発達障害の作業療法 実践編【第3版】

  • ページ数 : 312頁
  • 書籍発行日 : 2019年11月
  • 電子版発売日 : 2020年2月12日
¥4,180(税込)
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商品情報

内容

児童発達支援センター、学校教育分野における発達障害の作業療法についても網羅 !

主な改訂点として、運動障害を主訴とするもの、知的・行動障害を主訴とするものの療育上の課題をライフステージに沿って記述する項目を追加。また医療機関などから児童発達支援センター、学校教育へと拡がるOTの職域の現状を鑑み、「指導形態(職場)別」の項目も追加した。また旧版では「遊びと学習への支援」をまとめて解説したが、これからのOTにとって重要なテーマである「学習支援」を独立させ、OTが関わるべき支援内容について症例を随時織り込みながら明示し、IT用具を用いた学習支援も豊富に掲載した。発刊から約20年、学生にも臨床にも対応した王道の1冊。

序文

第3版 まえがき

第3 版の本書『実践編』で大きく変更された点は以下の通りである.

第Ⅱ章「作業療法における治療」では,運動障害を主訴とするもの,知的・行動障害を主訴とするものの療育上の課題をライフステージに沿って記述する項目を付け加えた.それは各ライフステージによって療育的はたらきかけの焦点を変化させる必要があるからである.

また作業療法士の職場が医療機関や児童福祉施設から児童発達支援センター,学校教育などへと広がっていることを踏まえて,指導内容の特徴を指導形態(職場)別に記述する項目も新たに追加した.

第2 版までは,「遊びへの支援が学習への支援の基盤を形成する」との視点から,「遊びと学習の支援」というタイトルで,遊びと学習が一つにまとめられて記述されていた.教科内容の指導は特別支援教育の専門家に委ねられるものであるとしても,それを支援するために作業療法士ができることも少なくない.学校教育で作業療法士が行うことのできる支援の内容を明確にするためにも,第3版では学習の支援を独立させ,第Ⅵ章「学業および学校生活への支援」として記述した.ここには,学習を容易にするさまざまなIT 機器の紹介も含まれている.

第Ⅶ章「問題行動の理解とその対処」では,作業療法士が早期から取り組むべき課題として強度行動障害への対処を改めて提起した.


