水晶体と屈折〈眼科診療ビジュアルラーニング4〉

  • ページ数 : 280頁
  • 書籍発行日 : 2020年5月
  • 電子版発売日 : 2021年1月22日
¥11,000(税込)
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商品情報

内容

眼球のもつ網膜への合焦機能とその矯正をとりあげた.基礎編では眼の屈折要素とその加齢変化,検査・診断編では視力・屈折検査,矯正のための装具と手術などについてまとめた.診療編は,多焦点眼内レンズ不満例への対処をはじめ白内障手術を中心にした症例紹介.

あわせて読む → 「眼科診療ビジュアルラーニング」シリーズ
ぜんぶ読む → 〈眼科診療ビジュアルラーニング〉1~6巻セット

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序文

序文

“屈折・光学は眼科学の基本”といわれても,それを喜んで素直に受け入れる人は多くないだろう.何といっても屈折や光学は学問としての敷居が高い.眼科学のなかで数式や数字が最もたくさん出てくる領域であるし,使われる光学専門用語も独特である.「病因や病態の理解に屈折や光学の基本知識が重要ということはわかるけど,改めて勉強するのも何だし,ついつい疎遠になってしまうんだよね」というのが大方の反応ではなかろうか.

本シリーズ『眼科診療ビジュアルラーニング』は理論の教科書ではない.中山書店から刊行された『専門医のための眼科診療クオリファイ』を中心にした既刊書のなかから,よくまとめられた写真や図,表を引用し,それぞれの分野をコンパクトにまとめたダイジェスト版である.とくに“1.基礎編”と“2.検査・診断編”は写真と図を前面に出し,記述はそれを補う程度となっており,まさにビジュアルで学ぶ構成となっている.イメージを多用することにより,学習者にわかりやすく訴える誌面となっていると思う.気になったところを気軽に眺めながら理解を深めるというのが,本書の正しい使いかたであろう.

“3.診療編”は,当該分野の専門家に,屈折,水晶体,眼内レンズに関連した症例を提示していただき,それぞれの問題をどのように解決していったのか,具体的な手順をまとめてもらった.まさにエキスパートによる謎解きである.多様な症例を本書で経験し,あわせて解説をじっくり読むことにより,臨床経験値は間違いなく向上するであろう.

本書のタイトルは『水晶体と屈折』である.眼を部位ごとにみれば,角膜が眼球の3 分の2 の屈折力を担っていることになるが,本巻では加齢による変化が直接,透光機能に障害もたらす水晶体と組み合わせて解説した.また,視機能のなかで,眼球のもつ網膜への透光・合焦機能を中心にとりあげ,視覚認知,色覚については本巻では扱っていない.

本シリーズの他巻とあわせて本巻を活用し,読者の臨床力がおおいにアップすることを編者として願っている.


2020 年3 月

筑波大学医学医療系眼科/教授 大鹿 哲郎

目次

1 基礎編

視覚器と光学系

眼球の光学系と屈折要素

 光と視覚器

 眼球光学系

 眼の屈折要素

光学特性をもつ眼球部位

 角膜

 水晶体

 毛様体とZinn小帯

 瞳孔

 眼軸長

眼の結像機能とその異常

 屈折

 調節

 輻湊と開散

眼球光学系の加齢変化

 角膜

 水晶体

 毛様体とZinn小帯

 瞳孔径

2 検査・診断編

視力検査と屈折検査

 検査の意義と方法

 屈折検査の測定原理

 視力の尺度と検査

 屈折度の検出と矯正

 不正乱視の検出

 高機能眼内レンズのための視機能評価法 (常吉由佳里,根岸一乃)

眼精疲労

強度近視

水晶体の白濁と偏位

視力矯正のための装具と手術

 眼鏡

 コンタクトレンズ

 オルソケラトロジー

 眼内レンズ

 屈折矯正手術

ロービジョンのための光学的サポート

3 診療編

若年者の調節けいれん (森本 壮)

 心因性の片眼性調節けいれんと考えられた症例

成人の調節けいれん (梶田雅義)

