痛に対する処置

10 手術体位による合併症に対する予防と処置

11 Halo pinの合併症とその処置

12 術中脊椎高位の誤認

Part. 3 リスクマネジメント

1 脊椎脊髄手術に関するリスクマネジメント総論

2 脊椎脊髄外科とリスクマネジメント

3 病院内でできるリスクマネジメントQ & A

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書籍情報

  • ISBN:9784895904728
  • ページ数:366頁
  • 書籍発行日:2014年4月
  • 電子版発売日:2014年12月12日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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