医学のあゆみ267巻9号 自己炎症性疾患―病態解明から診療体制の確立まで

  • ページ数 : 120頁
  • 書籍発行日 : 2018年12月
  • 電子版発売日 : 2021年6月16日
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商品情報

内容

自己炎症性疾患――病態解明から診療体制の確立まで
企画:西小森隆太(京都大学大学院医学研究科発達小児科学)


・自己炎症性疾患は炎症を主病態とする一連の疾患群である.当初,家族性地中海熱,高IgD症候群など少数の遺伝性疾患を対象にしたが,遺伝子解析技術の向上により,現在約30疾患にまで増加した.
・自己炎症性疾患の疫学調査・患者登録,診断体制の整備,診療ガイドライン作成,新規遺伝子の発見,iPS細胞・動物モデルを用いた研究により,病態解明,診療体制においてめざましい進歩がみられる.
・一方,標準的な治療法がいまだ樹立されていない疾患が存在し,これらの病態解明やそれに基づく創薬が期待されている.以上の背景をもとに,現在当分野でご活躍中の先生方に概説いただく.

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序文

はじめに

西小森隆太

京都大学大学院医学研究科発達小児科学


自己炎症は,1999年にアメリカ国立衛生研究所(NIH)のKastner博士らにより提唱された概念である.自己炎症性疾患は炎症を主病態とする一連の疾患群である.当初,家族性地中海熱(FMF),TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS),クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS),高IgD症候群など少数の遺伝性疾患を対象にしたが,2004年に完了したヒトゲノム計画,次世代シークエンサー・全エクソーム解析などの遺伝子解析技術の向上により,現在約30疾患にまで増加した.また,遺伝子異常が未同定で病態が類似する一連の疾患群が広義の自己炎症性疾患として含まれる.

病態解析においては,インフラマソームの概念がローザンヌ大学の故Tschopp博士らにより提唱され,自己炎症性疾患のみならず,より一般的な炎症病態として認知された.この発見はCAPSなどのインフラマソーム活性化をきたす疾患に対する抗IL-1製剤の開発につながり,患者のquality of life(QOL)の著明な改善をもたらした.また近年では,STING-associated vasculopathy with onset in infancy(SAVI),中條-西村症候群において,バイオマーカーとしてI型インターフェロン過剰が注目され,治療薬開発の標的分子となっている.

わが国においても厚生労働省ならびに日本医療研究開発機構(AMED)の各研究班により,自己炎症性疾患の疫学調査・患者登録,診断体制の整備,診療ガイドライン作成,新規遺伝子の発見,iPS細胞・動物モデルを用いた病態解明など自己炎症性疾患の病態解明,診療体制においてめざましい進歩がみられる.一方,標準的な治療法がいまだ確立されていない疾患が存在し,その病態解明や創薬が期待されている.

以上の背景をもとに,“自己炎症性疾患―病態解明から診療体制の確立まで”を企画させていただき,現在当分野でご活躍中の先生方に解説をお願いした.本特集が,自己炎症性疾患の診療に役立ち,患者QOL向上,創薬,治療開発につながることを祈念する.

目次

診療基盤の確立

自己炎症性疾患の原因遺伝子の同定の歴史……有持秀喜・安友康二

わが国における自己炎症性疾患の歴史……井田弘明

自己炎症性疾患の病態分類……八角高裕

自己炎症性疾患の遺伝子検査体制……小原收

iPS細胞を用いた病態解析……齋藤潤

自己炎症性疾患の治療の現状──診療ガイドライン解説……伊藤秀一

病態解明・治療法確立にむけての新展開

パイリンインフラマソームと自己炎症性疾患……右田清志・他

NLRC4インフラマソーム……河合利尚

プロテアソーム関連自己炎症性症候群――中條-西村症候群と関連疾患……金澤伸雄

核酸シグナル異常によるI型インターフェロン症……岡本圭祐・森尾友宏

LUBAC・ユビキチン関連異常症……大西秀典

Blau症候群……松田智子・神戸直智

アデノシンデアミナーゼ-2(ADA2)欠損症……井澤和司・他

全身型若年性特発性関節炎の病態と治療……清水正樹

PFAPA症候群――成人発症例を含めての総説……鈴木富雄

Behcet病の免疫病態――自己炎症とMHC-I-opathy……岳野光洋

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書籍情報

  • ISBN:9784006026709
  • ページ数:120頁
  • 書籍発行日:2018年12月
  • 電子版発売日:2021年6月16日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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