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臨牀消化器内科 2021 Vol.36 No.3 感染症と消化器-診断と治療:感染症専門医から消化器内科医へのアドバイス

  • ページ数 : 116頁
  • 書籍発行日 : 2021年2月
  • 電子版発売日 : 2021年2月19日
¥3,300(税込)
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商品情報

内容

特集「感染症と消化器-診断と治療:感染症専門医から消化器内科医へのアドバイス」

こんな企画はなかったのではないか? 依頼した原稿の査読をしながらそう感じている.臓器別の感染症は,その臓器の専門医の中で執筆監修をされるのが常であったろう.しかし,日頃から消化器内科の先生方から,感染症治療の相談を頂く経験をもとに感染症専門医である各執筆者が熱意ある原稿を書いてくれたと自負している.
今回,消化器内科医に必要な微生物や抗菌薬の知識を感染症専門医により情報提供させて頂いた. (編集後記より抜粋)
ゲストエディター:岡 秀昭

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序文

巻頭言


岡 秀昭


この度,消化器感染症に対して,感染症専門医から消化器内科医へのアドバイスとなるような企画を担当する機会をいただいた.

私は消化器内科の先生方をとても尊敬している.消化器疾患に罹る患者さんは多く,内視鏡処置など専門性の高い技術の習得も必要だ.そんなご多忙な消化器内科医の先生方に,微力だがお役に立てるかもしれない貴重な機会をいただけたことにまずは心から御礼を申し上げる.

では,実際に私たち感染症専門医が,お役に立てるような企画とはどのようなものか.熟考したところ,それは私たちの日常診療のなかにあるのではないかと思うに至った.

現在,埼玉医科大学総合医療センターでは,私たち総合診療内科・感染症科が難治性感染症に対しての診療支援として,感染症コンサルテーションを行っている.コンサルテーションは日々3~5件はあり,年間800症例以上をいただいている.消化器内科や消化器外科の先生方からのご相談も多くいただいている.そのなかでは,血液培養から菌が検出された場合の抗菌薬の選択や,何らかの感染症に対し抗菌薬投与を行うものの,なかなか思うような効果が得られずに相談を受けることが多いのだが,疾患でいえば,大学病院の性質からかもしれないが,肝膿瘍や,壊死性膵炎の抗菌薬治療についてのものが特徴的である.また,消化器外科の先生からは二次性腹膜炎の術後に炎症反応や熱が下がらないとご相談いただくことが最多のコンサルト理由である.以上から,第1章としてこれらの項目を豊富な経験がある感染症専門医に執筆いただいた.次いで,私たちは総合診療内科として,プライマリケアに当たることも多い.そこでは感染性腸炎はよくあるコモンディジーズであるが,いろいろとピットフォールがあるうえに,消化器内科医であっても比較的軽視されがちな臓器別感染症ではないかと思われる.この項目は総合診療内科医の素養がある感染症専門医に執筆をお願いした.

感染症診療は,感染臓器が判明した場合,原因微生物を推定し,それに基づいて感受性が期待でき,かつ経験的にも有効性の高い抗菌薬を選択する必要がある.ゆえに,臨床に直結するような微生物の知識が必須であるのだが,発熱,炎症反応の上昇→抗菌薬のように,しばしば原因微生物の議論が簡略化されてしまうことがある.わが国の感染症診療で最も欠けている点の一つと私は感じている.そこで第2 章では消化器内科医に必須のよく経験するであろう重要微生物を列挙して,各エキスパートに解説いただいた.微生物の話となると,やや基礎医学的な領域ではないかと毛嫌いを起こす先生方もいるかもしれない.しかし,執筆陣は各人がバリバリの臨床家であり,消化器内科医に役立つ,実臨床に直結するような内容になるようにお願いした.例えばHIV では,その治療は私たち感染症専門医の領域であるが,ある消化器疾患を診断した場合などに検査が望まれるものの,その実施率は低いのではないかと日常感じている.それを踏まえ,消化器内科医がいつHIV検査を提出すべきかについての実践的な解説まで取り上げている.

最後に,いまだに続く新型コロナウイルス(COVID‒19)に対しての項目も設けた.私たちは今,この感染症の対応で四苦八苦している現状である.おもに呼吸器感染症であるために,消化器内科の先生方が対峙することは少ないかもしれない.しかし,わずかながら消化器症状を呈することもあり,感染が拡大して有病率が高くなれば,消化器内科医が遭遇する機会も増えてくるものと思われる.本感染症についても消化器内科医の先生方が,いつこの感染症を疑い,検査をするのか,またその感染予防策について,現場の診療を指揮している当科の医局長に執筆をお願いした.本感染症の終息をただただ願うばかりである.

以上,本特集が消化器内科の先生方に微力でもお役に立てば幸いである.

目次

特集「感染症と消化器― 診断と治療:感染症専門医から消化器内科医へのアドバイス」

巻頭言/岡 秀昭

1.おもな消化器感染症の抗菌薬療法の進歩

 1)感染性腸炎の抗菌薬療/林 良典

 2)二次 性腹膜炎の抗菌薬療法(急性虫垂炎,憩室炎も含む/根井 貴仁

 3)原発性腹膜炎の抗菌薬療法/酒井 梨紗

 4)胆嚢炎・胆管炎の抗菌薬療法/根本 隆章

 5)肝膿瘍の抗菌薬療法/野崎 由迅

 6)急性膵炎の予防,壊死性膵炎の抗菌薬療法/渋江 寧

2.消化器領域で重要な微生物感染症の特徴

 1)細菌 性腸炎(腸管出血性大腸菌,サルモネラ,カンピロバクター/川本 雄也,松尾 裕央

 2)腸内細菌の薬剤耐性菌(ESBLs,AmpC)/小野 大輔

 3)腸球菌感染症/三村一行

 4)嫌気性菌,クロストリジウムディフィチル感染症/金澤 晶雄

 5)カンジダ感染症/加藤 英明

 6)赤痢アメーバ症,ジアルジア症/荒川 悠

 7)サイ トメガロウイルス感染症,ノロウイルス感染症/古谷 賢人,伊東 直哉

 8)結核(腸結核,結核性腹膜炎を中心に)/大場雄一郎

 9)消化 器内科医がHIV を調べるべきタイミング/川村 繭子,川村 隆之

 10)新型 コロナウイルス感染症(COVID-19)/西田 裕介

〔連 載〕内視鏡の読み方

胃アニサキス症に伴う胃vanishing tumor/辻 陽介 他

〔学会だより〕

第62回 日本消化器病学会大会r/竹原 徹郎

第100回 日本消化器内視鏡学会r/山本 博徳

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書籍情報

  • ISBN:9784004003603
  • ページ数:116頁
  • 書籍発行日:2021年2月
  • 電子版発売日:2021年2月19日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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