Hepatology Practice 2 NASH・アルコール性肝障害の診療を極める

竹井 謙之 (ゲスト編集) / 竹原 徹郎 持田 智 (常任編集) / 文光堂

  • ページ数 : 416頁
  • 書籍発行日 : 2013年10月
  • 電子版発売日 : 2021年6月2日
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商品情報

内容

NASH・アルコール性肝障害の“今”がわかる!

NASHとアルコール性肝障害は,アルコール性・非アルコール性の違いはあるものの,病態・発症・進展機構には多くの共通基盤があることが明らかにされている.本書は,わが国を代表するエキスパート執筆により,NASH・アルコール性肝障害の診療に役立つ基礎研究分野から臨床エビデンスに至る最先端の知見を網羅したテキストであり,肝臓内科医が知っておくべき内容が網羅されている.図版163点,表組73点,モノクロ写真23点.

あわせて読む → 「Hepatology Practice」シリーズ

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序文

序文

Hepatology Practiceシリーズの第2巻として本書「NASH・アルコール性肝障害の診療を極める」は企画された.今までこの2つの疾患をまとめて成書にするという試みはほとんどなかった.アルコール性肝障害とnonalcoholicであるNASHはそもそも対極に位置し,同時に取り上げるのは無理がある,という先入観によるところと思われる.

しかし,NASHとアルコール性肝障害はともに密接な関係のもと,極めて興味ある研究史をたどった疾患である.アルコールの肝毒性が証明されたのはつい数十年前であり,それまでアルコール性肝障害は栄養障害によるものと考えられていたことは,若い読者にとって信じがたいことであろう.一方,アルコールを飲まないのにそれに酷似した病態を呈するNASHという疾患概念の提唱(1980年,Ludwig)は当時の肝臓研究者を強く衝動し,それを推進力として研究が進展した結果,病態・発症・進展機構にはアルコール性肝障害と多くの共通基盤があることが明らかになった.

NASHの病態解明の努力はアルコール性肝障害研究の成果を継承・発展させることになり,また後者にとっても前者の研究がもたらした新たな視点が,病態の一層深い洞察を可能とした.腸内細菌叢の役割を主軸に据えた,「消化管・門脈・肝臓機能軸を中心とした病態連繋」パラダイムはその精華であろう.NASHとアルコール性肝障害,2つの疾患にはまさに「温故知新」という言葉があてはまる.

NASHとアルコール性肝障害は生活習慣の関与が大きく,代謝異常を病態の基盤とする疾患である.それぞれ生活習慣への介入により肝障害の制御・治療を行う必要があるが,具体的な方策を得ることはなかなか容易ではなかった.また実地診療において両者へのアプローチには差異があることも事実である.とりわけアルコール性肝障害の適切な管理のためには,背景にある依存症の理解が必要である.内科医にとってわかりやすい依存症の基礎知識や介入技法の解説が望まれていた.さらに,薬物治療に関しても目覚ましい展開があり,アルコール依存症に対する新しい薬物療法,NASHにおける新規薬物のエビデンスも登場してきた.この時機を得て,本書では「NASH・アルコール性肝障害の診療を極める」ために役立つ基礎研究分野から臨床エビデンスに至る最先端の知見を網羅し,わが国を代表するエキスパートの方々に執筆をお願いした.本書を企画する機会をいただいた竹原徹郎教授,持田 智教授に深謝申し上げる.