2019年(令和元年)7月

著者を代表して
岩﨑 清隆

目次

第3版 まえがき

第2版 まえがき

初版 編者の序

第Ⅰ章 作業療法における評価

Ⅰ-A 作業療法評価の基本的理念

Ⅰ-A-a 治療の本質―自覚的, 意図的であること

Ⅰ-A-b 支援ということば

Ⅰ-A-c 評価の目的と手順

Ⅰ-A-d 共同作業としての評価過程

Ⅰ-A-e 相互作用としての評価と治療

Ⅰ-B 評価の手順

Ⅰ-B-a 第1段階―子どもとその家族に会う前にすること

Ⅰ-B-b 第2段階―面接

Ⅰ-B-c 第3段階―評価 (検査)の準備

Ⅰ-B-d 第4段階―評価の実施

Ⅰ-B-e 第5段階―評価のまとめ・評価の解釈

Ⅰ-B-f 第6段階―評価の総合と記述

Ⅰ-B-g 第7段階―治療プログラムの立案

第Ⅱ章 作業療法における治療

Ⅱ-A 治療の実施における基本理念

Ⅱ-A-a セラピストの障害に対する態度―治療主義と障害個性論

Ⅱ-A-b 時代の治療に対する考え方への影響

Ⅱ-A-c 子どもの障害の種類や程度が障害の理解に与える影響

Ⅱ-A-d 保護者の成熟の過程が障害の理解に与える影響

Ⅱ-A-e 福祉の整備度が障害の理解に与える影響

Ⅱ-B 学習の推進としての作業療法での治療

Ⅱ-C 治療・指導の目標と指導領域

Ⅱ-C-a 基本障害へのアプローチ

Ⅱ-C-b 生活技能へのアプローチ

Ⅱ-C-c 問題行動へのアプローチ

Ⅱ-D 作業療法における治療理論

Ⅱ-D-a 神経発達学的治療理論

Ⅱ-D-b その他の肢体不自由児の運動障害に対する治療法

Ⅱ-D-c 感覚統合療法

Ⅱ-D-d 認知発達を中心とした治療理論

Ⅱ-D-e 情緒・社会性を中心にした治療理論

Ⅱ-D-f 応用行動分析理論

Ⅱ-E 介入理論適用に関わる問題点

Ⅱ-E-a 根拠に基づいた推論の必要性―合理的な考え方

Ⅱ-E-b ある観念論の悲劇

Ⅱ-E-c 介入理論の選択における指針

Ⅱ-F 作業療法の心・技・体

Ⅱ-F-a 心 ― 一歩踏み込んだ取り組み

Ⅱ-F-b 技・体 ― 子どもの能力を見極め, 治療する能力

Ⅱ-G 指導形態・治療場所・治療の展開上の問題

Ⅱ-G-a 指導形態

Ⅱ-G-b 治療場所

Ⅱ-G-c 治療の展開上の問題

Ⅱ-G-d 治療の終了

Ⅱ-G-e 治療の効果判定

Ⅱ-H 治療の限界, 作業療法の限界

Ⅱ-I 職場形態によるはたらき方の違い

Ⅱ-I-a 学校関連施設

Ⅱ-I-b 障害児福祉の領域の事業

Ⅱ-I-c 訪問リハビリテーション

第Ⅲ章 生存と健康生活への支援

Ⅲ-A 睡眠と覚醒リズムの確立への援助

Ⅲ-A-a 睡眠と覚醒に関わる問題

Ⅲ-A-b 睡眠と覚醒リズムの発達

Ⅲ-A-c 重症児にみられる睡眠と覚醒状態

Ⅲ-A-d 睡眠・覚醒の問題への対処

Ⅲ-B 姿勢と移動の援助

Ⅲ-B-a 脳性まひ児の運動障害

Ⅲ-B-b 脳性まひ児の姿勢・運動の評価の視点

Ⅲ-B-c 痙直型両麻痺児への援助

Ⅲ-B-d 痙直型片麻痺児への援助

Ⅲ-B-e 痙直型四肢麻痺児への援助

Ⅲ-B-f アテトーゼ型四肢麻痺児への援助

Ⅲ-B-g 重症児への援助

Ⅲ-C 食事の援助

Ⅲ-C-a 摂食の意義

Ⅲ-C-b 摂食に関わる問題

Ⅲ-C-c 正常口腔機能

Ⅲ-C-d 摂食機能の発達

Ⅲ-C-e 摂食機能の評価

Ⅲ-C-f 脳性まひ児の食事指導

Ⅲ-C-g 精神発達遅滞児の食事指導

第Ⅳ章 生活の自立の支援

Ⅳ-A 排泄行動の援助

Ⅳ-A-a 排泄行動の自立の意義

Ⅳ-A-b 排泄指導の発達的準備 (レディネス)

Ⅳ-A-c 排尿の生理的メカニズム

Ⅳ-A-d 排便の生理的メカニズム

Ⅳ-A-e 排泄に作用する要因

Ⅳ-A-f 排泄に関わる問題

Ⅳ-A-g 排泄機能の評価

Ⅳ-A-h 排泄の指導

Ⅳ-B 更衣の援助

Ⅳ-B-a 着衣の意義

Ⅳ-B-b 更衣動作における発達的準備 (レディネス)

