プライム脳神経外科 4 グリオーマ

  • ページ数 : 284頁
  • 書籍発行日 : 2018年4月
  • 電子版発売日 : 2019年6月26日
¥15,400(税込)
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商品情報

内容

手術は“想像力”と“愛”

シリーズ第4巻は、グリオーマの摘出に特化! グリオーマ手術の“哲学”や基本手技、よりscientificでよりsystematicな最新の手術支援装置、 念入りに解説した腫瘍摘出の極意など、DEEPな内容を大ボリュームでお届けします。

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序文

第4巻の序

今回,グリオーマの摘出に集約した本を編集させていただいた.

グリオーマの手術が学会で最初に大きく取り上げられるようになったのは,1995 年に長崎大学脳神経外科教授 柴田尚武先生によって開催された「第2 回脳腫瘍の外科学会」であると思われる.この学会のテーマは「グリオーマの外科」であった.ちょうど覚醒下手術がわが国に導入され,ニューロナビゲーションシステムが使用可能となり,グリオーマの手術を論理的に行おうという大きな潮流が動き始めた時であった.それから20 年以上が経過した.


本書では実際の臨床の現場ですぐに役立つように,大きく3 つのパートに分けた.まずはグリオーマ手術の基本的手技,続いて近年大きく進歩した手術支援装置,そして各腫瘍の存在部位別に摘出方法をまとめた.

第Ⅰ章 グリオーマ手術の基本的手技は,筆者(隈部俊宏)が担当した.脳神経外科医となって31 年,グリオーマ手術にどっぷり浸かって25 年が経過した.その中で考えてきた,グリオーマ摘出における極めて基本的な手技を,これからグリオーマの手術を開始する脳神経外科医にも理解できるように記載したつもりである.人間の考え方はある部分正しいものの,ある部分は偏り,また間違えている.したがって,記載してあることに反論をもって読み進めていただいて構わない.ただ,このパートの中で一言でも読者の記憶に残るものがあれば幸いである.

第Ⅱ章 手術支援装置に関しては,村垣善浩先生にまとめていただいた.村垣先生とはお互い医局長時代から20 年以上に渡って,同じくグリオーマ治療に没頭してきたが,村垣先生は,よりscientific,よりsystematic に手術支援装置の応用・開発・実用化を行ってきた.記載された内容は現時点でのまとめであり,さらに進化した内容が,それほど遠くない今後また発表されるに違いない.

第Ⅲ章 部位別グリオーマ摘出方法に関しては,それぞれの領域に「こだわりをもって手術にあたっている」,すなわち「エキスパート」と呼ばれてしかるべき先生方に執筆をお願いした.読者の皆様は学会等で直接執筆者の話を聞いて,手術を含めたものの考え方をある程度理解されていると推測するが,比較的狭い分野をこれだけのページ数を割いて文章として読むことはなかったはずである.逆に言うと,今回執筆していただいた先生方も,ここまで念入りにその部位の腫瘍摘出に関して,自分の考えを表出したことはなかったのではないであろうか.本文,写真,図ももちろん重要であるが,Memo,Pitfalls の言葉の中に執筆者の考えているポイントが隠されているようである.


しかし,まだまだグリオーマの摘出において伝えきれていないポイントや,解明しきれていないPitfalls がある.これらを引き続きまとめていくのが我々senior の役目であり,発見して解決していくのがjunior の仕事である.

何しろ,脳は複雑であり,学問には終点はないのであるから.


2018年4月

北里大学医学部 主任教授

隈部 俊宏

目次

第Ⅰ章

 グリオーマ手術の基本的手技

1.グリオーマ手術の考え方

 手術とは何なのか ?/グリオーマ摘出術とは何なのか ?

