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プライマリ・ケア医のための心房細動入門 全面改訂版

  • ページ数 : 304頁
  • 書籍発行日 : 2020年5月
  • 電子版発売日 : 2020年6月3日
¥4,400(税込)
ポイント : 80 pt (2%)
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商品情報

内容

2020年版ガイドラインを反映して全面刷新!
心房細動診療の疑問にわかりやすく答えます。
心房細動診療のエキスパートであり、プライマリ・ケアの現場で活躍する著者が、様々な疑問に答えます。循環器疾患を専門としていない臨床医や研修医を中心に、心房細動診療に向き合う、全てのプライマリ・ケア医の必携書。心房細動診療に関わる看護師や薬剤師、管理栄養士にも参考になる内容です。

序文

はじめに

2014年3月、日本循環器学会の「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013 年改訂版)」の発表と同時に、私にとって初めての著作である「プライマリ・ケア医のための心房細動入門」が出版されました。あれから、ちょうど6年。やはりガイドライン改訂直後、「2020年改訂版 不整脈薬物治療ガイドライン」が発表されてからすぐのこの時期に、ようやく全面改訂版をお届けすることができました。

この6年で、世界も人も大きく変わりました。そして今、世界はこれからどうなるのか、想像もつかない混沌の中にあります。

心房細動の世界も同様です。誰もの目につくのはテクノロジーの進歩でしょう。非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)とカテーテルアブレーションの普及により、心房細動治療は簡便になり、患者さんのQOL(quality of life)は明らかに改善しました。さらに今、ビッグデータとAI(artificial intelligence)の活用により、かなり早期の段階から心房細動を予測し発見する試みが実用化されようとしています。膨大なエビデンスと新しいテクノロジーは何かもう、まるで一つの生き物として、私たちを乗せてどこかへ運んで行ってくれるかのような錯覚にさえ陥ります。

しかし同時に、このテクノロジーの軌道に乗りにくい、もう一つの課題も浮上しています。心房細動患者さんの高齢化、ないしは「複雑化」です。こうした患者さんはもちろん、心房細動だけではない、複数の互いに絡み合った問題をたくさん抱えています。その網の目の中に紛れ込む心房細動だけを取り出してきれいにしたところで、問題は解決しません。そもそも、一体何が問題なのかも明確でないことさえ少なくありません。私たちは今、複雑で絡み合った世界を持つ患者さんを前にして、NOACやらアブレーションやらの新しいテクノロジーで、どうやったら問題を解きほぐせるかを考えて右往左往している。そうした現実があると思います。

私たちはここに来て、大きな発想の転換を迫られているのかもしれません。そもそも心房細動自体、目の前の患者さんにとって「問題」なのだろうか。たとえ「問題」だったとしても、エビデンスやテクノロジーとは全く別の方法で立ち向かえないだろうか。問題を「解決」しようと目指さなくても済むにはどうしたらよいのだろうか。

初版本の帯で「心房細動診療はリスクマネジメントだ」と声高に主張したのですが、6年の時を経て、心房細動(に限りませんが)の診療は「マネジメント」することや「闘う」ことではない、もっと柔軟で、曖昧で、患者さんとともに作り上げていくようなものでよいのではないかと思うようになりました。初版とのそうした違いもお楽しみいただければ嬉しい限りです。

今回も、ブログ「心房細動な日々」(https://dobashin.exblog.jp/)で取り上げた題材などを基に、2018 年5月から「日経メディカル Online」(https://medical.nikkeibp.co.jp/)で連載させていただいている「プライマリ・ケア医のための心房細動入門リターンズ」に大幅な加筆修正を行いました。ある診療所に短期研修に来た初期研修医と指導医の午後のカンファレンスというスタイルを取り、少しでも分かりやすく、実践的な内容をお届けしつつ、上記のような発想の大転換に少しでも迫れればという思いで書いています。

この本を執筆するにあたり、恩師の伊藤明一先生、当院の看護、事務スタッフ、多くのインスピレーションを与えていただいた日本医療福祉生活協同組合連合会家庭医療学開発センター長の藤沼康樹先生、推薦文を頂いた国立循環器病研究センター副院長・心臓血管内科部門長の安田聡先生、全ての患者さん、そして支えてくれた家族に心より感謝を申し上げます。最後に、連載から出版まで全てに渡ってご尽力いただいた、日経メディカルの安藤亮、江本哲朗両氏にこの場をお借りして深くお礼申し上げます。

本書が、多くのプライマリ・ケア医の先生方にとって、心房細動診療という「旅」の良きガイドブックになれば幸いです。


2020年4月
小田倉弘典

目次

第一章 総論

1 心房細動とは

2 心房細動診療の新しいアプローチ

第二章 心房細動を見つける

1 心房細動の診断~改めて「65 歳以上は脈を取る」のが大事な理由~

[さらに詳しく]心房細動の早期発見

[さらに詳しく]心房細動を予測する

第三章 脳梗塞を予防する抗凝固療法

1 抗凝固療法のリスク評価~「CHADS2 スコア0 点1点問題」を考える~

2 抗凝固薬の選び方

(1)絶滅危惧種?ワルファリンの使い道はここだ

[さらに詳しく]ワルファリン用量調節のコツ

[さらに詳しく]凝固系と抗凝固薬の基礎知識

(2)NOAC はどれか1つを使いこなせば「まずOK」

[コラム]背広を着た縄文人

3 抜歯、内視鏡、手術時の抗凝固療法~周術期のヘパリンブリッジはもういらない?~

[さらに詳しく]NOAC のモニタリングと切り替え法

4 虚血性心疾患合併心房細動の抗血栓療法~PCI 後の抗凝固薬・抗血小板薬併用はいつまで

5 心不全合併心房細動の治療~心房細動が先か、心不全が先か?~

6 左心耳閉鎖デバイス~「WATCHMAN」が威力を発揮する患者像~

特別編 不整脈薬物治療ガイドラインはここが変わった

第四章 複雑症例を考える

1 高齢者抗凝固療法の注意点~「出血に注意」だけでは不十分~

2 複雑症例でのNOACの使い方~腎機能低下・高血圧・多剤併用への対処~

3 服薬アドヒアランス~抗凝固薬の服用を怖がる患者にどう説明する?~

4 出血後の抗凝固療法~「原則再開」で本当によいのか~

[さらに詳しく]出血にどう対応するか

5 抗凝固薬をいつやめるか~抗凝固療法の意思決定支援の進め方~

第五章 症状を緩和する治療法

1 急性発作時の対応~初発心房細動にどう対応するか~

[コラム]基礎心疾患の確認を

2 レートコントロールとリズムコントロール

(1)発作を繰り返す患者にはどう対処すべきか

(2)レートコントロールの実際

(3)リズムコントロールの実際(薬物療法)

[さらに詳しく]心房粗動をどう扱うか?

3 カテーテルアブレーション~心房細動治療の第一選択か?~

おわりに

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書籍情報

  • ISBN:9784296106349
  • ページ数:304頁
  • 書籍発行日:2020年5月
  • 電子版発売日:2020年6月3日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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