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講座 精神疾患の臨床 3 不安または恐怖関連症群 強迫症 ストレス関連症群 パーソナリティ症

  • ISBN : 9784521748238
  • ページ数 : 432頁
  • 書籍発行日 : 2021年2月
  • 電子版発売日 : 2021年2月17日
  • 判 : B5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥17,600 (税込)
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商品情報

ICD-11においてICD-10やDSM-5から最もドラスティックに変更となり,今後さらなる変更が加えられていく可能性が高い注目の領域を取り上げている.疾患概念の変遷,ICD-11の診断ガイドラインの内容,残されている課題(議論の余地)に加え,症状や病態,治療法なども解説.今日のclinical utility(臨床的有用性)を最大限に反映した内容が盛り込まれている.

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■ 序文

本シリーズ【講座 精神疾患の臨床】は全巻を通じて,現時点で最も新しい精神疾患の分類体系である世界保健機関(WHO)の国際疾病分類第11版(International Classificationof Diseases 11th Revision: ICD‒11)に基づいている.本巻(3巻)はそのICD‒11の「06:mental, behavioural or neurodevelopmental disorders(第6章 精神,行動または神経発達の疾患」のうち,「anxiety or fear-related disorders(不安または恐怖関連症群)」(本巻では1章),「obsessive-compulsive or related disorders(強迫症または関連症群)」(本巻では2章),「disorders specifically associated with stress(ストレス関連症群)」(本巻では3章),「personality disorders and related traits(パーソナリティ症および関連特性群)」(本巻では4章),「factitious disorders(作為症群)」(本巻では4章に組み入れ)の部分を取り上げている.すでに先行して上梓されている本シリーズの「1巻 気分症群」や,「2巻 統合失調症」といった簡潔なタイトルに比べて,3巻は巻のタイトル自体が非常に長くなっている.というより,本巻では,ICD‒11の第6章の中で異なるカテゴリーに分類されてはいるが,不安,恐怖,強迫,ストレス,パーソナリティをキーワードとしてまとめうる異種性の高い疾患群を包括している.そのため,本巻全体の構成,概念が若干わかりにくくなっていることはご容赦いただきたい.

一方,ICD‒11の中で,本巻で取り上げている上述の疾患群と同様に,従来は一般に「神経症圏」「心因性」としてとらえられてきた疾患群,すなわち「dissociativedisorders(解離症群)」「feeding or eating disorders(食行動症または摂食症群)」「disordersof bodily distress or bodily experience(身体的苦痛症群または身体的体験症群)」は4巻として別巻で取り扱うこととした.したがって,4巻の疾患群も異種性が高く,内容・構成は複雑になっている.

精神疾患の診断や分類の試みはいわば精神医学の歴史そのものといってもよい.そして,精神疾患の疾病構造や,臨床家・研究者あるいは当事者・家族の疾病に対する見方も時代とともに変化していく.ICDにしてもDSMにしても,さまざまに各疾患の定義や概念に修正を加え,その時代を反映することに努めてきた.したがって,最新のICD‒11の疾患分類を考えることはとりもなおさず,これまでの診断や分類の歴史を振り返ることに他ならない.ICD‒11に向けた精神疾患の再概念化の中で,診断および疾患単位の5クラスターモデルが提唱されてきた.すなわち,Neuro-cognitive(神経認知),Neuro-developmental(神経発達),Psychotic(精神病),Internalizing(内在化),Externalizing(外在化)である.しかし,本巻で取り上げる疾患概念はこれらの中に必ずしもうまくフィットしないものも多い.おそらくICD‒11の中で,本巻の疾患群はそれ以前の診断基準,すなわちICD‒10やDSM‒5からもっともドラステイックに疾患分類や概念が変更を加えられた領域であろう.そのことは4章の「パーソナリティ症および関連特性群と作為症」に端的にみてとれるが,いまだに臨床家・研究者の間でも意見が一致せず,議論の余地があり,今後さらに変更が加えられていく可能性が高い.

以下,本巻の各章に関して,ごく簡単にICD‒11のポイントを記載しておく.まず,1章の「不安または恐怖関連症群」の大分類はDSM‒5の不安症(群)(anxiety disorders)とほぼ同様である.この中では全般不安症とパニック症,社交不安症が中核となっている.広場恐怖症については,DSM‒5と同様,パニック症とは独立した同格の一つの疾患単位としてとらえられ,両者には併存もありうるという見解をとっている.また,もともとICD‒10では分離不安症〈分離不安障害〉は「F93 小児〈児童〉期に特異的に発症する情緒障害」の中に,場面緘黙〈選択性緘黙〉は「F94 小児〈児童〉期および青年期に特異的に発症する社会的機能の障害」の中にそれぞれ分類されていたが,ICD‒11では小児〈児童〉期に限定しない「不安または恐怖関連症群」に組み込まれている.

