ファーマナビゲーター 抗スクレロスチン抗体編

  • ISBN : 9784779225222
  • ページ数 : 210頁
  • 書籍発行日 : 2020年8月
  • 電子版発売日 : 2020年8月19日
  • 判 : B6変型
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥9,020 (税込)
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商品情報

基礎・前臨床におけるスクレロスチンの骨作用、ならびに抗スクレロスチン抗体がもたらす骨粗鬆症への影響と最新情報を網羅した一冊。

■ 序文

~スクレロスチンの発見から骨形成促進作用をもつ 新たな抗体医薬の創製まで~


スクレロスチンは2001 年に全身性の高骨量を示す硬結性骨化症(sclerosteosis)の原因遺伝子SOST がコードするタンパクとして同定された.また同様の高骨量を示すvanBuchem 病がSOST 遺伝子下流部分の大きな欠損によるスクレロスチン発現の低下を介してもたらされることも明らかとなった.そして,スクレロスチンは骨細胞特異的に発現し,古典的Wnt シグナルを伝達する共受容体LRP 5 / 6に結合してWnt シグナルを阻害することが示された.2008 年にはスクレロスチン欠損マウスが骨吸収の亢進がないまま骨形成の著明な促進により,海綿骨・皮質骨ともに著明な高骨量と骨強度の増加を呈するという,硬結性骨化症患者と同様の所見が示された.こうして,スクレロスチンが骨吸収に依存しない骨形成制御の鍵を握る因子であることが明らかとなり,その阻害による骨形成促進薬開発への道が開けた.

抗スクレロスチン抗体ロモソズマブの初めてのヒトへの投与は,第1 相プラセボ対照二重盲検試験として健常な男性と閉経後女性への6 用量の皮下注と2 用量の静注による単回投与の忍容性の検討として行われた.その結果,ロモソズマブは用量依存性に著明な骨密度増加効果を示すことが2011 年初頭に報告された.第2 相用量検討試験は,低骨密度の閉経後女性を対象に月1 回3 用量または3ヵ月に1 回2 用量を12ヵ月間皮下注によりロモソズマブが骨吸収を抑制しつつ骨形成を促進し,用量依存性に骨密度を増加させることが示された.この間,わが国でも第1 相および第2 相臨床試験が進められ,第3 相プラセボ対照二重盲検臨床試験として閉経後骨粗鬆症患者を対象に12ヵ月間ロモソズマブ 210 mg またはプラセボの月1 回皮下注後,12ヵ月間デノスマブ 60 mg を6ヵ月ごとに投与し骨折防止効果を検討したFRAME 試験にはわが国からも500 名近くが参加した.全体では優れた骨密度増加効果と椎体骨折抑制効果などが認められ,日本人サブグループでも有意ではないが同様に骨折の抑制傾向が認められ,2019 年3 月,世界に先駆けてわが国でロモソズマブの骨折の危険性の高い骨粗鬆症患者への投与が承認された.こうしてSOST 遺伝子の同定からわずか18 年で骨粗鬆症患者への臨床応用が達成されることとなった.

本書では,Wnt シグナルおよび骨代謝領域研究の第一線でご活躍中の先生方に参画していただき,Chapter 1 ではスクレロスチンの骨代謝調節作用の基礎知識を整理するため,スクレロスチンのOverview に続いて骨形成と骨吸収の制御,力学的負荷への反応,ホルモンによる発現調節およびWnt シグナル分子の異常と骨系統疾患について述べていただいた.Chapter 2 ではスクレロスチンの遺伝子改変マウス,骨粗鬆症などの疾患モデルマウスや骨折治癒過程における抗スクレロスチン抗体の効果などに関する動物実験成績についてまとめていただいた.そしてChapter 3では骨粗鬆症治療薬としてのロモソズマブの効果について,薬物体内動態,デノスマブとの逐次治療効果をプラセボ対照患者と比較したFRAME 試験成績,アレンドロネートとの逐次治療効果について高骨折リスク患者を対象とし検討したARCH 試験成績,そして,ビスホスホネート治療後の患者に対する効果をテリパラチドの1 年間投与と比較したSTRUCTURE 試験成績,男性骨粗鬆症患者に対する効果を検討したBRIDGE 試験成績,骨粗鬆症の治療目標の達成(goal-directed therapy)におけるロモソズマブ治療の位置付け,そして最後にARCH 試験においてアレンドロネート群との間にみられた重篤と判定された心血管系事象の発現率の不均衡とロモソズマブの安全性について,わが国の最新の市販後調査成績を含め紹介していただいた.

骨吸収は抑制しつつ骨形成を促進するというこれまでにない作用様式により,ほぼすべての部位の骨密度を増加させるとともに骨強度を高め,優れた骨折防止効果を発揮するロモソズマブに関する最新情報が網羅された本書が,骨粗鬆症の研究や臨床診療に携わる多くの読者にとってロモソズマブへの理解を深める一助となれば幸いである.


松本 俊夫
(徳島大学藤井節郎記念医科学センター 顧問)
中島 友紀
(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学 教授)

■ 目次

Chapter 1 スクレロスチンの骨作用:基礎

1 骨でのWntシグナルとスクレロスチン:Overview

2 スクレロスチンと骨芽細胞

3 スクレロスチンによる骨吸収の制御

4 スクレロスチンと力学的負荷

5 スクレロスチンとホルモン

6 Wntシグナル・スクレロスチンと骨系統疾患

Chapter 2 スクレロスチンの骨作用:前臨床

1 スクレロスチンの遺伝子改変マウス

2 多様な疾患モデル動物に対する抗スクレロスチン抗体の効果

3 骨折治癒過程に対する抗スクレロスチン抗体の作用

Chapter 3 抗スクレロスチン抗体ロモソズマブと骨粗鬆症

1 ロモソズマブの薬物体内動態

2 骨粗鬆症に対するロモソズマブ,デノスマブの逐次療法(FRAME試験)

3 骨粗鬆症に対する抗スクレロスチン抗体−アレンドロネートの逐次療法(ARCH試験)

4 骨粗鬆症に対するロモソズマブとテリパラチドの効果の比較(STRUCTURE試験)

5 男性骨粗鬆症に対するロモソズマブの有効性・安全性(BRIDGE試験)

6 骨粗鬆症に対するgoal-directed therapyとロモソズマブ

7 ロモソズマブ,デノスマブ投与後の逐次治療

8 ロモソズマブの安全性と心血管疾患

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