脊椎脊髄ジャーナル33巻9号 脊椎硬膜病変―最近の話題

  • ページ数 : 76頁
  • 書籍発行日 : 2020年8月
  • 電子版発売日 : 2021年2月10日
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内容

■特集 脊椎硬膜病変―最近の話題
特集にあたって・・・谷 諭
硬膜・硬膜外腔の解剖・・・内門久明
Duropathiesの概念・・・柳下 章
ほか

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序文

特集にあたって

新百合ケ丘総合病院脊椎脊髄末梢神経外科 谷  諭


髄液漏という疾患概念が注目を集めて久しくなりました.この疾患は「脊椎硬膜に裂け目(穴)ができている」が基礎病態でありますが,その病態を共有する疾患は多くありそうです.その1 つは,脳表ヘモジデリン沈着症を生じ得る硬膜欠損部からの血液成分のくも膜下腔への流入でしょう.一方,硬膜外に囊胞を形成したり,はたまた脊髄そのものが陥入するような状態(脊髄ヘルニア)も知られていましたから,このような病態をduropathy と包括することが提唱されています.まれとはいえ,このようなpathological entity が提案されたことで,硬膜には病気があるということは間違いありません.

考えてみますと,われわれ脊椎脊髄外科医は,骨,軟骨,靭帯という脊椎を構成する組織と,脊髄,神経という神経組織はこれまで扱ってきたわけですが,その脊椎と神経組織の境をつくっている硬膜の病変はあまり注目されませんでした.硬膜は,動く臓器である背骨の中でも,伸びたり縮んだりダイナミックな動きをして,脊椎の悪性新生物の浸潤から神経組織をガードしてくれる組織であります.悲しいことに,手術の際には,硬膜は「縫合すれば,適当につくであろう」と変に信頼された組織ですが,そこにも落とし穴(本当に穴)もあるかと思いますし,われわれが日頃,手術で必ずつくっている硬膜外の癒着にも,動く臓器の中では問題が起こり得ると考えるのが当然ではないでしょうか? この特集では,脊椎硬膜をあらためて見直してみて,近年提唱されたduropathyという硬膜に穴があいている状態のみではなく,硬膜そのものの疾患・トラブルまで最近の知見を著名な先生方に解説してもらいました.

内角先生には脊椎硬膜の臨床に即したmicrosurgical anatomy を,柳下先生には硬膜病変の画像診断を詳細に,髙井先生には硬膜欠損や他の病因からの持続的出血による脳表シデローシスを,中島先生は同様に硬膜に穴があるものの,脊髄が嵌まり込む脊髄ヘルニアを,高橋先生には硬膜の穴からの髄液漏出について,長谷川先生から肥厚性硬膜炎という臨床家にとっては不思議な病態を解説していただきました.

先ほど述べたとおり,動く組織である脊椎の中での硬膜がどのような立ち振る舞いをするかは依然不明な点もありますが,duropathy などでは,硬膜外に存在する靭帯と硬膜そのものの癒着があると,運動という要素で脊椎との間に引きつれを起こし,その部位の硬膜に裂け目ができるのではという推測もされており,大変興味深い分野であると思っています.僕の気持ちとしては,硬膜はとても重要な役割を担っていることをこの特集であらためて読者の方々に再確認していただきたいです.その認識をもって手術に臨んでいただければ,これからの脊椎脊髄手術は,より質のよいものになるのは間違いないと思います.

目次

特集

脊椎硬膜病変―最近の話題


特集にあたって・・・谷 諭

硬膜・硬膜外腔の解剖・・・内門久明

Duropathiesの概念・・・柳下 章

脊椎・脊髄に出血原因がある脳表ヘモジデリン沈着症・・・髙井敬介

脊髄ヘルニアの病態と治療・・・中島宏彰, 他

髄液瘻に伴う髄液減少症・・・高橋浩一, 他

脊髄肥厚性硬膜炎・・・長谷川智彦, 他

Nomade

「何をサブスペシャリティにしたらいいですか?」―脊髄脊椎外科の動向を鑑みる・・・村田英俊

イラストレイテッド・サージェリー

肩甲舌骨筋外縁進入による頸椎前方アプローチ・・・相庭温臣

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書籍情報

  • ISBN:9784013003309
  • ページ数:76頁
  • 書籍発行日:2020年8月
  • 電子版発売日:2021年2月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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