一歩先の透析医療~理論と実践~

  • ページ数 : 272頁
  • 書籍発行日 : 2020年11月
  • 電子版発売日 : 2020年11月6日
¥4,620(税込)
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商品情報

内容

臨床の現場で一通り透析を理解している透析医療者が次のステップを踏み出すために役立つ内容を中心としながら,根拠や沿革・理論的背景についての概要とガイドラインを補完する執筆者の経験を基にした解説で現場のニーズに応える1冊.血流量の設定やシャント対策などから,透析患者のうつ,透析に拒否的な患者対応,終末期まで難しいケースに直面した時のエキスパートの対応から学ぶ超実践的知識.

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序文

本書の刊行にあたって

透析に関する書籍は医学書の中でも売れ筋の一つらしく,現時点でも結構な数の書籍が出版されています.一つには透析医療が大学の医学部や看護師の養成校であまり取り上げられておらず,一般の医療者にとって敷居の高い分野ということがあるのかもしれません.


透析に関する書籍の企画を中外医学社から提案された時,最初はこれだけの透析に関する書籍が出ているのに似たようなものを作っても意味はないのではないか,という否定的な考えでした.ただ中外医学社の担当者と打ち合わせをして色々調べていくうちにわかってきたのは,透析を取り扱った書籍は初心者向けの本やマニュアル本が多くを占め,また一方で学術的な本もある中で,臨床の現場で一通り透析を理解している透析医療者にとって,次のステップを踏み出すために役立つ透析の臨床に関する本がやや不足しているのではないか,ということでした.


そこで本書は「一歩先の透析医療」という多少仰々しいコンセプトを掲げ,一通り透析医療の基本を理解している医師,看護師,臨床工学技士などの透析の臨床家を対象に,実践に役に立つ内容を目指しました.現場における実践のための内容を中心としておりますが,それぞれの項目で,根拠や沿革,理論的背景について読めば,一通りの概要がわかる,というちょっと欲張りなものを目指しました.


執筆は透析医療の現場で最新の理論を踏まえて実際に臨床をされているエキスパートの先生方にお願いしました.大変お忙しい中,それぞれ難しいテーマをエビデンスに基づいてわかりやすい内容に仕上げていただいたことに心より御礼申し上げます.手前味噌ながら大変ユニークな内容の本になったと自負しております.本書が透析の臨床に携わる医療者の問題解決につながればこれに勝る喜びはありません.


最後に,本書の企画から完成に至るまで,熱心に編集作業をしていただきました上岡里織氏,稲垣義夫氏をはじめ中外医学社の方々に深謝申し上げます.


2020年9月

山川 智之

目次

I 透析管理の基本と実践

1.血圧の管理  〈奥野仙二〉

 1.概要  

 2.血圧と生命予後

 3.家庭血圧 

 4.脈圧と生命予後 

 5.血圧の管理目標 

 6.高血圧治療の意義 

 7.非薬物療法

 8.薬物療法  

 9.透析関連低血圧  

2.リンとカルシウムの管理  〈谷口正智〉 

 1.P管理

 2.Ca管理

 3.P,Ca,PTHを総合的に考える

3.血流量の設定  〈陣内彦博,秋葉 隆〉 

 1.日本の標準的な血液量は低すぎる  

 2.血流設定の実際 

 3.高血流の問題点 

 4.高血流が不向きな患者 

 5.長時間透析,頻回透析における血流量  

4.糖尿病透析患者の血糖管理  〈前川きよし〉

 1.糖尿病透析患者数は年々増加している 

 2.糖尿病透析患者に血糖管理は必要か?

