眼形成手術〈専門医のための眼科診療クオリファイ29〉

  • ページ数 : 448頁
  • 書籍発行日 : 2016年4月
  • 電子版発売日 : 2020年12月30日
¥21,450(税込)
ポイント : 390 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

眼球と眼窩に観血的治療を施す際には,視覚機能の温存とともに整容的な要素の再建が求められる.本巻では,手術を行うに当たり必要な解剖,器具機器のセッティングなどの基礎情報をはじめ,代表的な眼瞼・腫瘍・外傷・炎症性疾患の手術治療について解説した.適応の考えかた,術野へのアクセス方法,術式の選択など,練達の術者が培ってきた知恵と技が結集した.日本眼科学会専門医制度の専門医資格取得に関する書籍として認定されました.

専門医のための眼科診療クオリファイ シリーズ

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

眼形成疾患は多彩である.手術を必要とする疾患は,眼瞼下垂・内反症・外反症・兎眼症・眼瞼腫瘍などの眼瞼疾患,眼窩骨折・眼窩腫瘍などの眼窩疾患,涙道閉塞や涙小管断裂などの涙道疾患と多岐にわたる.そのため,眼形成手術を行うにあたってまず学ぶべきことは,眼瞼・眼窩・涙道の解剖である.正常解剖を理解していることはもちろん,疾患による解剖学的変化も理解していなければならない.また,眼形成手術が内眼手術と異なる点は,ターゲットとなる組織を術中に周囲から剝離,露出する必要があること,さらに多彩な疾患に対して術式も数多く存在することである.多くの眼形成手術ができるようになるのは大変であるが,それがまた眼形成手術の魅力となっている.

しかし,眼形成手術の習得には高いハードルがあるのが,わが国の実情のようである.白内障手術のように,すぐそばに優秀な指導者がいるという環境ではないため,ともすると眼形成手術は避けてしまう傾向が一般眼科医の先生がたのなかにあることも否めない.今後,わが国の高齢化はさらに進み,眼瞼下垂や内反症,腫瘍などの眼形成疾患の患者数はますます増加することが予測される.すなわち,眼形成手術のニーズは今後さらに増えることは間違いなく,一部のエキスパートだけの仕事ではなくなるはずである.

本巻は,眼形成手術をこれから始めようとする先生がたのみならず,さらに手術のレパートリーを増やしたい先生がた,手術は行わないが,どのような手術をするのかを知ったうえで患者に十分な説明をしたいという先生がたなど,さまざまなニーズを対象として,眼形成手術の基本から応用までを一冊で学べることを目標とした.眼形成手術を行う前に知っておきたいこととして,眼瞼・眼窩の解剖,眼瞼・眼窩疾患の総論,診断に必要な検査,画像診断,器具や手術のセッティングなどを詳細に示している.手術手技については,切開・縫合・止血などの眼形成手術の基本手技から,一般的な眼形成疾患である眼瞼下垂や内反症などに対する多くの術式,ややハイレベルな手技を必要とする眼瞼悪性腫瘍の再建,眼窩腫瘍摘出,眼窩骨折整復術などの手術手技に至るまで,現在,活躍中の先生がたに執筆をお願いした.これほど多くの眼形成疾患,眼形成手術について網羅している眼形成手術書は,現時点ではほかにないと確信している.

本巻が,これからのわが国の眼形成手術の広がりとレベルアップに貢献できれば幸いである.


2016年2月

聖隷浜松病院/顧問,大浜第一病院眼形成眼窩外科
嘉鳥 信忠
京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学(眼科学教室)/助教
渡辺 彰英

目次

1 眼形成手術の基本

眼瞼の解剖 (林 憲吾)

眼瞼の機能検査 (上笹貫太郎)

眼瞼の画像診断 (兼森良和)

眼窩の解剖 (末岡健太郎,嘉鳥信忠)

眼窩の画像診断 (山田貴之)

SQ 瞬目検査について教えてください (森脇直子)

眼球突出,眼球運動の検査 (上笹貫太郎)

眼形成手術に必要な器具,セッティング (小久保健一,嘉鳥信忠)

