• ページ数 : 92頁
  • 書籍発行日 : 2018年4月
  • 電子版発売日 : 2020年5月13日
¥3,300(税込)
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商品情報

内容

本邦初、舞台医学(Stage Medicine)の専門書。演劇・音楽・舞踏など、舞台芸術の医学的対応を学術的かつ実践的にわかりやすくまとめた入門書。
舞台芸術にかかわる人たちの高度な技術、動作、より高いレベルを希求することによる過剰な身体的負荷をどのように医学的に管理すべきか、あまり知られていない実際のところをあますことなく伝えます。博多祇園山笠をはじめとした祭りの舞台医学も面白い。

序文

芸術活動は,人間が行うもっとも人間らしい活動であるといえます.舞台の上で繰り広げられる音楽や舞踊・演劇などのパフォーマンスは,人々に感動を与え,時に心を癒し,時に心を奮い立たせてきました.

一方,演奏者・演技者にはしばしば高度な技術・動作が要求されます.また,彼ら自らがより高いレベルを希求することにより,身体に過剰な負荷がかかる場合もあります.それらの反復や長期間にわたる継続は,身体に種々の障害をもたらします.また,舞踊・演劇などでは,激しい動きや転落などによる外傷も起こり,時に重大な傷害をもたらすことがあります.

スポーツ活動に伴う障害・外傷を対象とする「スポーツ医学」は,すでに世界的に1つの確立した医療・医学分野となっています.欧米では,スポーツ医学と同様に,音楽や舞踊・演劇などの舞台芸術に伴う医学的問題を対象とする「舞台医学(stage medicine)」が1つの医療分野として認知され,医学会なども設立されています.一方,わが国では,実際には音楽・舞踊等に伴う身体障害に悩む人は多く存在するにもかかわらず,舞台医学の社会的認知度はまだ低いといわざるを得ません.わが国においても,舞台医学にかかわる啓発活動や診療・研究体制の構築を進めていくことは急務であるといえます.

本書は,「舞台医学」を総合的に解説した本邦初の成書です.本書の出版には,わが国において先駆的に舞台医学に関与してきた医療者・研究者や,実際に芸術活動に伴う身体的問題に直面してきた芸術家の方々に参画していただきました.本書により,わが国における舞台医学の現状や課題が浮き彫りとなり,今後の診療体制の確立や治療・予防の進歩,そして社会的認知度の向上につながることを期待したいと思います.そして,多くの音楽家や舞踊家,役者や舞台表現者そして一般愛好家が,より楽しく快適に演奏・演技を続けることができ,より美しいパフォーマンスを発揮することに寄与できれば幸いです.

最後に本書の作成・発刊にご尽力いただいた新興医学出版社の林峰子代表取締役に感謝いたします.


2018年2月

山下敏彦,田中康仁,山本謙吾

目次

第1章 舞台医学とは

1.舞台医学入門

1.舞台医学のバックグラウンド

2.舞台医学とは

3.舞台医学の治療対象

4.スポーツ医学と舞台医学

5.舞台医学の現状と展望

2.わが国における「舞台医学」の現状と課題

1.舞台医学研究会の発足

2.舞台医学とは

3.舞台医学に関する近年の話題・事例

4.舞台医学の展望

第2章 舞台芸術に伴う外傷・障害への対応

1.音楽家の手(ミュージシャン ハンド)のメカニズム,診断,治療とリハビリテーション

1.楽器演奏による手の障害

2.一般手外科外来での診療における留意点

3.演奏による手の障害の治療

4.30歳,男性,ベースギター演奏者のケース

5. 8歳,女児,ピアノコンクールのケース

6.17歳,女性,クラリネット演奏者のケース

7.33歳,女性,ピアノ教師のケース

8.楽器演奏者の手指独立屈曲運動

まとめ

2.ダンスにおける足,足関節傷害のメカニズム,診断,治療とリハビリテーション

1.アキレス腱障害

2.足底腱膜炎

3.長母趾屈筋腱障害

4.後脛骨筋腱障害

5.疲労骨折

6.外反母趾

7.足関節前方インピンジメント症候群

8.足関節後方インピンジメント症候群

まとめ

3.パフォーミングアートによる膝関節外傷・障害のメカニズム,診断,治療とリハビリテーション

1.パフォーミングアート・舞台芸術と医学

2.バレエダンサーにおける下肢障害

3.パフォーミングアーティスト膝関節の外傷・障害とそのメカニズム

4.診断と治療

5.一次,二次,三次予防のためのリハビリテーション

4.一流バレエダンサーの前十字靭帯損傷事例にみる損傷のメカニズム,診断,治療,舞台復帰まで

1.受傷機転

2.診断

3.初期治療

4.手術治療

5.復帰

5.バレエダンサー3例における股関節痛と脊椎骨盤矢状面アライメントの関係:FAIとの比較

1.対象と方法

2.結果

3.考察

まとめ

6.身体運動科学から考えるダンス傷害予防の可能性

1.ダンスの身体運動科学的研究の歴史

2.ダンス傷害の危険要因

3.ダンス傷害発生の内的要因―ダンサーの身体・体力・心理―

4.ダンス傷害発生の外的要因―踊る環境・ダンスの動作特性・ダンスで使用する用具―

5.国内外におけるダンス傷害予防の取組

第3章 舞台芸術家の健康管理

1.舞台に役立つコンディショニング方法

1.環境因子の確認

2.準備しておきたい道具

3.姿勢と呼吸,基本動作のチェック

4.コンディショニングの実際

5.姿勢のコンディショニング

6.下肢のコンディショニング

7.休養と栄養

8.時差

まとめ

2.オペラ歌手の自己管理

1.クーリングの必要性

2.発声法のテクニック

3.歌うための呼吸法

4.オペラ歌手のダイエット

3.インタビュー「私と運動器」仲代達矢さん(俳優)

1.役者はアスリート,肉体の維持が大事

2.歩き方を変えて演じ分ける

3.生きている間は生き生き生きよう

4.インタビュー「私と運動器」松金よね子さん(女優)

1.時代劇の立ち居振る舞いは膝を痛めやすい

2.歳を重ねると体を鍛えるより故障を防ぐことが大事に

3.誰しもそれぞれの舞台がある.その舞台に復帰するために

4.痛くても舞台に出るために専門の整形外科に助けられた

5.けっして無理をしないで健康な自然体を心がける

第4章 祭りの舞台医学

1.博多祇園山笠

1.山笠とは

2.山笠のスケジュール

3.山笠のいでたち

4.山笠の動力システム

5.山笠に伴う事故と対策

2.長崎くんち

1.長崎くんちとは

2.スポーツ科学からみた長崎くんち

3.長崎くんちの舞台医学的分析

4.今後の長崎くんちと舞台医学の発展のために

3.YOSAKOIソーランに伴う下肢傷害の特徴と術後リハビリテーションの工夫

1.YOSAKOI歴2年の17歳女性

2.YOSAKOI歴2年の19歳女性

3.YOSAKOI歴3年の21歳男性

4.YOSAKOI歴2年の19歳女性(チームで優秀賞)

5.祭りの特性と傷害発生リスクの関係

まとめ


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書籍情報

  • ISBN:9784880027760
  • ページ数:92頁
  • 書籍発行日:2018年4月
  • 電子版発売日:2020年5月13日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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