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実験医学増刊 Vol.39 No.5 個人差の理解へ向かう肥満症研究~GWAS、エピゲノム、腸内細菌、栄養学的知見から多様な病態を解明し、Precision Medicineをめざす

  • ISBN : 9784758103930
  • ページ数 : 230頁
  • 書籍発行日 : 2021年3月
  • 電子版発売日 : 2021年3月19日
  • 判 : B5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥5,940 (税込)
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商品情報

GWAS、エピゲノム、腸内細菌、栄養学的知見から多様な病態を解明し、Precision Medicineをめざす

肥満に関連する他の疾患を合併した「肥満症」研究の近年の進歩として,症状や体質の個人差という概念が注目されています.本書では,肥満の個人差・多様性の理解を実際の治療につなげるための最新研究を紹介します.

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■ 序文

Banting らによるインスリンの発見から,今年(2021 年)で100 年が経ちます.その間に,代謝・糖尿病の分野は,インスリンの遺伝子の同定,遺伝子組換え技術といった基礎研究における発見からインクレチンやDPP4 阻害薬の開発など,飛躍的な進歩を遂げました.また,COVID-19( 新型コロナウイルス感染症)によりいまだ混乱し続ける状況のなかで,わずか約9 カ月でワクチンが開発されるなど,バイオメディカルの分野は劇的なスピードで進化し続けています.

肥満は,現代社会における最も深刻な健康障害の1 つであるにもかかわらず,いまだ単に「意志が弱い」という精神論で語られることが多いのが実情です.しかし,1994 年のFriedmanらによるレプチンの発見や,寒川博士らによるグレリンの発見にみられるように,食欲は分子生物学・生理学的なアプローチで解明できる,そして制御可能な生理現象であることが明らかとなってきました.また,末梢組織の代謝研究(例えば,ミトコンドリア産生のメカニズムや筋肉,褐色脂肪の研究など)が大きく発展したことから,摂食に加えてエネルギー代謝調節,つまり「エネルギー摂取と代謝のバランスの破綻」が肥満の根本的な原因であるということが明確になってきました.これらの研究により,例えば,“リバウンド”という現象(数週間のダイエット後に,末梢組織のエネルギー代謝が下がるため,すぐに体重が戻ってしまう)や中年太りといった,われわれが経験的に知っている事例が,ある程度分子レベルで理解できるまでに至ります.さらに,肥満は美容整形的な問題にとどまらず,糖尿病,動脈硬化といった代謝疾患に加えて,ある種のがんや認知症のリスクを高めることから,「肥満症」(肥満に起因する,もしくは関連する健康障害を伴う状態)のメカニズムに迫る研究が進んでいます.

このように,肥満症研究は日進月歩の時代でありながら,未解決の問題も山積しています.例えば,われわれは食嗜好や体質に大きな個人差があることを経験的に知っています.また,近年『xx だけダイエット』とよばれるものが数多く存在するものの,全員に効果のあるような『xx』などは存在せず,その効果に大きな個人差があることを知っています.しかし,このような個人差を規定する分子基盤はいまだ明らかではありません.これまでの肥満症研究では,実験的な基礎医学(生物学)研究や大規模臨床研究・疫学研究による集団に対する肥満症の理解と診断(=標準化)に重点が置かれてきましたが,個別化医療(Precision Medicine)の実践に向けて個人差(=個別化)の理解も不可欠な要素の1 つです.

そこで,本増刊号では,これまでの摂食調節や代謝研究,そしてさまざまな肥満症の分子機序にかかわる研究結果に加えて,個人差にかかわるGWAS やエピゲノム,腸内細菌や,栄養学的な知見を積極的に取り入れることで,Precision Medicine 時代の肥満症研究をより理解するトピックを加えた特集を企画しました.肥満症研究における新たなブレイクスルーを成し遂げるには,技術革新が必要なことは言うまでもありません.しかし,それ以上に重要なことは,新しいバックグラウンド・マインドセットをもった学生,研究者,医療従事者,製薬従事者など多くの方々にこのきわめて重要な未解決分野に興味をもっていただき,参加していただくことと考えています.本書が,そのきっかけの1 つとなれば幸いです.