 ドライアイと老視として治療を受けていた調節けいれんの症例

強度近視性内斜視 (木村亜紀子)

 強度近視による長眼軸が原因の内斜視

視力良好例での白内障手術 (佐々木 洋)

 矯正視力が良好な皮質白内障の症例

先天白内障 (黒坂大次郎)

 生後10 週目に水晶体吸引術・前部硝子体切除術を行った症例

先天性水晶体欠損 (野村耕治)

 水晶体欠損(lens coloboma)の2例

Zinn小帯脆弱 (谷口紗織,谷口重雄)

  重度のZinn小帯脆弱に対して水晶体嚢を温存し,眼内レンズの強膜への縫着(in the bag suture)を行った症例

眼内レンズによるモノビジョン (神谷和孝)

 白内障手術時に片眼遠方矯正,僚眼近方矯正を行い,良好な全距離視力が得られた症例

眼内レンズ度数ずれに対するpiggyback法 (飯田嘉彦)

 白内障手術後の屈折誤差に対してsecondary piggybackを施行した症例

白内障手術後/トーリック眼内レンズ軸ずれ (井上 康)

 トーリック眼内レンズ挿入後に視力不良と単眼複視を訴えた症例

白内障手術後/多焦点眼内レンズ不満例(眼内レンズを交換せずに対処した症例) (田淵仁志)

 術後の長期経過で不満が解消した症例と不満がまだ残る症例

白内障手術後/多焦点眼内レンズ不満例(ほかの多焦点眼内レンズに交換した症例) (高橋真紀子,高畠 隆)

 霧視状態の改善を眼内レンズ交換によって得た症例

白内障手術後/多焦点眼内レンズ不満例(単焦点眼内レンズに交換した例) (森 洋斉)

  検査で原因を特定できない術後の視機能障害に単焦点眼内レンズへの交換で対応した2例

白内障手術後/グリスニングと表面散乱 (松島博之)

 片眼の眼内レンズ混濁(表面散乱)が生じた症例

白内障手術後/dysphotopsia(異常光視症) (稲村幹夫)

 白内障術後に異常光視症(dysphotopsia)を生じて眼内レンズの入れ替えに至った症例

白内障手術後/TASS (島 奈津子,小早川信一郎)

 TASS を発症,水疱性角膜症に転帰した症例

白内障手術後/術後急性眼内炎 (井上智之)

 白内障術後数日で発症した急性眼内炎症例

白内障手術後/術後遅発性眼内炎 (永原 幸)

 嚢内洗浄,点眼薬に硝子体切除,後嚢切開を加えて視力回復した症例

白内障手術後/前嚢収縮 (林 研)

 白内障手術後に前嚢収縮をきたしてNd:YAGレーザーによる切開を行った症例

白内障手術後/後発白内障 (留守良太)

 多焦点眼内レンズ挿入眼で視力低下をきたした症例

白内障手術後/液状後発白内障 (高橋京一)

 シングルショットレーザー後嚢切開による液状後発白内障の治療

白内障手術後/眼内レンズ偏位 (石井 清)

 白内障手術後,かなり時間が経過して生じた眼内レンズ偏位の2症例

白内障手術後/眼内レンズ瞳孔捕捉 (中茎敏明)

  眼内レンズ偏位に対し,眼内レンズ摘出術および強膜内固定術を行い,術後に繰り返す瞳孔捕捉に苦慮した症例

白内障手術後/水疱性角膜症 (稗田 牧)

 緑内障治療中に白内障手術を受け,1 年後に水疱性角膜症がみられた症例

オルソケラトロジー (吉野健一)

 オルソケラトロジー処方手順とレンズ管理不良症例

LASIK術後長期経過後の視力低下への対応 (中村友昭)

 LASIK術後12年目に視力低下で来院した一例

ロービジョンケア (清水朋美)

 病的近視ロービジョン患者の眼内レンズ選択

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書籍情報

  • ISBN:9784521745138
  • ページ数:280頁
  • 書籍発行日:2020年5月
  • 電子版発売日:2021年1月22日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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