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- 医学のあゆみ268巻1号 白血病UPDATE
商品情報
内容
企画:黒川峰夫(東京大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学)
・白血病は速やかな診断と治療の導入が重要な役割を果たす疾患である.古くから細胞形態に基づいた診断法が確立されてきたが,近年では遺伝子異常やゲノム解析が診断に大きく寄与するようになっている.
・最近ではAMLに対し,遺伝子変異を標的とした治療薬が臨床に導入されつつある.さらに,ALLの一部に対し,新たな抗体医薬や免疫細胞治療が有望な効果を持つものとして注目されている.
・白血病の治癒率の向上を目指した治療における進歩は目を見張るものがある.本特集では,特に注目を集めているトピックについて,各領域のエキスパートの先生方に最近の知見をわかりやすくまとめていただく.
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序文
はじめに
白血病は内科的療法で治癒がめざせるがんとして,その薬物療法がとくに注目される領域である.また白血病は診断時からはっきりとした症状を示すことも多く,速やかな診断と治療の導入が重要な役割を果たす疾患でもある.古くから細胞形態に基づいた診断法が確立されてきたが,近年では遺伝子異常やゲノム解析が,病態解明や診断,層別化に大きく寄与するようになっている.
さまざまな白血病で分子レベルでの病態解明が進んでおり,その成果があらたな分子標的薬の臨床応用という成果を生み出してきた.慢性骨髄性白血病や一部の急性リンパ芽球性白血病に対するチロシンキナーゼ阻害剤の臨床効果は,その好適な例である.最近では急性骨髄性白血病に対して,FLT3変異やIDH変異などを標的とした有望な治療薬が臨床に導入されつつある.さらに,とくに急性リンパ芽球性白血病の一部に対して,あらたな抗体医薬や免疫細胞治療が有望な効果を持つものとして注目されている.
薬物療法に対して難治性の白血病に対しては,同種造血幹細胞移植が有力な治療の選択肢となる.これについても造血幹細胞ソースの幅が広がり,その特徴を踏まえた治療が発展している.そして,さまざまな白血病において,微小残存病変を的確にモニターして,早期治療や治療法決定に活用する試みが進展をみせている.また白血病は小児と成人でそれぞれ異なる特徴を持ち,それらを理解することは診療上,重要となる.
このように,白血病のさらなる治癒率の向上をめざした治療の進歩は大きい.本特集では,とくに注目を集めているトピックについて,各領域のエキスパートの方に最近の知見をわかりやすくまとめていただいた.血液疾患を専門とする方々にはもとより,広く一般医家の方に役立てていただければ幸いである.
黒川峰夫(東京大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学)
目次
白血病各論
WHO分類(2017年版)における白血病の分類……宮﨑泰司
急性白血病の分子病態……原田結花・原田浩徳
急性白血病のゲノム異常──小児と成人の特徴……真田昌
成人急性白血病の疫学と診断……前田智也・麻生範雄
小児白血病における遺伝性素因……真部淳
思春期若年成人(AYA)世代急性白血病の特徴……早川文彦
急性骨髄性白血病(AML)に対する分子標的薬の展望――FLT3 阻害剤とIDH1/2 阻害剤……清井仁
フィラデルフィア(Ph)染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の特徴と治療……山下鷹也・髙橋直人
急性リンパ性白血病に対する抗体医薬の臨床効果――ブリナツモマブ,イノツズマブ・オゾガマイシン,リツキシマブ……村田誠
急性リンパ性白血病に対するCAR-T細胞療法――その現状と展望……藤原弘
慢性骨髄性白血病(CML)に対するチロシンキナーゼ阻害薬の多様性と治療選択……川口辰哉
チロシンキナーゼ阻害剤によるCML治療の効果判定法と服薬中止の可能性……草場香那・木村晋也
白血病に対する同種造血幹細胞移植……前田嘉信
白血病治療後のサバイバーシップ……前田美穂
トピックス
Ph-like ALL──位置づけと今後の展望……坂口大俊
急性リンパ芽球性白血病(ALL)に対する治療法――ネララビンとクロファラビンの臨床効果とその役割……今井陽俊
微小(測定可能)残存病変(MRD)を指標とした成人Ph陰性ALLの治療……長藤宏司
人工知能を用いた白血病診療の可能性……東條有伸
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書籍情報
- ISBN:9784006026801
- ページ数:120頁
- 書籍発行日:2019年1月
- 電子版発売日:2021年3月10日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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