2章の「強迫症または関連症群」においては,もともと1990年代はじめにとらわれや繰り返し行為を特徴とする生物学的概念としてHollander らが提唱した強迫スペクトラム障害(obsessive-compulsive spectrum disorders: OCSD)が注目されてきた1).さらに,DSM‒5においては,他の不安障害から分離した強迫症を中心に,不安や認知的プロセスの介在を想定する醜形恐怖症/身体醜形障害やためこみ症,運動性の要素を持つ抜毛症や皮膚むしり症など,多彩な疾患群が強迫症および関連症群(obsessivecompulsiveor related disorders: OCRD)として包含された.このOCRDの概念は基本的にICD‒11に引き継がれ,さらに拡大されて,当初のOCSDの概念に近いものになっている.ICD‒11のOCRDには,中核に位置する強迫症以外に,cognitive OCRDとして身体醜形症,心気症,自己臭関係付け症(自己臭症),motoric OCRDとして向身体性反復行動症(抜毛症,皮膚むしり症),さらにためこみ症が組み込まれている.なお,心気症はICD‒10では身体表現性障害に分類され,DSM‒5では身体症状症および関連症群の中の病気不安症に移行していたが,ICD‒11ではさまざまな名称が検討されたうえで,より包括的な概念としての心気症に落ち着いている.

3章の「ストレス関連症群」において,注目すべきは心的外傷後ストレス症(posttraumaticstress disorder: PTSD)の診断基準が,DSM‒5では4症状カテゴリー20項目に上っていたのに対し,ICD‒11では3クラスター6症状項目に簡素化されたことであろう.その結果,さまざまな立場にある各国の臨床家が使いやすいものとなっているといえる.また,これまでDSM‒IVやDSM‒5でも関心対象となり,議論されながら公式診断としては採用されなかった複雑性心的外傷後ストレス症(complex PTSD:CPTSD)を正式に採用したことも注目される.ICD‒11ではCPTSDを自己組織化の障害を伴うPTSDとして定義している.これはDSM‒5では解離症状を伴うPTSDの下位分類(サブタイプ) に位置づけられる. したがって,ICD‒11 のCPTSD とDSM‒5のPTSD解離サブタイプのいずれの概念がより妥当性が高いのか,これからの検証が待たれるところである.

この3章の中で重要な位置を占めるのが適応反応症(adjustment disorder)である.DSM‒III において適応障害の名称で初めて登場し,ストレス因は必ずしもPTSDのような圧倒されるようなタイプのものとは限らず,就労環境や周囲との対人関係など,日常の普遍的なストレスが含まれる.ICD‒11の日本語訳は適応反応症とされている.同じようなストレスを受けていても,症状を呈する人と,そうはならない人がいて,それはパーソナリティの脆弱さゆえではなく,主観的な体験の差異にあることは適応反応症の診断にとっては重要である2).個体の環境への反応が􄼴であるという視点からは筆者もこの日本語訳が適切なように思う.従来,その診断基準が明確ではないこと,他の疾患の基準を満たさない閾値下診断である場合が多いこと,他の疾患(特にうつ病やパーソナリティ症など)との異同が問題となることなどからこの診断は問題視されてきた3).その一方で,日常臨床場面では,適応反応症と診断される患者は非常に多い.たとえばサイコオンコロジー領域で,癌患者に認める精神科診断として第一にあがるのは適応反応症である4).また,最近では,就学・就労場面で環境不適応を生じて不登校・休学や休職に至った人の場合,自閉スペクトラム症や注意欠如多動症を背景として生じた場合の適応反応症という併存診断もよく目にする.ICD‒11で示された適応反応症の診断基準は従来と比べて比較的限定的,明確であり,この診断に関する臨床的有用性が高まるとともに,この領域の研究の発展が期待されるところである.

