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商品情報

内容

小児では特に診断や治療が難しいとされる非感染性ぶどう膜炎の初期診療を,現状のエビデンスをもとに診断から評価や管理・治療に至るまで解説した,眼科だけでなく小児科やリウマチ科の先生にも役立つ1冊.

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序文


小児非感染性ぶどう膜炎初期診療の手引き
2020 年版刊行に寄せて


非感染性ぶどう膜炎は,サルコイドーシスやBehçet病などの慢性疾患の眼合併症として広く認知されていますが,小児にも発症することはあまり知られていませんでした.その背景疾患として小児で最も多いのは,16歳未満に発症する若年性特発性関節炎( Juvenile idiopathic arthritis:JIA)です.その有病率は小児人口10万人あたり10~15人とされ,ぶどう膜炎の合併率がその10~20%と報告されていることから,JIAを基盤に非感染性ぶどう膜炎を発症する患児は,小児人口10 万人あたり1 ~ 2人と推定されます.他にも,クローン病などの炎症性腸疾患,小児Behçet病,尿細管間質性腎炎ぶどう膜炎症候群(TINU 症候群),最近では自己炎症性疾患の1つであるBlau症候群などでもぶどう膜炎を発症することが知られていますが,確かに小児では患者数が多い疾患ではありません.このことが,小児の非感染性ぶどう膜炎に対する小児科医や眼科医の認識や理解を困難にしていました.

また,JIAを中心に小児リウマチ性疾患を診療する小児リウマチ医にとっても,患児のぶどう膜炎は大きな問題でした.その1つには,連携先の眼科領域に,小児のぶどう膜炎に習熟した眼科医がきわめて少ないことがあります.しかし何よりも,炎症性サイトカインやT細胞共刺激シグナルを制御する生物学的製剤が登場し,JIAの関節炎病態を制御できるようになったことが,ぶどう膜炎に対する小児リウマチ医の問題意識を高めたことがあるように思います.

このような状況を背景に,小児非感染性ぶどう膜炎に対する眼科医や小児科医の認知や理解を深め,診療に必要な実際的な指針を示す必要性が生まれました.そこで日本リウマチ学会では小児リウマチ調査検討小委員会のなかに,小児リウマチ専門医と,小児のぶどう膜炎を熟知する眼科専門医からなる作業部会(WG)を設置し,本書の作成にとり掛かりました.

本書には,このWGに参加していただいた眼科医と,まとめ役をお願いした岡本奈美先生,森雅亮先生をはじめとする小児リウマチ医の,献身的な努力の結晶が詰まっています.本邦はもちろん,世界にも類のない診療の手引きですが,本書が子どもたちのぶどう膜炎の診療と,その予後改善に役立つことを願っています.


2020年10月

日本リウマチ学会 小児リウマチ調査検討小委員会 元委員長
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
武井修治

目次

小児非感染性ぶどう膜炎初期診療の手引き 2020年版刊行に寄せて【武井修治】

小児のぶどう膜炎診療の良き道しるべに【東 範行】

未来ある子ども達のぶどう膜炎による失明をなくすために【園田康平】

子どもの関節炎を診たら,必ず眼もチェックを!【森 雅亮】

略語一覧

治療アルゴリズム一覧

第1章 小児ぶどう膜炎の疫学

第2章 小児非感染性ぶどう膜炎の病態と診断

[総論]

1 総論

[各論]

2 若年性慢性虹彩毛様体炎 (JCI)

3 若年性特発性関節炎 (JIA)

4 尿細管間質性腎炎ぶどう膜炎症候群(TINU症候群)

5 サルコイドーシス

6 Behçet病

7 Vogt-小柳-原田病

8 自己炎症性疾患

9 川崎病(KD)

[その他]

10 感染性ぶどう膜炎および仮面症候群の除外

第3章 小児非感染性ぶどう膜炎の評価と管理

1 はじめに

2 評価

3 合併症

4 受診間隔

5 生活指導

第4章 小児非感染性ぶどう膜炎の治療

[総論]

1 治療総論

[各論]

2 若年性慢性虹彩毛様体炎(JCI)(JIA に伴うぶどう膜炎を含む)

3 Behçet病

4 尿細管間質性腎炎ぶどう膜炎症候群(TINU症候群)

5 Vogt-小柳-原田病

6 サルコイドーシス

7 Blau症候群

[免疫抑制療法時の注意]

8 免疫抑制療法開始前後の感染症予防,罹患時の対応

9 特に注意すべき感染症(結核・HBV)の治療・管理

索引

執筆者一覧

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書籍情報

  • ISBN:9784758118880
  • ページ数:129頁
  • 書籍発行日:2020年11月
  • 電子版発売日:2020年12月2日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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