失語症Q&A 検査結果のみかたとリハビリテーション

  • ページ数 : 228頁
  • 書籍発行日 : 2013年6月
  • 電子版発売日 : 2020年11月6日
¥4,400(税込)
ポイント : 80 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

失語症検査結果の解釈の仕方から、1人1人の症状や介入時期にあわせた訓練教材の選び方、具体的な手技手法をQ&A形式で解説。失語症の言語治療に携わるST必携の1冊!

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

序文

本書は失語症の言語治療に関するトピックをQ&A形式でまとめている。多くの著者にそれぞれ得意なテーマについて論じていただいており,わが国における失語症言語治療の全貌を知ることができる。学会で興味深い発表を拝聴すると,その背景と展開を含めて論じてほしいと思うのだが,今回このような形で実現して誠に喜ばしい。失語症の臨床に関わる重層的な問題を異なった視点から捉えており,第Ⅱ章では訓練技法の視点から,第Ⅲ章では対象類型別に書いていただいている。したがって各種の言語知識に対する訓練法についてその概念と実際の適用について理解することができる。さらに当事者や家族から求められることの多い社会的支援に関するトピックも取り上げた。失語症者の社会的支援については,復職率に端的に示されるように,未だ十分な成果が上がっていない。この分野への失語症専門家の進出が期待されている。一方,基礎疾患や神経生理学的メカニズムについては取り上げられていない。これらの問題については『高次脳機能障害Q&A症候編』『高次脳機能障害Q&A基礎編』(河村 満,編著)に詳しく,今回は取り上げなかった。

わが国の失語症言語治療も量的に大分充実してきた。パイオニアの時代にあっては言語治療を受けること自体が貴重であり,専門家は尊重されてきたが,今や他のあらゆるサービス業と同様に利用者からその有効性が問われ,さらなる質的量的拡大が求められている。失語症を単に医学的治療の対象として扱うばかりではなく,生活に対する保障までも含めた対策が期待されている。今後の言語治療は神経科学的な技術が取り入れられることになろう。いずれにしても言語症状を詳細に捉えることが適切な刺激・反応の促進の前提になる,という点では従来からの認知神経心理学的アプローチが基礎になる。個々の言語知識の上では統語論および語用論レベルの訓練技法について何人かの著者に解説していただいている。現状からの展開を期待する分野である。

末筆ながら失語症臨床にとって有意義な書籍の出版を企画下さり,編集の労を執られた株式会社新興医学出版社代表取締役林峰子氏,編集部岡崎真子氏に心よりお礼申し上げる。


2013年3月

川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科
種村  純

目次

第Ⅰ章 失語症の症状と検査結果のみかた

Q1 失語症タイプ診断の進め方を教えてください。 (高倉祐樹,大槻美佳)

Q2 包括的失語症検査(SLTA,WAB,失語症鑑別診断検査)成績の解釈の仕方と言語治療に

   生かすみかたを教えてください。 (藤原加奈江)

Q3 コミュニケーション能力に関する検査(CADL,重度失語症検査)成績の解釈の仕方と

   言語治療に生かすみかたを教えてください。 (中村 光)

Q4 語彙処理能力検査(失語症語彙検査,SALA失語症検査,標準抽象語理解力検査)成績の

   解釈の仕方と言語治療に生かすみかたを教えてください。 (奥平奈保子)

Q5 失語症の掘り下げ検査(失語症構文検査,トークンテスト,SLTA補助テスト,

   語音弁別検査,モーラ分解・抽出検査)成績の解釈の仕方と言語治療に生かす

   みかたを教えてください。 (佐藤幸子)

第Ⅱ章 失語症の訓練技法,訓練の進め方

Q6 発症直後,急性期の対応方法について,教えてください。 (吉野眞理子)

Q7 言語症状に応じて,言語訓練課題を選ぶときの基本的な考え方を教えてください。  

  (水田秀子)

Q8 言語モダリティ別の訓練課題を教えてください。 (大塚裕一)

Q9 呼称障害が生じる原因の違いによって訓練の進め方をどのように変えたらよいでしょうか。

  (森加代子,中村 光)

Q10 単語の訓練は進んでもその後文を話す訓練は,どのようにして進めたらよいでしょうか。

   (伊澤幸洋)

Q11 失語症者に対する語の音韻的知識に関する訓練の進め方を教えてください。

   (田中須美子)

Q12 失語症者に対する語の意味的知識に関する訓練の進め方を教えてください。 (田中春美)

