ねころんで読める 悩める医療リーダーのための“ほぼ”エビデンス・ベイスト・リーダーシップ

  • ページ数 : 168頁
  • 書籍発行日 : 2019年9月
  • 電子版発売日 : 2020年5月12日
¥2,640(税込)
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商品情報

内容

世界先端研究によるリーダーシップの実践書

チーム・組織として仕事を行い、スピードが求められる今、リーダーシップが必要な場面が増えている。世界のリーダーシップ研究を元に、「今すぐ役立つ」リーダーシップの能力(資質)を解説。新しくリーダーになった人や今、悩んでいるリーダーの必読書。

序文

はじめに
本書の使い方 ―リーダーシップの学び方て

組織のリーダーとはどのような存在なのでしょうか。リーダーはどのようにふるまうべきなのかは、昔からの課題です。多くの場合「習うより慣れろ」で、個人の努力によってリーダーとして成長してきました。教科書などを読まなくても立派にリーダーをつとめている人は数多くいます。しかし現代は、チームとして組織として仕事を行い、しかもスピードが求められます。リーダーシップがいつまでも自己流の世界だと、次の人に伝えることができません。リーダーシップとはどのような能力(資質)であるのか、それは伝えていくことができるのかについては、膨大な研究が積み重ねられてきました。

リーダーシップ開発という分野も、日本ではまだこれからですが、欧米では長い歴史があります。しかも医療のリーダーシップという分野も確立されつつあり、分厚い教科書だけではなく定期的な研究雑誌も出されています。数年前には「グローバル・コンソーシアム」という多国籍団体が作られて、医療のリーダーシップについて国際的な標準化も始まることになりました。

本書では、こうした世界的な動きをふまえた上で、「明日からすぐ役に立つ」リーダーシップのノウハウを解説したいと存じます。リーダーシップは机の上の学問ではありません。実践です。リーダーシップとは何かという、重要ですが面倒くさい話はあとに回します。医療のリーダーはまず「何をすべきか」から始めます。

時間のない人は「第1部 実践編」だけを読んで下されば、だいたいわかります。

時間が確保できる人は、「第2部 理解編」の「医療のリーダーシップを概観する」と「マネージャー、コンピテンシー、パーソナリティ」をまず読んで、医療のリーダーシップの全体像と用語をしっかりとらえて下さい。それから「第1部 実践編」に戻ると、体系的に理解していくことができると思います。医療のリーダーシップの世界潮流を知るために、「第3部 資料編 グローバル・コンソーシアム:医療マネージャーのためのリーダーシップコンピテンシー」では、全文の日本語訳を掲載しています。本文と合わせて参照していただければ幸いです。

本書は、医療のリーダーシップ論の入り口に過ぎません。リーダーシップ論は広く奥深く底なしで、一生涯を費やしても終わらない分野だと思います。文献はそれこそ山ほどあります。次の段階に進みたい人のために、2つだけ重要文献を紹介します。

一つめが、金井壽宏『リーダーシップ入門』(日経文庫、2005)です。金井は日本のリーダーシップ研究の権威といえる存在です。この本には入門という謙虚な名称がつけられていますが、内容の濃さは教科書以上です。金井はこれまでのリーダーシップ論を下敷きに、日本の成功した経営者の持論も合わせて検討しました。少し前の出版になりますが、これからリーダーシップを学ぼうという人にとっての必読書です。

もう一つは、コミベズ『リーダーシップの探求―変化をもたらす理論と実践』(早稲田大学出版部、2017)です。最新のリーダーシップ教科書の日本語訳です。リーダーシップの全部が網羅されている、と言っても過言ではありません。

私は外科医から、医療安全の研究と実務にたずさわるようになりました。そして医療安全とは組織をマネジメントすることであり、結局はリーダーシップの問題であると考えるようになりました。医療安全はガバナンス(相互作用)の一種なので、ボトムアップで行うことはできません。トップダウンでも理念を末端まで浸透させることは困難です。組織の全員がその重要性に気づいて、全員がみずから主体的に行動しなければならないからです。まさに現代の「関係性の」リーダーシップそのものです。

私が勝手に名付けた「講演会場の埋まり方の法則」があります。それは「聴きたいコンサートは最前列から埋まるが、聞きたくない安全講演会は最後列から埋まる」というものです。組織の全員が能動的になり、リーダーシップが共有されるようになってこの法則が過去の笑い話になることを祈っています。


2019年7月

千葉大学医学部附属病院 医療安全管理部 教授
相馬孝博

目次

第1部 実践編 明日からできる医療リーダーのふるまい

1. 役割を引き受ける

「人から見られる立場になる」

2. ブリーフィング、ハドル、デブリーフィングを実施する

「リーダーは言葉で人を動かす」

3. 継続的に状況をモニタリングする

「リーダーはメンバーの声に耳を傾ける」

4. 自由に発言できるチーム文化を維持する

「リーダーは人間関係のハードルを下げる」

5. 計画し意思決定する

「意思決定には常に不合理性がつきまとう」

6. 他者を理解する異文化感受性

「『みんなちがって、みんないい』の精神のスタンスを持つ」

7. 自己開発(自省)

「明日はわが身を忘れない」

8. 医療環境とビジネス開発コンピテンシー

「医療の動向や経営に関する広範な知識を身につける」

9. ビジョン共有

「リーダーは言葉だけでなく背中も見せる」

第2部 理解編 リーダーシップ理論を展望する

1. 医療のリーダーシップを概観する

「リーダーシップは世界的な標準化が進んでいる」

2.マネージャー、コンピテンシー、パーソナリティ

「マネジメントとは組織の価値を高めること」

3.リーダーシップ研究の歴史(1) 特性理論からコンティンジェンシー(状況)理論へ

「リーダーの資質は先天的か後天的か」

4.リーダーシップ研究の歴史(2) 変革型リーダーシップとその周辺

「リーダーシップとは周囲との関係性である」

5.リーダーシップ研究の歴史(3) 気になるリーダーシップ理論(ミドルリーダー)

「リーダーは一番上とは限らない」

6.リーダーシップ研究の歴史(4) バウンダリー・スパニング(Boundary Spanning)リーダーシップ

「現在注目されているリーダーシップ論いくつか」

第3部 資料編 グローバル・コンソーシアム:医療マネージャーのためのリーダーシップコンピテンシー

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書籍情報

  • ISBN:9784840469159
  • ページ数:168頁
  • 書籍発行日:2019年9月
  • 電子版発売日:2020年5月12日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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