4章の「パーソナリティ症および関連特性群と作為症」は,おそらくICD‒10あるいはDSM‒5からICD‒11に改訂していくにあたり,もっとも議論を呼び,そしてもっとも大きな変革を生じた領域である.DSMではもともとディメンション評価の重要性が指摘されていたが,DSM‒5ではそれがさらに進んだ.特に,DSM‒5第III部「新しい尺度とモデル」では代替DSM‒5モデルが収載され,カテゴリーモデルによる評価とディメンションモデルによる評価とを融合したハイブリッドモデルによる診断が提唱された.ICD‒11 ではディメンション評価・診断がさらに徹底してきている.ICD‒11ではDSM‒5で採用されていたカテゴリーモデルに基づく類型分類がボーダーラインパターン以外は行われないこととなった.ICD‒11のパーソナリティ症の診断は,まず重症度評価がなされ,次に顕著なパーソナリティ特性の評価・診断が付加される.このような急速な診断基準の変革は現代のパーソナリティ研究にとって大きな一歩となることが期待される一方,研究者間でもまだ議論の余地のあるところであり,今後の動向が注目される.

なお,本巻の各章の中に2~3項目ずつ,【Topics】が挿入されている.列挙すると,1章では「パニック症の脳内機序」「パニック症と自閉スペクトラム症」「不安または恐怖関連症群に対する森田療法」,2章では「強迫症に対する脳深部刺激療法」「ためこみ症とsqualor症候群」,3章では「適応反応症と復職支援」「ストレス関連症に対すviiるEMDR」,4章では「虐待とパーソナリティ症」「衝動的問題行動」「ボーダーラインパターンの人は減っている?」の10項目である.これらは各章の項目の中には概論的に盛り込めない内容を扱っているが,それぞれの疾患の病態を理解するうえでのトレンドや,最近の治療的話題,社会的視点などを考えるうえでの有用な情報である.

前述したように,精神疾患の分類体系が現在のICD‒11に至るまでには多種多様な議論が行われてきた.本巻で記載されている疾患分類や記述は当然ながら今後また時代に応じて改訂されていく.その意味で,本巻の記載は今日の「clinical utility(臨床的有用性)」を最大限に反映したものである一方,あくまでも流動的でダイナミックなものであることは忘れてはならない.


2021年1月

慶應義塾大学医学部精神神経科学教室
三村 將

■ 目次

1章 不安または恐怖関連症群

不安または恐怖関連症群 総説 (大川 翔,清水栄司)

全般不安症 (荒井穂菜美,清水栄司)

パニック症 (蔵満彩結実,塩入俊樹)

 Topics パニック症の脳内機序  (浅見 剛)

 Topics パニック症と自閉スペクトラム症 (義村さや香,十一元三)

広場恐怖症 (蔵満彩結実,塩入俊樹)

限局性恐怖症 (宗 未来)

社交不安症 (永田利彦)

分離不安症 (岸本真希子,引土達雄)

場面緘黙 (濱本 優,金生由紀子)

他の不安または恐怖関連症 (大坪天平)

 Topics 不安または恐怖関連症群に対する森田療法 (中村 敬)

2章 強迫症または関連症群

強迫症または関連症群 総説 (松永寿人)

強迫症 (松永寿人)

 Topics 強迫症に対する脳深部刺激療法 (酒井雄希,森下登史)

身体醜形症 (松井徳造,松永寿人)

自己臭関係付け症(自己臭症) (向井馨一郎,松永寿人)

心気症 (林田和久,松永寿人)

ためこみ症 (中尾智博)

 Topics ためこみ症とsqualor症候群 (黒瀬 心)

向身体性反復行動症群 (成瀬栄一)

その他の強迫症または関連症群 (村山桂太郎)

3章 ストレス関連症群

ストレス関連症群 総説 (金 吉晴)

心的外傷後ストレス症 (飛鳥井望)

複雑性心的外傷後ストレス症 (飛鳥井望)

遷延性悲嘆症 (中島聡美)

適応反応症 (大石 智,田中克俊)

 Topics 適応反応症と復職支援 (佐渡充洋)

反応性アタッチメント症 (濱村尚子,友田明美)

脱抑制性対人交流症 (青木 豊)

急性ストレス反応 (大塚耕太郎)

 Topics ストレス関連症に対するEMDR (市井雅哉,南川華奈)

4章 パーソナリティ症および関連特性群と作為症群

パーソナリティ症および関連特性群 総説 (林 直樹)

現代のパーソナリティ症の捉え方 (林 直樹)

 Topics 虐待とパーソナリティ症 (緒方康介)

 Topics 衝動的問題行動 (原田知佳)

顕著なパーソナリティ特性またはパターン (岡野憲一郎)

ボーダーラインパターン (平島奈津子)

 Topics ボーダーラインパターンの人は減っている? (田中伸一郎)

その他のパーソナリティ症群 (白波瀬丈一郎)

作為症群 (平島奈津子)

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