CQ コントラバス式顕微鏡について教えてください (末岡健太郎,嘉鳥信忠)

切開,止血,縫合の基本 (今川幸宏)

眼瞼・眼窩の術後管理 (今川幸宏)

2 眼瞼の機能異常

眼瞼下垂とその近縁疾患の診断 (根本裕次)

先天眼瞼下垂の手術 (林 憲吾)

眼瞼挙筋短縮術(levator resection) (渡辺彰英)

眼瞼挙筋短縮術(aponeurotic advancement) (渡辺彰英)

Muller tuck(ミュラータック)法:西條原法 (西條正城,西條智博)

CQ 眼瞼下垂術後の修正法について教えてください (嘉鳥信忠)

眼瞼皮膚弛緩症 (木下慎介)

CQ 腫れぼったい瞼に対する手術のコツを教えてください (一瀬晃洋)

内反症の診断 (立松良之)

眼瞼内反症手術 (太田 優)

睫毛内反症手術 (鹿嶋友敬)

睫毛乱生症手術 (三戸秀哲)

内眥形成術 (鹿嶋友敬)

眼瞼外反症手術 (古田 実)

兎眼矯正術 (鹿嶋友敬)

眉毛挙上術 (出田真二)

CQ 眼瞼の先天異常について教えてください (八子恵子)

眼瞼けいれんの診断とボトックス? 治療 (森脇直子)

眼輪筋切除術 (荒木美治)

3 腫瘍性疾患

眼瞼腫瘍の診断(総論) (吉川 洋)

CQ 霰粒腫と脂腺癌の鑑別について教えてください (江口功一)

眼瞼良性腫瘍の手術 (辻 英貴)

眼瞼悪性腫瘍の手術 (上田幸典)

CQ 眼瞼再建に必要な皮弁,植皮について教えてください (丸山直樹)

眼窩腫瘍の診断(総論) (高村 浩)

CQ 眼窩悪性リンパ腫の診断と治療について教えてください (兒玉達夫)

眼窩腫瘍生検術 (高比良雅之)

浅在性眼窩腫瘍摘出術 (敷島敬悟)

深部眼窩腫瘍摘出術 (山本哲平,野田実香)

CQ 眼窩腫瘍に対する放射線治療について教えてください (柏木広哉)

眼窩内容除去と義眼床再建 (嘉鳥信忠)

CQ 顔面審美のためのエピテーゼについて教えてください (常國剛史)

義眼台挿入術 (酒井成貴,酒井成身)

CQ 網膜芽細胞腫の最新の治療について教えてください (鈴木茂伸)

義眼床形成術 (冨士森良輔)

CQ 義眼には,どのようなものがあるのでしょうか? (厚澤正幸)

4 外傷性疾患

眼瞼裂傷の手術 (立松良之)

眼窩骨折の診断 (田邉美香)

CQ 眼窩骨折の手術は,いつごろ施行するのがよいのでしょうか? (田邉美香)

眼窩内壁骨折整復術 (板倉秀記)

眼窩下壁骨折整復術 (板倉秀記)

陳旧性眼窩骨折整復術 上田幸典 331

視神経管開放術,視神経減圧術 (恩田秀寿)

眼窩内異物除去 (笠井健一郎,嘉鳥信忠)

5 炎症性疾患

眼瞼炎症性疾患 (久保田敏信)

CQ 霰粒腫と麦粒腫の違いについて教えてください (小幡博人)

眼窩炎症性疾患の診断(総論) (大島浩一)

眼窩炎症性疾患の治療 (張 大行)

甲状腺眼症の診断と保存的治療 (植木智志,尾山徳秀)

上眼瞼後退に対する手術(上眼瞼後葉延長術) (田邉吉彦)

甲状腺眼症に伴う下眼瞼後退に対する手術 (神前あい)

眼窩減圧術 神前あい 399

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:38.5MB以上(インストール時:85.6MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:154.0MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:38.5MB以上(インストール時:85.6MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:154.0MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784521739267
  • ページ数:448頁
  • 書籍発行日:2016年4月
  • 電子版発売日:2020年12月30日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。