Ⅳ-B-c 更衣動作における問題および評価の視点

Ⅳ-B-d 更衣動作の指導

Ⅳ-C 生活を豊かにする道具―IT機器を中心に

Ⅳ-C-a 人を呼ぶ

Ⅳ-C-b 環境を制御する

第Ⅴ章 遊びへの支援

Ⅴ-A 遊びによる評価の可能性

Ⅴ-B 遊びの観察のポイント

Ⅴ-B-a 空間の処理

Ⅴ-B-b ものの処理

Ⅴ-B-c 模倣

Ⅴ-B-d 対人意識

Ⅴ-C 遊びの指導原則

Ⅴ-C-a 子どもの自発性をどうみるか

Ⅴ-C-b 治療的であり,遊びであること

Ⅴ-C-c 遊びを発展させる人とのやりとり

Ⅴ-D 遊びへの支援

Ⅴ-D-a 作業療法の治療手段としての遊び

Ⅴ-E 学業と遊びの発達の道すじ

Ⅴ-E-a 学業と遊びの発達の構造

Ⅴ-E-b ブロックA : 姿勢・移動能力のコントロール

Ⅴ-E-c ブロックB : 目と手の協調

Ⅴ-E-d ブロックC : 耳と口の協応

Ⅴ-E-e ブロックD : 自己と環境 (もの・人) の認識

Ⅴ-E-f ブロックE : イメージレベルの認識の高次化 (イメージ, 感情, 意図)

Ⅴ-E-g ブロックF : 概念レベルの認識 (概念の形成)

Ⅴ-F 指導目的別課題内容

Ⅴ-F-a 第一動作系列 : ① (背を) 伸ばす―② 支える―③ 屈む―④ 潜る―⑤ 渡る・走る―⑥ 登る―⑦ 弾む・跳ぶ―⑧ 踏ん張る―⑨ 蹴る―⑩ ぶら下がる

Ⅴ-F-b 第二動作系列 : ① 揺する・漕ぐ―② 受ける―③ 投げる・当てる―④ 回る―⑤ 転がる―⑥ (身体を) 回す―⑦ 背負う―⑧ 運ぶ―⑨ 同時にする―⑩ 向く―⑪ 真似る―⑫ 踊る

Ⅴ-F-c 第三動作系列 : ① 注意を向ける・気づく―② 向く―③ じっと見る―④ 目で追う―⑤ 手を伸ばす―⑥ 握る―⑦ 取る・つかむ

Ⅴ-F-d 第四動作系列 : ① 振る―② 叩く―③ 引く・抜く―④ 押す―⑤ 落とす・払う―⑥ 押さえる,貼る―⑦ 絞る

Ⅴ-F-e 第五動作系列 : ① (指で) 突く―② めくる―③ (指で) はさむ・刺す―④ 探る―⑤ つまむ―⑥ まさぐる―⑦ はがす

Ⅴ-F-f 第六動作系列 : ① 開ける―② はずす―③ ちぎる―④ 破る

Ⅴ-F-g 第七動作系例 : ① ひねる・回す―② 滑らす・ずらす―③ ねじる―④ 巻く

Ⅴ-F-h 第八動作系列 : ① (棒で) 突く―② すくう・かき回す―③ なすりつける―④ (棒で )ほじる―⑤ (道具で) 切る―⑥ (棒を) 振る―⑦ (棒で) ひねる

