考えるER-SAMURAIプラクティス 改訂第2版

  • ページ数 : 512頁
  • 書籍発行日 : 2020年2月
  • 電子版発売日 : 2020年2月21日
¥5,500(税込)
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商品情報

内容

初版を出した2014年から日本の救急専門医は順調に増え,5,000人を超えるようになりました.ただし,明るい材料ばかりかというと実はそうではありません.今の20代の価値観は40代以上の価値観とは大幅に違ってきていて,「社会のために役立ちたい」「自分の可能性を試したい」という人の割合が低下する一方,「友人や家族との時間を重視したい」「金銭的な成功を」という人がどんどん増えています.
 このように刻々と変化する若手医師の環境や時代のなかにあって,「救急はどうやって魅力をアピールするか」を考える必要があります.その答えは,日本救急医学会の働き方改革のチームが示しているように,「人を救うには,まず自分が健康でなくてはならない」ということに尽きるのではないかと思います.
 本書には,救急医が健康であるためのコツとして「自身のマネジメント」「部門としての安全を実現する秘訣」「効率よく成長するためのエビデンスや研鑚の方法」など,多くの秘訣が詰まっています.救急レジデントや専門医が“健康に”救急診療を続け,魅力ある救急部門を作ることの一部にでも本書が寄与することを願って止みません.
(改訂版序文より抜粋)

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序文

初版を出した2014年から日本の救急専門医は順調に増え,5,000人を超えるようになりました.新専門医制度も始まり,救急の専攻医はERとICUの双方のしっかりとした研修を受けることになっています.また,各施設には研修プログラムが必要となり,定期的な教育カンファレンスやコンピテンシーに基づいた評価とフィードバックが行われるようになりました.これらをさらに改善していくことで,日本の救急医療の未来は明るいと考えます.

ただし,明るい材料ばかりかというと実はそうではありません.日本生産性本部の「働くことの意識」調査結果(51年間新入社員の意識調査をしています)が,そのことを端的に示しています.つまり,今の20代の価値観は40代以上の価値観とは大幅に違っていて,「社会のために役立ちたい」「自分の可能性を試したい」と回答する人の割合は低下しているのに対し,「友人や家族との時間を重視したい」「金銭的な成功を」という人の割合がどんどん増加しているのです.

「研修医は別なのでは?」と思う皆さんには,マッチング協議会が行っている医学生へのアンケート結果をご紹介します.

<研修医病院を選んだ理由>(※複数回答可)についての回答は,2005年(有効回答2,505名)では

・病院の実績や指導体制(1,603名

・プログラムの内容が良い(1,486名)

・実家に近い(945名)

・福利厚生等の待遇や環境が良い(395名)

となっていました.これが2019年(有効回答4,558名)になると,

・病院の実績や指導体制(2,893名)

・プログラムの内容が良い(2,754名)

・実家に近い(1,243名)

・福利厚生等の待遇や環境が良い(1,144名)

と,ジワリジワリと新入社員の意識調査と同様の変化が見られるようになってきています.

こうした状況のなか,「救急はどうやって魅力をアピールするか」を考える必要があります.その答えは,日本救急医学会の働き方改革のチームが示しているように,「人を救うには,まず自分が健康でなくてはならない」ということに尽きるのではないかと思います.

本書には,救急医が健康であるためのコツとして「自身のマネジメント」「部門として安全と"ホワイトな"働き方を実現する秘訣」「効率よく成長するためのエビデンスや研さんの方法」「ひやっとする症例にどうやって人気部門の指導医やレジデントは対応していますか?」などなど,多くの秘訣が詰まっています.内容もCBR社宮川様のお力を借りて,最新のエビデンスがふんだんに組み込まれるように1年以上かけてじっくりと見直してきました.

私は,このように刻々と変化する若手医師の環境や時代のなかにあって,救急レジデントや専門医が"健康に"救急診療を続け,あるいは魅力ある救急部門を作ることの一部にでも本書が寄与することを願って止みません.

私は,このように刻々と変化する若手医師の環境や時代のなかにあって,救急レジデントや専門医が"健康に"救急診療を続け,あるいは魅力ある救急部門を作ることの一部にでも本書が寄与することを願って止みません.


2020年1月吉日

志賀 隆

目次

推薦のことば

序文

編著者略歴

執筆者一覧

Ⅰ.救急医個人として知っておきたいこと

1)ERでの心得・プロフェッショナリズム

2)6 competencies 〜ERにおける研修カリキュラム

3)医師のQOL・疲労時の対処法

Ⅱ.より良い部門運営のために

1)問題患者への対応

2)法律関係

3)M&Mカンファレンス

Ⅲ.より良い救急システムのために

1)トリアージ

2)コンサルテーション

3)Disposition

4)電子カルテの利用

5)帰宅指示書について

Ⅳ.救急臨床力を磨こう

1)ERでの診断推論

2)Clinical Prediction Rule

総論 プレディクション・ルールを使おう!

各論

その① 膝外傷・足外傷

その② 小児の頭部外傷

その③ 頭部外傷

その④ 一過性脳虚血発作

その⑤ 失神

その⑥ 髄膜炎

その⑦ 咽頭炎

その⑧ 頸椎損傷

その⑨ 胸痛,急性冠症候群

その⑩ 心房細動

その⑪ 市中肺炎

その⑫ 肺動脈血栓塞栓症

その⑬ 上部消化管出血

その⑭ 急性虫垂炎

その⑮ 小児の発熱

3)ケース・スタディ〜ERに潜む落とし穴〜

Case1 Wellens症候群

Case2 閉鎖孔ヘルニア

Case3 網膜剥離

Case4 甲状腺クリーゼ

Case5 咽後膿瘍

Case6 抗ヒスタミン薬中毒

Case7 肺塞栓症

Case8 橈骨遠位端骨折

Case9 小児の尿路感染症

Case10 転換性障害

Case11 WPW症候群

Case12 壊死性軟部組織感染症

Case13 QT延長症候群

Case14 消化管出血

Case15 溶血性尿毒症症候群(HUS)

Case16 肘内障

Case17 Wallenberg症候群

Case18 糖尿病性ケトアシドーシス

Case19 タコツボ心筋症

Case20 急性心原性肺水腫

Case21 COPD急性増悪

Case22 過換気症候群

Case23 アナフィラキシー

Case24 化膿性椎間板炎

Case25 腸結核

Case26 ギランバレー症候群

Case27 腹腔内膿瘍

Case28 脳底動脈閉塞症

Case29 特発性急性硬膜外血腫

Case30 男性の尿路感染症

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