皮膚病診療Vol39, No.5(2017年5月号)

  • ページ数 : 102頁
  • 書籍発行日 : 2017年5月
  • 電子版発売日 : 2017年5月12日
¥2,640(税込)
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商品情報

内容

Vol.39 No.5【特集:発熱を伴う皮膚病】

本誌は「臨床医のための月刊皮膚病総合雑誌」を標榜しており、以下の7つを特徴としております。

1.毎号特集形式―実地診療に役立つ 2.カラー印刷―わかりやすく伝える臨床情報 3.多彩な執筆陣―全国にまたがるネットワーク 4.アンケート特集―実地医家の生の声を 5.学会ハイライト―日皮会総会、支部総会の情報を 6.座談会―著名な臨床家、研究家によるディスカッション 7.増刊号―通常号に加えてさまざまな情報を

このほか、読者の方からの意見や投稿を掲載する「声」欄も充実しています。

序文

最近のSLEに思うこと

従来のAmerican College of RheumatologyのSLE分類基準が,2012年に改訂された.Systemic Lupus International Collaborating Clinics(SLICC)分類基準というもので,最近出されたと思って いたが,もう5年も前になる.この間に,新しい基準は定着してきたのだろうか.新しく含まれる 皮膚症状が増えても,われわれの診断率が上がるわけではないだろうが,いくつか気になった点 があるので挙げてみる.まず思うことは,代表的な皮疹と極めてまれなものとが同じ重きで羅列 されている点である.これをみた他科医は同じような頻度でみられると勘違いしてしまうだろう. このような基準は,どうしても感度や特異度が焦点となり,より高いものを目指して改訂されて いく.ただし,基準を満たさないからSLEではない,というわけではないことを肝に銘じるべきで ある.にもかかわらず,相も変わらず診断基準とかガイドライン好きな皮膚科医が多い.きれい な蝶形紅斑があればそれだけでSLEと診断できるのが皮膚科医の醍醐味だと思ってきたが,診断 基準にこだわる人は,蝶形紅斑だけしかない患者を分類基準に満たないからSLEではなく皮膚エ リテマトーデスと考えるのだろうか.その時点で腎機能障害があろうとなかろうとSLEであり, 早期からしかも皮膚症状だけから自信を持ってSLEと診断できるのが皮膚科医であろう.

皮膚粘膜症状の項目をみると,急性皮膚ループスの症状に,TEN型皮疹や斑状丘疹状皮疹,亜 急性皮膚ループスなどが新しく含まれた.lupus-associated TENは,活動性が高いSLE患者には当 然多種類の薬剤が使用されるので,本当にSLEだけで誘発されたのか怪しいし,斑状丘疹状とい う言葉からイメージする皮疹は人によって違うかもしれない.LE tumidusにしても,光線過敏を 伴い露光部に好発するドーム状の結節や蕁麻疹様の局面でムチンが沈着するものと定義づけられ ているが,基底層の障害を欠き蛍光抗体直接法が陰性,抗核抗体陰性だと,何を診断の根拠とす るかわからない.lupus hairはびまん性に細い,もしくは脆い毛幹を持つ疎毛といわれているが, 果たして髪の毛をみてlupus hairと診断できるのだろうか.また,慢性のものとして,DLE以外に いくつかの特殊型が含まれているが,その中にLE/LP overlapがある.これは,筆者が皮膚科医に なって間もないころに,unusual variant of LE/LPという病名で症例報告が散見されたが,その後 次第に使われなくなった.扁平苔癬と円板状エリテマトーデスは,どちらも基底膜をアタックす るリンパ球の浸潤が特徴的な,似た病理組織学的所見を呈する.この病名が提唱された当時から 比べれば,特殊染色や蛍光抗体法などの進歩により両者の鑑別は可能となり,昨今使われること はまずなくなったと認識していたが, また復活したようである. 別々の場所に生じた場合, overlapという言葉を使わずに扁平苔癬を合併したSLEとしたほうがよい症例もあるだろう(乾癬 とSLEの合併がしばしばあるように).

さらに,活性化した好中球の浸潤による皮疹(non-bullous neutrophilic dermatosis,interstitial granulomatous dermatitis,膠原線維アタック型反応)やperi-orbital edemaは基準には含まれてい ないが,いずれも重要な皮膚症状である.皮膚筋炎と同様に,SLEの皮疹も多彩である.益々面白い.


山本 俊幸

目次

臨床例

肺炎球菌ワクチン接種による蜂窩織炎様反応

エドキサバン(リクシアナ)によるStevens-Johnson症候群

重篤な肝障害が遷延したStevens-Johnson症候群

免疫グロブリン製剤大量静注療法が奏効した中毒性表皮壊死症

肺障害を伴ったカルバマゼピンによる薬剤性過敏症症候群

壊疽性膿皮症の患者に発症したジアフェニルスルホンによる薬剤性過敏症症候群

表皮の個細胞壊死が著明であった成人発症Still病

scratch dermatitis様皮疹を伴った成人Still病の2症例

全身の膿疱,感音性難聴,視力障害で急速に発症したCogan症候群

乾癬様の臨床像を呈した川崎病

小膿疱を伴う紅斑を呈した川崎病

成人発症の川崎病

多発血管炎性肉芽腫症

巨細胞性動脈炎

英文抄録

editorial

最近のSLEに思うこと

topics

発熱を伴う皮膚病─最近話題の感染症─

川崎病の最近の動向─川崎病全国調査成績を中心に─

蝶の博物詩

生態23

学会ハイライト

最後の皮膚脈管・膠原病研究会─第40回研究会を終えて─

私の歩んだ道

恩師と友人に恵まれて

皮心伝心

ヒトと汗

診察室の四季

若葉風

皮膚科のトリビア

第143回

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書籍情報

  • ISBN:9784992000170
  • ページ数:102頁
  • 書籍発行日:2017年5月
  • 電子版発売日:2017年5月12日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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