前眼部の画像診断〈専門医のための眼科診療クオリファイ24〉

  • ページ数 : 430頁
  • 書籍発行日 : 2014年10月
  • 電子版発売日 : 2020年12月30日
¥16,500(税込)
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商品情報

内容

従来のものから最新のものまで,前眼部を可視化,定量化できる測定機器をまとめた.測定原理から目的,結果の読みかたに加えて,屈折矯正,前眼部疾患,緑内障,白内障手術での実際の応用例も豊富に盛り込んだ.日本眼科学会専門医制度の専門医資格取得に関する書籍として認定されました.

専門医のための眼科診療クオリファイ シリーズ

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序文

 眼科医に,「どの検査装置が使えなくなると,日常の診療に一番支障がでますか?」とたずねたら,多くの眼科医は,迷わず「細隙灯顕微鏡」と答えるのではないだろうか.当たり前だが細隙灯顕微鏡検査は,それほど眼科診療に必須である.

 細隙灯顕微鏡のみでも多くの疾患が診断できるし,フルオレセイン,前置レンズ,Goldmann眼圧計,ミラーなどを使えば,さらに守備範囲は広くなる.特に前眼部疾患の診断については,本装置が普及して以来何十年もその絶対的な地位は揺らいでいない.

 しかしながら,眼疾患に対する治療法の急速な進歩と高度化によって,細隙灯顕微鏡の限界が見え隠れするようになり,その不十分な部分を補うべく,新しい画像診断の検査が多数開発されるようになった.これら新しく登場した画像診断では,細隙灯顕微鏡でみることができない所見を可視化し,画像として提供してくれることに加えて,細隙灯顕微鏡が苦手な定量的な評価も可能である.前眼部画像診断の発展によって,診断はより的確となり,さらに新しい治療が開発されるという,よい循環が繰り返されている.

このように,前眼部画像診断は,診断の精度向上と治療の最適化に大変有用であるが,問題がないわけではない.その一つは,画像診断はあくまで主観的であるということである.検者により,あるいは同一検者でも日によって,結果の解釈は異なる可能性がある.また,測定法や結果の解釈に関する知識と多数例の経験が必要で,熟練するには多大な時間を要する.しかも多数の検査装置があり,多忙な臨床医にとって,これらすべての装置に習熟することは決して容易でない.

そこで,本巻では,前眼部画像診断を実際の臨床に則して理解することを目的として内容を構成した.前半では,各測定装置の原理,測定の方法とコツ,結果の読みかたを示し,各検査の目的が何で,検査結果から何がわかるかを明示した.次いで後半では,実際の臨床現場を想定し,屈折矯正,前眼部疾患,緑内障,白内障手術といった分野別に,重要あるいは頻度が高い疾患および手術に関して,それぞれの場面における前眼部画像診断の目的,必要な装置,具体的な使いかたを,典型的症例を示しながら解説した.

本巻だけでは,前眼部画像診断装置を網羅できていないし,用途や結果の解釈もすべてを示せたわけではないが,前眼部疾患の治療における画像診断の概略を効率よく理解し,使いこなすための入門書としてご活用いただきたい.本巻が,日常臨床で少しでも役にたてれば望外の喜びである.

最後に,執筆者の先生がたには,多忙にもかかわらず快く執筆していただき,大変わかりやすい内容となった.この場を借りて,厚くお礼申しあげる.


2014年8月

大阪大学大学院医学系研究科視覚情報制御学寄附講座/教授
前田 直之

目次

1 前眼部測定装置の原理と結果の読みかた

涙液の画像診断 (横井則彦)

CQ 角膜形状解析で涙液の状態がわかりますか? (山口昌彦)

前眼部サーモグラフィー (原 祐子)

マイボグラフィー (有田玲子)

生体共焦点顕微鏡 (近間泰一郎)

CQ 生体共焦点顕微鏡で感染症の病原体がわかりますか? (近間泰一郎)

波面収差解析の測定原理 (広原陽子,不二門 尚)

Hartmann波面収差測定装置/WaveScan WaveFrontTM SystemとiDesign(R) Advanced WaveScan (福岡佐知子)

