初めて学ぶ脳神経疾患の漢方治療 おもな漢方処方と治療報告

  • ページ数 : 115頁
  • 書籍発行日 : 2009年7月
  • 電子版発売日 : 2020年11月27日
¥3,300(税込)
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商品情報

内容

(著者序文より) 一般に西洋医学で教育されたわれわれにとって,漢方医学の治療効果に疑問視する向きも多い.これは西洋医学が科学的,実証的であるのに対し,漢方医学は個人の体質・特徴を重視した全人的医療であることにもよる.漢方治療にあたって個人の病態診断(「証」の決定)が重要であるが,これが西洋医学教育で育った者にとってはしばしば困難であり,漢方治療の導入を困難にしている一因でもある.しかし,1976年に漢方製剤が健康保険医療に導入されたことから,漢方薬を処方する医師が増加し,各種疾患においてその治療効果と有用性が報告されつつある. 脳神経疾患においても漢方治療の使用頻度はいまだ低く,著者も漢方治療の経験のなかったかってはそうであった.しかし,症例の適応を考え漢方を使用したところ,驚くほど奏効することも少なくないことを知った.実際,西洋医学で難渋する疾患や慢性に症候が持続する症例などで漢方治療を用いた場合,しばしば有用であったことを経験する.脳神経外科領域では,漢方療法の有用性,意義を認識する者や,漢方治療に興味をもつ者が集まって1996年に「脳外科と漢方」という名称で研究会が始まり,2001年には「日本脳神経外科漢方医学会」へと名称の変更とともに全国規模の学会になり,学会演題数も増加し発展している. 本書を書くに至った経緯は,これまでに脳神経疾患を中心とした漢方治療のまとまった著書がないか,記載があっても総論的,または症例報告の経験例が多く,まとまった症例による有効率の解析などを含めた文献的考察がみられなかったことから始まる.そこで,著者は漢方治療医としては浅学菲才ではあるが,十数年の西洋医学の中での脳神経疾患を対象とした漢方の治療経験をもとに,「脳神経外科と外来漢方」として「モダンフイジシャン」誌に連載した.これらをもとにして,さらに加筆・訂正などを行って,一冊の本にまとめたものが本書である.各疾患,または病態についての漢方治療について,できるだけ多くの症例を対象にして解析したおもな文献を集めて検討しまとめたものである. 本書の内容の特徴としては,以下があげられる. (1)西洋医学を学んできた者にも漢方治療へ入りやすくするために,おもに疾患や症候別に漢方薬を選択し,第一選択薬として推奨される漢方薬を含め,汎用されるおもな漢方薬について述べた.あまり虚実,気・血・水などの隋証にはこだわらなかった. (2)各疾患や病態の西洋医学的診断と一般的治療の概説とともに,どのような病態(状態)で漢方薬を適応とし,有効であるかを述べた. (3)各疾患または症候に対するおもな漢方薬の治療効果について,できるだけまとまった多数例の文献報告をまとめて表示し,有効率,治療効果を比較して具体的に示した. (4)脳神経疾患に対して汎用される漢方薬とその構成生薬の一覧を表示し,それぞれの要点について説明した. 本書は,脳神経疾患の漢方診療において,神経内科,脳神経外科,脳神経疾患を扱う一般内科,研修医,ペインクリニックなどの各医師や,漢方治療に興味を持つ医学生,薬剤師,看護師を対象として執筆したものである.脳神経疾患の一般診療において,本書が患者の治療に少しでも役に立てば望外の喜びである.

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目次

【I 総論】

その0.総  論

漢方治療の基本的考え方

漢方薬と西洋医薬の比較

漢方治療の一般的適応と不適応(東洋医学と西洋医学との共存)

漢方治療の実際

漢方的病態分類(体質分類)

虚実(体質の強弱)

陰陽(生命反応の強弱)

気・血・水

漢方薬の副作用

日本漢方医学の歴史

脳神経外科における漢方の意義と学会

脳神経疾患に用いた漢方薬のおもな生薬

【II 脳神経疾患からみた漢方治療】

[神経外傷]

その1.脳神経外傷

顔面外傷後の腫脹・疼痛

外傷後の慢性疼痛

外傷性嗅覚障害に対する漢方治療

慢性硬膜下血腫に対する漢方治療

その2.外傷性頸部症候群

外傷性頸部症候群の病態と漢方の意義

外傷性頸部症候群(頸椎捻挫型)による頭痛

外傷性頸部症候群のBarre-Lieou症候群,自律神経症候

[脳血管障害]

その3.脳血管障害

急性期脳血管障害の漢方治療

慢性期脳血管障害の漢方治療

その4.脳血管性認知症

代表的な漢方治療

[脳腫瘍]

その5.脳腫瘍

癌治療における漢方治療

脳腫瘍における漢方治療

トピック 脳腫瘍治療における十全大補湯の有効性─自験例の検討─

十全大補湯による脳腫瘍患者免疫能への改善効果

Low grade astrocytomaに対するINF-β・漢方補剤の長期維持併用療法

[感染症・てんかん・認知症]

その6.脳神経疾患に合併したMRSA感染症

MRSA感染に対する漢方治療の有効性に関する基礎的検討

臨床例MRSA感染症の漢方補剤による治療

漢方補剤のMRSA感染の予防効果

感染症における補剤の有効性の作用機序

その7.てんかん

てんかんの定義と分類

西洋薬(抗てんかん薬)による治療

てんかんに対する漢方治療の意義,適応

代表的漢方治療薬

その8.認知症

アルツハイマー型認知症の病態

西洋薬による認知症の治療

漢方薬による認知症の治療

【III 病態(症候)からみた漢方治療】

その9.頭  痛

頭痛の原因

頭痛の診療指針

片頭痛

緊張型頭痛

その他の頭痛

その10.三叉神経痛

病  態

一般的治療指針

漢方薬による治療

その11.帯状疱疹後神経痛

病  態

一般的治療

漢方薬による治療

その12.め ま い

めまいの病態

めまいを起こす原因疾患

めまいに対する診療の進め方

めまいの診断にあたってのチェックポイント

漢方医学的にみためまいの原因

めまいの治療

めまいに対する急性期の対応

めまいの漢方治療の適応

めまいに対する漢方薬の治療選択

めまいに対する漢方治療のおもな報告

その13.吃  逆

原  因

診療の進め方

吃逆の一般的治療

漢方薬の適応,選択

漢方薬による難治性吃逆の治療

その14.有痛性筋けいれん

基礎疾患別に見た分類

有痛性筋けいれんの治療

漢方薬による有痛性筋けいれんの治療

その15.神経因性膀胱による排尿障害

神経因性膀胱の発生機序

神経因性膀胱による排尿障害

神経因性膀胱の排尿障害に対する治療指針

西洋医学的治療

漢方薬による治療

その16.脳神経麻痺による中枢性難治性咳嗽

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書籍情報

  • ISBN:9784880026862
  • ページ数:115頁
  • 書籍発行日:2009年7月
  • 電子版発売日:2020年11月27日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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