Q13 失語症者に対する文法(レキシカル,統語,形態,音韻)障害の訓練の進め方について

   教えてください。 (渡辺眞澄)

Q14 失語症者に対する文字の知識に関する訓練の進め方について教えてください。

   (新貝尚子)

Q15 全失語,重度失語の患者さんに対する心理的対応法,受動的発話の生かし方

   について教えてください。 (塚本能三)

Q16 失語症者を対象としたグループ訓練の目的と進め方を教えてください。

   また,グループ訓練の具体的な課題について教えてください。 (中村やす)

Q17 行動変容法,刺激促通法,機能再編成法,認知神経心理学的方法などの言語治療法の

   考え方について教えてください。 (種村 純)

Q18 重度失語症者のコミュニケーションの評価の視点と,訓練について教えてください。

   (森田秋子 )

第Ⅲ章 対象(障害)別言語治療のポイント

Q19 ことばの聞き取りや理解に障害を示す失語症者(Wernicke失語)に対する

   評価のポイント,言語治療の組み立て方や技法について教えてください。 (中川良尚)

Q20 発話がたどたどしい失語症者(Broca失語)に対する評価のポイント,言語治療の

   組み立て方や技法について教えてください。 (田村 至)

Q21 重度でことばの理解も話すことも障害されている失語症者(全失語)に対する評価の

   ポイント,言語治療の組み立て方や技法について教えてください。 (鈴木則夫)

Q22 ことばの言い誤りが目立つ失語症者(伝導失語)に対する評価のポイント,

   言語治療の組み立て方や技法について教えてください。 (宮崎泰広)

Q23 意味の理解が悪い失語症者(超皮質性失語)に対する評価のポイント,言語治療の

   組み立て方や技法について教えてください。 (浦野雅世)

Q24 文字が書けるが読むことのできない失語症者(純粋失読)に対する評価のポイント,

   言語治療の組み立て方や技法について教えてください。 (森岡悦子)

Q25 読むことが困難な失語症者(表層失読,音韻失読,深層失読)に対する評価のポイント,

   言語治療の組み立て方や技法について教えてください。 (佐藤ひとみ)

Q26 失語症は軽度であるが,読み書きに障害が強い失語症者(失読失書)に対する評価の

   ポイント,言語治療の組み立て方や技法について教えてください。 (遠藤佳子)

Q27 文字を読めるが書けない失語症者(純粋失書)に対する評価のポイント,言語治療の

   組み立て方や技法について教えてください。 (福永真哉)

Q28 アナルトリーないし発語失行に対する評価のポイント,言語治療の組み立て方や

   技法について教えてください。 (中野明子)

Q29 小児失語に対する評価のポイント,言語治療の組み立て方や技法について教えてください。

   (宇野 彰)

Q30 右半球コミュニケーション障害に対する評価のポイント,言語治療の組み立て方や

   技法について教えてください。 (植谷利英)

Q31 外傷性脳損傷によるコミュニケーションの障害に対する評価のポイント,言語治療の

   組み立て方や技法について教えてください。 (山里道彦)

Q32 認知症によるコミュニケーションの障害に対する評価のポイント,言語治療の

   組み立て方や技法について教えてください。 (小森憲治郎,谷向 知)

第Ⅳ章 コミュニケーション・社会適応への介入方法

Q33 失語症の患者さんとコミュニケーションをとる方法について,家族や他職種の

   スタッフへのアドバイスも含めて,教えてください。 (田村洋子)

Q34 高次脳機能障害者における談話評価の方法について教えてください。 (小坂美鶴)

Q35 失語症および認知コミュニケーション障害者に対する会話分析の実際について

   教えてください。 (吉田 敬)

Q36 失語症者のための拡大代替コミュニケーションにはどのようなものがありますか。

   (吉畑博代)

Q37 失語症はどこまで回復しますか,また言語治療によって回復水準がどのように

   変わるのでしょうか。  (能登谷晶子)

Q38 失語症者の社会復帰に向けて,どのような対象にどのような対応が必要なのか

   教えてください。 (立石雅子)

Q39 失語症者の外出や他人との交流の機会を増やすための方法,対策について教えてください。

   (小林久子)

Q40 失語症者にとって有効な社会資源について教えてください。 (宇野園子)

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:9.2MB以上(インストール時:25.3MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:36.9MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:9.2MB以上(インストール時:25.3MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:36.9MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784880027418
  • ページ数:228頁
  • 書籍発行日:2013年6月
  • 電子版発売日:2020年11月6日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。