Ⅴ-F-i 第九動作系列 : ① 入れる―② 置く―③ 挿す・はめる―④ 通す―⑤引っかける―⑥ 積む―⑦ 並べる―⑧ 整える

Ⅴ-F-j 第十動作系列 : ① 離す―② 取り出す (出し・入れ) ―③ はめる・つなぐ―④ 組み立てる・組み合わす―⑤ 結ぶ・くっつける―⑥ 片づける

Ⅴ-F-k 第十一動作系列 : ① 打つ―② はじく―③ 振る

Ⅴ-F-l 第十二動作系列 : ① 見比べる・見分ける―② 合わせる―③ 見つける―④ (ものを) 覚える・ (場所を) 覚える

Ⅴ-F-m 第十三動作系列 : ① (指で) なぞる―② (目で) なぞる―③ (イメージで) なぞる

Ⅴ-F-n 第十四動作系列 : ① 耳をすます―② 聞き分ける―③ 語る―④ 歌う―⑤ (音・声で) 合わせる

Ⅴ-F-o 第十五動作系列 : ① そろえる・集める―② 分ける―③ 真似る―④ ふりをする―⑤ 演ずる (演奏する) ―⑥ つくる

Ⅴ-F-p 第十六動作系列 : ① 始める―② し続ける―③ 終わる―④ 順番にする―⑤ 止める (中断する) ―⑥ 繰り返す―⑦ 何もしないでいられる

Ⅴ-F-q 第十七動作系列 : ① 並べる・比べる―② 数える―③ 足す・引く―④ 測る

Ⅴ-F-r 第十八動作系列 : ① (法則性に) 気づく―② (法則性を) 導き出す

Ⅴ-F-s 第十九動作系列 : ① 動作を (他者に) 合わす―② 他者の気持ちがわかる―③ 相手の気持ちに合わす

第Ⅵ章 学業および学校生活への支援

Ⅵ-A はじめに

Ⅵ-B 障害児の学習の困難さとそのメカニズム

Ⅵ-B-a 注意集中力

Ⅵ-B-b 座位姿勢

Ⅵ-B-c 書くこと

Ⅵ-B-d 読むこと

Ⅵ-B-e 聞くこと

Ⅵ-B-f 計算すること

Ⅵ-B-g 学習で使用する道具の操作

Ⅵ-C 発達障害児の学校生活への支援

Ⅵ-C-a 給食場面での支援

Ⅵ-C-b 掃除

Ⅵ-D 学習を円滑に行うための用具選び―行為の目的と用具使用による可能性

Ⅵ-D-a 集中するための環境整備

Ⅵ-D-b 座ること

Ⅵ-D-c 書くこと

Ⅵ-D-d 読むこと

Ⅵ-D-e 聞くこと

Ⅵ-D-f 計算すること

Ⅵ-D-g 定規操作

Ⅵ-D-h コンパス動作

Ⅵ-D-i ハサミ動作

Ⅵ-D-j おわりに

Ⅵ-E 支援の実際

Ⅵ-E-a 事例1 : Aさん, 21モノソミーによる重症心身障害児, 女児, 中学生

Ⅵ-E-b 事例2 : Bさん, 脳性まひ, 四肢まひ, アテトーゼ型, 女児, 小学校高学年

Ⅵ-E-c 事例3 : Cさん, 脳性まひ, 重症心身障害者, 女性, 成人

Ⅵ-E-d おわりに

第Ⅶ章 問題行動の理解とその対処

Ⅶ-A 問題行動の理解とその対処

Ⅶ-A-a 問題行動への対処の重要性

Ⅶ-A-b 「強度行動障害」研究の概要とその成果

Ⅶ-A-c 原因, 機序

Ⅶ-A-d 治療法・支援法

Ⅶ-A-e 問題行動へ対処する基本姿勢

Ⅶ-A-f 問題行動への対処と障害者虐待防止法の波紋

Ⅶ-A-g 常同・自傷行為への対処

Ⅶ-A-h 泣くことへの対処

Ⅶ-A-i 破壊行動・他害行為に対する対処

Ⅶ-A-j 多動性に対する対処

Ⅶ-A-k 衝動性, 注意散漫に対する対処

Ⅶ-A-l こだわり行動に対する対処

Ⅶ-A-m パニックに対する対処

Ⅶ-A-n 偏食と丸のみに対する対処

Ⅶ-A-o いたずら・不潔行為に対する対処

Ⅶ-A-p 自己中心的行動に対する対処

第3版 あとがき

第2版 あとがき

初版 あとがき

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書籍情報

  • ISBN:9784895906715
  • ページ数:312頁
  • 書籍発行日:2019年11月
  • 電子版発売日:2020年2月12日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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