2.摘出境界決定

 グリオーマ摘出術後合併症/グリオーマの摘出境界決定方法

3.血管温存

 グリオーマ摘出における虚血病巣出現リスク/虚血病巣出現の実際/血管温存の基本/具体的な血管温存操作

4.止血・摘出

 止血操作/グリオーマ摘出 : 超音波外科吸引装置(CUSA)と脳べらの使用方法

第Ⅱ章

 手術支援装置

1.電気生理学的モニタリング

 運動誘発電位(motor evoked potentials:MEP)

2.覚醒下手術

 手術適応/検査所見/画像所見/術前・術中準備/機能別手技

3.ニューロナビゲーションシステム

 開発の経緯/ナビゲーションの原理と役割/術前・術中準備と誤差対策/Brain shift解決方法

4.術中CT/MRI

 機器の特徴/術中MRI(低磁場,高磁場それぞれの利点)/術中CT/術中MRIでの手順

5.蛍光診断(5-ALA, ICG)

 蛍光診断の原理と各種蛍光物質の特徴/蛍光診断・光線力学的診断の実際/5-ALAによる蛍光領域と組織診断の関係/光線力学的療法/将来的な展望

第Ⅲ章

 部位別グリオーマ摘出方法

1.前頭葉

 01_前頭葉解剖

前頭葉の解剖/脳溝と脳回の解剖/前頭葉の血管/皮質下線維の解剖

 02_Eloquent(awake, mapping)

手術適応/術前処置/体位と皮膚切開/手術手技

 03_Non-eloquent

手術適応/術前準備/体位と皮膚切開/手術手技

 04_中心前回

解剖/術前計画/症例提示

 05_弁蓋部

解剖/Insular segment(M2)/Opercular segment(M3)

 06_中前頭回

術前準備/皮膚切開と開頭/症例提示

 07_上前頭回

構造の特徴/術前検査/皮膚切開と開頭/上前頭回から帯状回,前脳基底部へ進展する腫瘍の摘出症例

 08_補足運動野

解剖学的特徴/機能/術前準備/皮膚切開と開頭/補足運動野腫瘍の手術手順

 09_帯状回

解剖学的特徴/機能および症状/術前準備/Zone別の留意点/ZoneⅡ~Ⅲ帯状回腫瘍の摘出症例


2.側頭葉

 01_側頭葉グリオーマ摘出術のための基本知識

側頭葉(主に外側部)の解剖と支配血管/側頭葉グリオーマに対する脳葉切除術/側頭葉における摘出境界決定法/優位半球における側頭葉グリオーマの覚醒下手術

 02_側頭葉内側部

鉤回近傍/海馬近傍/扁桃体近傍/大きな側頭葉内側部グリオーマ摘出


3.頭頂葉

 解剖/頭頂葉グリオーマの手術/頭頂葉障害による症状と覚醒下マッピング/手術適応と合併症/症例提示


4.後頭葉

 後頭葉における手術解剖/後頭葉の機能解剖/後頭葉グリオーマの外科的治療/側頭葉内側後方病変に対するアプローチ


5.島 : 島回グリオーマの手術

 島回および周辺の解剖/島回グリオーマ摘出戦略/症例提示


6.視路 : 視路毛様細胞性星細胞腫の手術

 発生部位/手術適応を決めるための大まかな分類/手術適応/単視神経腫瘍の鑑別/手術の目的/眼窩内単視神経膠腫の手術手技/再発時の治療方法


7.視床

 01_視床グリオーマに対する大脳半球間裂アプローチと機能解剖

外科的摘出術の適応/外科的アプローチ/まとめ

 02_High parietal transcortical & transventricular approach

手術適応・画像診断/手術に必要なモニタリング/手術


8.松果体・中脳被蓋・小脳山頂部

 解剖/Occipital transtentorial approach(OTA)/Infratentorial supracerebellar approach(ITSCA)


9.脳室系

 01_側脳室前角・側脳室体部

解剖/手術アプローチ/術前評価のポイント/術中補助手段/手術のポイント/組織診断ごとの注意点

 02_側脳室三角部・側脳室側角

解剖/側脳室三角部への手術アプローチ/側脳室側角への手術アプローチ―lateral approaches/三角部, 側角腫瘍摘出における注意事項―外側後脈絡叢動脈閉塞

 03_第三脳室

解剖/Interhemispheric trans-lamina terminalis approach/Interhemispheric transcallosal approach

 04_第四脳室

解剖/経小脳延髄裂到達法(trans-cerebellomedullary fissure approach)


10.脳幹部

 手術適応/治療法の選択/術中神経生理学的手技/手術


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書籍情報

  • ISBN:9784895905909
  • ページ数:284頁
  • 書籍発行日:2018年4月
  • 電子版発売日:2019年6月26日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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