 3.糖尿病透析患者の血糖管理は困難である 

 4.糖尿病透析患者の血糖管理は個別管理が必要 

 5.糖尿病透析患者の血糖管理の指標 

 6.糖尿病透析患者の血糖管理の目標値 

 7.透析患者において禁忌あるいは投与しない糖尿病治療薬 

 8.透析患者で使用可能な糖尿病治療薬 

 9.インクレチン関連薬への期待  

5.透析患者の虚血性心疾患および不整脈の管理  〈西村眞人〉 

 A.慢性虚血性心疾患  

  1.虚血性心疾患の診断  

  2.治療 

 B.急性冠症候群  

  1.臨床症状  

  2.心電図  

  3.血液心筋マーカー 

 C.不整脈 

  1.心房・心室性期外収縮 

  2.心房細動 

  3.徐脈性不整脈 

  4.心停止 

6.Vascular Access(シャント)の管理  〈川合 徹〉 

 1.VA狭窄の発生部位と症状  

 2.VAのモニタリング 

 3.VAのサーベイランス 

 4.モニタリング・サーベイランスの両方を用いたVA管理 

 5.長期VA使用に向けた新たな試み 

7.長期留置カテーテルの管理  〈内野 敬〉 

 1.概要  

 2.長期留置カテーテルの種類と使い分け  

 3.カテーテル感染予防  

 4.カテーテル感染治療  

 5.脱血不良とその対策  

 6.出口部皮膚炎 

8.HDF(血液透析濾過)の適用と治療条件の設定  〈小久保謙一〉 

 1.HDFの各治療モードの分類  

 2.直接補液vs間接補液 

 3.前希釈vs後希釈 

 4.I—HDF 

 5.HDFの適用 

 6.フィルタの選択  

II 病態に対する対応

1.透析患者の心理の理解と精神疾患(うつ病)・

  心身症への対応〜サイコネフロロジーの基礎〜  〈大武陽一〉

 1.CKD患者の心理と精神的ストレス  

 2.透析患者のうつ病の疫学 

 3.透析患者のうつ病の背景とその影響  

 4.透析患者のうつ病のスクリーニングと診断  

 5.透析患者のうつ病への治療  

 6.透析患者に合併する心身症への対応  

2.かゆみの対応  〈高橋直子〉 

 1.透析患者のかゆみ(透析瘙痒症)とは  

 2.透析瘙痒症の疫学と臨床的特徴  

 3.透析瘙痒症の原因  

 4.かゆみの新しい評価法  

 5.透析瘙痒症の治療方針  

 6.かゆみが改善しない場合にすべきこと  

 7.海外のガイドラインにおいて推奨されるそのほかの薬剤について  

3.透析に拒否的な患者の対応  〈水内恵子〉 

 1.慢性透析患者の治療拒否の現状と患者の心理・生活状況  

 2.透析を拒否する患者の気持ちの理解  

 3.透析を拒否する患者へのケア介入  

4.透析患者の睡眠障害の対応  〈庄司繁市〉 

 1.概要  

 2.透析患者の睡眠障害の特徴  

 3.透析患者の睡眠障害の心血管病のリスク  

 4.血液透析患者における中枢性無呼吸は,冠動脈性心疾患発症の危険因子  

 5.睡眠の質と内分泌ホルモン・インスリン抵抗性の概日リズム  

 6.血液透析患者におけるレム睡眠潜時短縮と脂質・糖代謝の関連および

   これらの脳心血管障害新規発症への影響について  

 7.不眠の治療  

5.終末期の透析患者の対応  〈藤倉恵美〉 

 1.透析患者の終末期とはどの時期をさすのか  

 2.終末期における意思決定プロセス  

 3.終末期を迎えた透析患者への対応  

III 新しい取り組み

1.長時間透析・頻回透析の適応と実践  〈前田兼徳〉 

 1.透析時間,血液流量と生命予後  

 2.長時間透析  

 3.頻回透析  

 4.長時間透析,頻回透析が抱える問題点そしてquality of life  

2.透析運動療法の理論と実践  〈松嶋哲哉〉 

 1.運動における透析患者の問題点  

 2.血液透析患者の体力の現状  

 3.透析運動療法の実践  

3.エコー下穿刺  〈人見泰正〉 

 1.概要  

 2.ブラインド穿刺技術の重要性  

 3.感染対策  

 4.エコー装置の選定と画質調整  

 5.アーチファクト(虚像)  

 6.エコー下穿刺各手法の利点・欠点  

4.施設深夜透析(オーバーナイト透析)  〈山川智之〉 

 1.概要  

 2.日本におけるINHDの現状  

 3.INHDの適応  

 4.INHDの治療効果  

 5.INHDの診療体制  

 6.INHDの診療報酬  

 7.INHDの安全対策  

 8.INHDの透析処方  

 9.INHD施行に際しての問題  

5.在宅血液透析  〈喜田智幸〉 

 1.在宅血液透析の歴史  

 2.患者数の動向  

 3.在宅血液透析の特徴  

 4.日本透析医会による在宅血液透析指針マニュアル  

 5.在宅血液透析に関する施設基準  

 6.在宅血液透析の訓練  

 7.在宅血液透析の実際  

 8.在宅血液透析専用装置  

 9.課題  


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書籍情報

  • ISBN:9784498224643
  • ページ数:272頁
  • 書籍発行日:2020年11月
  • 電子版発売日:2020年11月6日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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