臨牀消化器内科 2020 Vol.35 No.8 薬物療法がひらく新しい肝細胞癌の治療strategy

  • ISBN : 9784004003508
  • ページ数 : 108頁
  • 書籍発行日 : 2020年7月
  • 電子版発売日 : 2021年2月17日
  • 判 : B5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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商品情報

特集「薬物療法がひらく新しい肝細胞癌の治療strategy」

ここ数年,肝細胞癌に対する薬物療法の進歩が著しい.現在,数多くの免疫チェックポイント阻害剤と分子標的治療薬との併用試験が世界中で行われており,今後,ますますHCC治療戦略において薬物療法が重要となるのは間違いないであろう.(編集後記より抜粋)

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■ 序文

巻頭言

小池 和彦*


肝細胞癌(以下,肝癌)に対する治療は,外科的な肝切除療法とそれ以外の非切除療法に大別される.非切除療法は経皮的局所療法,肝動脈塞栓術,および化学療法に分けられる.肝癌は,通常ウイルス肝炎を中心とする慢性肝疾患に発生し,その大部分は肝硬変を合併している.そのため,外科的肝切除の適応となる症例はおおよそ3~4 割に限られ,たとえ局所根治的に切除が行われたとしても,5 年以内に50%以上,10 年以内に70%以上の患者で再発をきたす.一方,他臓器の癌とは異なり遠隔転移は比較的まれで,再発巣の大部分は肝内に発生するという特徴がある.

肝内再発に対しては,再び局所根治的な治療が行われることが多いが,肝切除の場合,繰り返される治療のなかで腫瘍の局所制御が破錠するか,肝予備能が悪化して治療が困難になるかが生命予後を規定することになる.

日本肝臓学会発行の「肝癌診療ガイドライン2017 年版」の肝癌治療に関するアルゴリズムでは,肝予備能,肝外転移,脈管侵襲,腫瘍数,腫瘍径の5 因子を基に判定され,肝癌の非切除療法は,一般に,Child‒Pugh 分類でA あるいはB の肝機能で最大主腫瘍径が3 cm 以下,3 個以下が適応とされる.

3 cm 以下,3 個以下という腫瘍条件は,30 年以上前,エタノール注入療法時代に設定されたものであるが,この基準にさしたる科学的根拠はない.肝癌治療のhigh volume center では,この適応基準を超えて治療されることもあるが,腫瘍径が3 cm を超える場合は,肝動脈化学塞栓術(TACE)との併用が行われることが多い.結節数が4 個以上の場合,通常はTACE が第1 選択とされるが,とくに主腫瘍に対するTACE の効果が不十分であった場合などに,治療の選択肢は限られたものとなる.この段階で化学療法(薬物療法)が選択肢に挙がってくるが,現在,それは分子標的治療薬である.

癌細胞に発現している特定の分子を阻害することによって治療効果を発揮する薬剤を分子標的治療薬と呼び,おもに細胞増殖にかかわる因子を阻害することで効果を発揮する.2009 年にソラフェニブの肝癌に対する投与が承認されてから,長らく続く薬が現れなかった.しかし現在,わが国では1 次治療としてソラフェニブとレンバチニブが使用可能となっている.どちらもマルチキナーゼ阻害薬と呼ばれる複数のリン酸化酵素を阻害する薬剤であり,おもに血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)キナーゼを阻害することにより,腫瘍細胞を栄養する新生血管の増殖を抑制する.基本的には,肝切除・移植・局所療法・TACE の適応のないChild‒Pugh A の患者が投与対象となっており,それらはおもに脈管侵襲合併例,肝外転移合併例であるが,最近ではTACE に先立って投与が行われることもあり,その有効性も確立されつつある.ソラフェニブが無効となった症例には2次治療としてレゴラフェニブも使用可能になっており,さらに,アルファ・フェトプロテイン(AFP)400 ng/ml 以上という限定付きではあるが,VEGFR‒2 抗体であるラムシルマブも癌化学療法後に増悪した症例に使用可能となっている.また,免疫チェックポイント阻害薬は,現在臨床試験が進行中であるが,肝細胞癌に対しては単独での効果はさほどではない.しかし,分子標的治療薬との併用療法では,かなり効果の高いものが出てきており,近い将来使用可能になることが期待されている.

肝癌の分子標的治療薬は,どうやら,これまでの「最後の一手」には収まらなくなりそうな気配である.TACE に先行させる有効性も知られてきているが,curative therapy との組み合わせなど,従来の枠組みを超えた投与法も期待される.治療アルゴリズムにも影響を与えるであろう.新しい治療薬は新しい革袋に盛るのがよさそうである.


*東京大学大学院医学系研究科消化器内科学(〒113‒8655 東京都文京区本郷7‒3‒1)

■ 目次

特集

巻頭言  小池 和彦

1.肝細胞癌に対する薬物療法

(1)治療アルゴリズムにおける位置づけ 山下 竜也 他

(2)ファーストライン導入のタイミング―現状と課題 森口 理久 他

(3)セカンドラインへの切り替えタイミングの現状と課題 上嶋 一臣

(4)腫瘍マーカーや血液バイオマーカーの現状と課題 能祖 一裕

(5)画像による治療効果判定の現状と課題 小川 力 他

(6)肝予備能評価の重要性―ALBI グレードを中心に 平岡 淳 他

2.肝細胞癌に対する薬物療法の現状と課題

(1)肝細胞癌に対するソラフェニブの現状と課題 友成 哲他

(2)肝細胞癌に対するレゴラフェニブの現状と課題 興梠 慧輔,小笠原 定久 他

(3)肝細胞癌に対するレンバチニブの現状と課題 土谷 薫

(4)肝細胞癌に対するラムシルマブのエビデンスと初期使用経験 末廣 洋介,相方 浩 他

3.肝細胞癌に対する新規薬物療法の最新情報

(1)カボザンチニブの最新情報 小林 智

(2)アテゾリズマブとベバシズマブ併用の最新情報 岩本 英希

(3)その他の新規薬物療法の最新情報 池田 公史

4.肝細胞癌に対する個別化医療の現況と展望 恵荘 裕嗣

連載

検査値の読み方

 腹部膨満と倦怠感を主訴とした高齢男性の1 例 中牟田 誠

内視鏡の読み方

 黄色調の早期胃癌 福田 弘武 他

英語で論文を書くことの効能……学会発表だけじゃダメなんですか?

 その6.まとめ―レトロの論文も悪くない 加藤 順

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