Hartmann波面収差測定装置/角膜形状測定装置複合機 (平岡孝浩)

OPD波面収差測定装置/角膜形状測定装置複合機 (岡本茂樹)

眼球光学特性解析装置 (神谷和孝)

角膜形状解析の測定原理 (湖﨑 亮)

プラチド角膜形状解析装置 (東浦律子)

スリットスキャン角膜形状解析装置/Pentacam(R) HR (根岸一乃)

デュアルスリットスキャン角膜形状測定装置 (金谷芳明,堀 裕一)

CQ 角膜形状測定装置の使い分けについて教えてください (戸田良太郎)

Scheimpflugカメラ/EAS-1000 (佐々木 洋,坂本保夫)

前眼部OCTの測定原理 (前田直之)

time-domain前眼部OCT (福田玲奈,臼井智彦)

spectral-domain前眼部OCT (戸田良太郎)

swept-source前眼部OCT (森 秀樹)

バイオメカニクス/Ocular Response Analyzer(R) (川守田拓志,魚里 博)

バイオメカニクス/Corvis(R) (渕端 睦,前田直之)

スペキュラーマイクロスコープ (白石 敦)

CQ 角膜内皮の形態で内皮の機能がわかりますか? (白石 敦)

超音波生体顕微鏡 (酒井 寛)

周辺前房深度計 (柏木賢治)

瞳孔計 (石川 均,戸塚 悟)

前眼部蛍光検査 (東原尚代)

2 屈折矯正での使いかた

コンタクトレンズ処方のための画像診断 (糸井素純)

CQ 眼瞼圧の測定法と結果のとらえかたについて教えてください (白石 敦)

オルソケラトロジーのための画像診断 (平岡孝浩)

LASIK適応決定のための画像診断 (井手 武)

EV エクタジアスコアについて教えてください (井手 武)

波面収差ガイドLASIKのための画像診断 (稗田 牧)

ICL適応決定,レンズ選択のための画像診断 (中村友昭)

LRI,フェムトセカンドレーザーAKのための画像診断 (子島良平)

3 前眼部疾患での使いかた

ドライアイの画像診断 (高 静花)

涙道疾患の画像診断 (井上 康)

結膜炎の画像診断 (米田 剛,福島敦樹)

眼表面疾患の画像診断 (稲富 勉)

円錐角膜の画像診断 (中川智哉)

CQ ペルーシド角膜辺縁変性と円錐角膜の違いを教えてください (大家義則)

角膜内リングの画像診断 (荒井宏幸)

角膜クロスリンキングの画像診断 (加藤直子)

角膜内皮疾患の画像診断 (中川紘子,小泉範子)

前眼部疾患の共焦点顕微鏡 (小林 顕)

角膜移植適応決定のための画像診断 (相馬剛至)

CQ 角膜移植のドナーの内皮はどのように検査しているのですか? (﨑元 暢)

角膜移植術後の画像診断 (島﨑 潤)

4 緑内障での使いかた

閉塞隅角緑内障の画像診断 (栗本康夫)

CQ 眼底検査でわからない毛様体脈絡膜剥離はあるのですか? (酒井 寛)

発達緑内障の画像診断 (松下賢治)

続発緑内障の画像診断 (多田香織,森 和彦)

OCTによる隅角の評価 (三嶋弘一)

線維柱帯切除術後の画像診断 (上野勇太,大鹿哲郎)

5 白内障手術での使いかた

白内障の定量的解析 (佐々木 洋,坂本保夫)

白内障手術前の画像診断 (森 洋斉,宮田和典)

CQ 波面収差測定装置で白内障の手術適応を決めることができますか? (平岡孝浩)

トーリックIOL術前の画像診断 (二宮欣彦)

CQ トーリックIOLの軸ずれは,どのように対応したらよいのですか? (二宮欣彦)

多焦点IOL術前の画像診断 (小川聡一郎,林 研)

IOL度数決定のための角膜形状解析 (福本光樹)


文献

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書籍情報

  • ISBN:9784521739212
  • ページ数:430頁
  • 書籍発行日:2014年10月
  • 電子版発売日:2020年12月30日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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