2021年2月

梶村真吾,小川佳宏,矢作直也

■ 目次

[鼎談]

Precision Medicineをめざす肥満症研究【梶村真吾,小川佳宏,矢作直也】

第1章 代謝(エネルギー消費)の分子・細胞・個体メカニズム

1. 脂肪細胞の色:白色,褐色,ベージュ脂肪細胞の発生と機能【小栗靖生,梶村真吾】

2. 脂肪組織の線維化メカニズム【菅波孝祥,田中 都,小川佳宏】

3. 脂肪細胞分化に対するエピジェネティック制御機構【黒田雅士,堤 理恵,阪上 浩】

4. 身体活動と代謝と肥満【田村好史,田端宏樹,筧 佐織】

5. 休眠・冬眠を誘導する神経経路―体温調節の観点から【髙橋 徹,櫻井 武】

第2章 エネルギー摂取と中枢神経系

1. 摂食と食物嗜好性の調節―恒常性と快楽的調節【箕越靖彦】

2. 摂食抑制ペプチドとしてのコレシストキニンとレプチンの相互作用【森岡絵里,池田真行】

3. 肥満症における視床下部リモデリング-分子病態とレプチン抵抗性【田中智洋】

4. 脳内炎症と肥満【上野浩晶,中里雅光】

5. インクレチンGLP-1の摂食抑制,抗肥満・糖尿病作用―腸GLP-1とGLP-1受容体作動薬の作用機序の比較【岩﨑有作,矢田俊彦】

第3章 肥満症と疾患

1. タンパク質翻訳制御とRNAサイレンシング機構によるエネルギー代謝調節【中村能久】

2. 細胞老化を軸とした肥満関連肝発がんの機序と治療戦略【松本知訓,原 英二】

3. 健康的な肥満によるメタボリックシンドローム制御【奥野陽亮,下村伊一郎】

4. 脂肪過多と筋過少が同居した状態:サルコペニア肥満【藤井宣晴,古市泰郎,眞鍋康子】

5. 脂肪萎縮症【日下部 徹,中尾一和】

6. 脂肪組織のインスリン抵抗性と代謝異常【細岡哲也,小川 渉】

第4章 肥満症の個人差

1. 日本人GWASと,肥満症の精密医療【鎌谷洋一郎】

2. Polygenic Risk Score―Precision Medicine 実現における有用性【松波雅俊,前田士郎】

3. 環境応答性エピゲノム形成と肥満の個人差【日野信次朗,荒木裕貴,中尾光善】

4. DOHaD学説における肥満症の個人差と精密医療への展望【橋本貢士】

5. 褐色脂肪の個人差と肥満:BCAAの役割【米代武司】

6. 日本人の生活習慣の欧米化がもたらす肥満と糖尿病【米田真康】

7. アジア人の食習慣と腸内細菌叢の変化と現代生活習慣病リスク向上の関連性について【篠田あかり,渡邉麻衣,THERDTATHA phatthanaphong,中山二郎】

第5章 栄養学的知見に基づいたmetabolic healthの管理

1. 食品成分とその作用点に関する概説【加藤久典】

2. 肥満症における大豆イソフラボン由来の腸内細菌代謝物・エクオールの効果【浅原哲子】

3. 腸内細菌叢と肥満症【北野(大植)隆司,加藤裕教,木村郁夫】

4. 血中アミノ酸プロファイル変動を利用した新しい脂肪肝の改善法【伯野史彦,西 宏起,山中大介,増田正人,高橋伸一郎】

第6章 肥満症治療の最先端

1. 肥満症治療薬の最先端【渡部正教】

2. 肥満代謝外科手術とPrecision Medicine/個別化医療【山本 寛】

3. 時間制限摂食と肥満症治療【羽鳥 恵】

4. 糖尿病診療におけるデジタルヘルス技術の進歩と課題【坊内良太郎,植木浩二郎】


索引

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