平成25年9月

竹井謙之

目次

【NASH編】

Ⅰ.基本編 ~NASHを診る前の基礎知識~

1.NASHの病態概念の成立と変遷

2.NAFLDの頻度とNASH

3.NAFLDと医療・社会コスト

4.NAFLD/NASHの成因と病態

5.NASHの発症機序

 Aインスリン抵抗性とNASH

 BアディポサイトカインとNASH

 C酸化ストレスとNASH

 D細胞死とNASH

 E免疫異常とNASH

 F腸内細菌とNASH

 G遺伝子多型とNASH

6.肥満とNAFLD

7.ウイルス性肝炎とNAFLD/NASH

8.NASHと肝発癌リスク

9.NAFLD/NASHにおける性差

10.NAFLDと代謝異常

 A NAFLDと糖代謝異常

 B NAFLDと脂質代謝異常

 C NAFLDと鉄代謝異常

11.術後NAFLD/NASH

12.小児のNAFLD:emerging issues

13.NAFLDと全身疾患

 A心血管イベント

 B閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)

  Debate 薬物起因による“NASH” はNASHではない?

  Debate two-hit theory vs. multiple parallel hit theory

  Debate NAFLDとASDの分界点となるアルコール摂取量は?

  Lecture NAFLD/NASHガイドライン

II.診断編

1.病理診断

2.NASHの非侵襲的診断法

 Aエラストグラフィ・画像診断

 Bバイオマーカー

 Cスコアによる評価

  Lecture 診療現場でNASH を診断するためのtips

  Debate burned-out NASHをどう診断するか

III.治療編

1.治療学総論

2.生活習慣改善のための行動療法

3.栄養療法

4.薬物療法の基本方針

 A薬物療法の総論

 B薬物療法:インスリンセンシタイザー

 C薬物療法:合併症の治療

 D薬物療法:肝線維化の予防は可能か?

 5.外科的治療

  Frontier臨床試験中の薬物

  Lecture本当に実効性が上がる栄養指導

【アルコール性肝障害編】

Ⅰ.基本編~アルコール性肝障害を診る前の基礎知識~

1.アルコール性肝障害の病態概念の変遷

2.アルコール関連問題と臓器障害:肝臓専門医が知っておくべきこと

3.わが国における飲酒行動の実態およびアルコール性肝障害の疫学

 Lecture アルコールと社会医療コスト

4.アルコール代謝

5.アルコール性肝障害の病型と病態

6.アルコール性肝障害とメタボリックシンドローム

7.アルコール性肝障害の発症機序

 A酸化ストレスとアルコール性肝障害

 B免疫とアルコール性肝障害

 C細胞死とアルコール性肝炎

8.アルコール性肝障害と肝炎ウイルス

9.アルコールによる肝発癌

10.アルコール性肝障害の性差

11.アルコール性肝障害と中枢神経機能異常

12.腸内細菌とアルコール性肝障害

II.診断編

1.アルコール性肝障害の新しい診断基準

2.病理診断:アルコール性肝障害肝組織所見と病型について

 Debate 病理診断によりNASHとアルコール性肝炎は鑑別可能か?

3.アルコール性肝障害の非侵襲的評価法

 Aバイオマーカー

 B重症度スコア

4.重症型アルコール性肝炎と肝不全

III.治療編

1.治療の基本方針

 A治療学総論

 Bアルコール性肝障害の栄養療法

 C薬物療法+減酒薬

 D重症アルコール性肝炎の治療

  Frontier 断酒か,節酒か!?ナルメフェンへの期待

2.アルコール依存症への対応

 A内科医が知っておくこと

 B内科医としてのアルコール依存症者への対応の実際

【基礎研究編】

1.肝臓と脳をつなぐ代謝情報ハイウェイ-臓器間神経ネットワークの働き-

2.インクレチンのNAFLD/NASH改善作用

3.レチノイド代謝と慢性肝病態

4.新しい肝線維化のメカニズム(コレステロールの役割)

5.ヘパトカイン

6.動物モデルからのNASH病態の洞察

7.動物モデルからのアルコール性肝障害病態の洞察

8.NASHに対する水素分子の有用性

9.NASHとコレステロールトランスポーター

10.肝細胞Mallory-Denk体の生成機構

11.肝硬変症に対する自己骨髄細胞投与療法(ABMi療法)

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書籍情報

  • ISBN:9784830618918
  • ページ数:416頁
  • 書籍発行日:2013年10月
  • 電子版発売日:2021年6月2日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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