臨床薬学テキストシリーズ 血液・造血器/感染症/悪性腫瘍

  • ページ数 : 400頁
  • 書籍発行日 : 2021年6月
  • 電子版発売日 : 2021年6月23日
¥4,950(税込)
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商品情報

内容

臨床現場の薬剤師には,薬理学的知識はもちろん,疾患の病態や症候,検査・診断と治療に関する幅広い知識が求められる.本書では,薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠しつつ,薬学と医学の共同作業により,血液・造血器,感染症,悪性腫瘍の3つの領域の治療薬と主要な疾患について,最新知見を盛り込んでわかりやすく解説.「新型コロナウイルス感染症」についても詳しい解説を加えた.随所に挿入したコラムやトピックスで理解の促進を図り,サイドノートには用語解説や役立つ豆知識,薬剤の構造式を収載.巻末には国家試験問題の出題傾向をもとに作成した「確認問題」を掲載.

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序文

序文

本書は,臨床薬学テキストシリーズの[薬理・病態・薬物治療]の各論を構成する一冊であり,1)血液・造血器,2)感染症,3)悪性腫瘍の三つの領域を対象とする.薬学教育モデル・コアカリキュラムでは「E2 薬理・病態・薬物治療」のうち,「(3)循環器系・血液系・造血器系・泌尿器系・生殖器系の疾患と薬」中の「血液系・造血器系」の疾患と薬,「(7)病原微生物(感染症)・悪性新生物(がん)と薬」に該当する.現在,新型コロナウイルス感染症が世界的な問題となっているが,人類の歴史は「感染症」との戦いの歴史でもある.1928 年にフレミングがペニシリンを発見し,抗菌薬の歴史が始まったが,耐性菌の出現によりいまだに細菌感染症は克服できていない.抗ウイルス薬の歴史は抗菌薬に比べると浅いが,かつてはワクチンや血清療法が中心であった.今日ではウイルスの増殖を直接抑制するさまざまな抗ウイルス薬が開発されている.本書では現在使用されている主な抗菌薬,抗ウイルス薬,抗真菌薬などの薬理作用を説明するとともに,それらが適用される感染症の病態と薬物治療の基本的知識,また,ワクチンや消毒薬の基本を解説した.抗菌薬の適正使用では耐性菌対策やTDM(治療薬物モニタリング)など,薬剤師の関与が必要な場面が多い.本書によってこれらの活動を行うために必要な基礎知識を身につけていただくことを期待している.

血液腫瘍である白血病や悪性リンパ腫,骨髄腫を含め,近年の「がん」の治療法の進歩はめざましく,薬物治療は殺細胞性抗悪性腫瘍薬を主体とした化学療法から,低分子の分子標的治療薬やモノクローナル抗体,免疫細胞療法などへと広がりを見せている.がん細胞の遺伝子変異を調べて治療薬を選択する「コンパニオン診断」も普及し,がんの個別化医療が行われている.さらに最近では「遺伝子パネル検査」も行われるようになり,がんゲノム医療として進展している.薬剤師は,それぞれのがんの特性に応じた抗悪性腫瘍薬の選択を支援するための基本的な知識を身につける必要がある.また,薬剤師には抗悪性腫瘍薬投与に伴うさまざまな副作用への対応(支持療法)への関与も求められている.殺細胞性抗悪性腫瘍薬はもとより,当初はがん細胞に特異的に作用することから副作用が少ないと期待された分子標的治療薬にもQOL(生活の質)に影響する副作用の発現がみられ,副作用対策はがん薬物治療の継続のためにも重要な支援である.日々新たな治療薬が登場する中,本書では現時点での最新の治療薬を中心に解説している.今後の治療薬・治療法については各人でupdate を心掛けていただきたい.

なお,感覚器感染症,尿路感染症,性感染症,脳炎,髄膜炎,皮膚細菌感染症,皮膚真菌症,ヘルペスウイルス感染症,感染性心内膜炎,胸膜炎,風邪症候群,インフルエンザ,ウイルス性肝炎,がん性疼痛,緩和ケアについては,別の巻に解説を委ねているのでそちらを参照いただきたい.


2021 年5 月

望月眞弓

目次

第1章 血液・造血器疾患

A.総論

 1.修得すべき知識の概要

 2.造血の生理学

 3.止血・線溶の生理学

 4. 血液疾患の検査

B.疾患各論

 1.貧血

  1-1. 貧血概論

  1-2.鉄欠乏性貧血

  1-3.巨赤芽球性貧血(悪性貧血等)と腎性貧血

  1-4.自己免疫性溶血性貧血

  1-5.再生不良性貧血

  1-6.発作性夜間ヘモグロビン尿症

  1-7.骨髄異形成症候群

 2.白血球減少症

 3.白血病

  3-1. 白血病概論

  3-2.急性骨髄性白血病

  3-3.急性リンパ性白血病と成人T細胞白血病/リンパ腫

  3-4.慢性骨髄性白血病と慢性リンパ性白血病

 4. 骨髄増殖性腫瘍

 5.悪性リンパ腫

  5-1. 悪性リンパ腫概論

  5-2. ホジキンリンパ腫

  5-3. 非ホジキンリンパ腫

 6.多発性骨髄腫

 7.特発性血小板減少性紫斑病/免疫性血小板減少性紫斑病と血栓性血小板減少性紫斑病

 8.凝固異常症(播種性血管内凝固症候群,血友病)

 9.血栓塞栓症

 10.造血幹細胞移植

 11.輸血療法

第2章 感染症

A.総論

 1.修得すべき知識の概要

 2.感染症と治療の概要

 3.感染症に関する薬剤

  3-1.β-ラクタム系抗菌薬:

  3-2.β-ラクタム系以外の抗菌薬

  3-3.抗ウイルス薬

  3-4.生物学的製剤

  3-5.抗真菌薬

  3-6.消毒薬

 4.薬剤耐性菌と院内感染

B.疾患各論

 1.全身性細菌感染症

 2.消化器感染症

 3.抗酸菌感染症(結核,非結核性抗酸菌症,ハンセン病)

 4.MRSA,VRE,セラチア,緑膿菌による感染症

 5.その他の細菌感染症(ペスト,炭疽,リケッチア症)

 6.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

 7.後天性免疫不全症候群

 8.その他のウイルス感染症

 9.真菌感染症(カンジダ症,ニューモシスチス肺炎,肺アスペルギルス症,クリプトコックス症)

 10.原虫感染症(マラリア,トキソプラズマ症,トリコモナス症,アメーバ赤痢)

 11.その他の寄生虫感染症(回虫症,蟯虫症,アニサキス症,エキノコックス症)

第3章 悪性腫瘍

A.総論

 1.修得すべき知識の概要

 2.悪性腫瘍の基礎知識

 3.悪性腫瘍の治療の概要

 4.抗悪性腫瘍薬総論

  4-1.従来型の抗悪性腫瘍薬

  4-2.分子標的治療薬,免疫チェックポイント阻害薬,その

 5.支持療法総論

B.疾患各論

 1.消化器系

  1-1.食道癌

  1-2.胃癌

  1-3.大腸癌

  1-4.肝癌

  1-5.胆道癌

  1-6.膵癌

 2.肺癌

 3.悪性脳腫瘍

 4.頭頸部悪性腫瘍(頭頸部癌)

 5.網膜芽細胞腫

 6.悪性黒色腫

 7.腎・尿路器系

  7-1.腎癌

  7-2.膀胱癌

 8.生殖器系

  8-1.子宮癌,卵巣癌

  8-2.前立腺癌

 9.乳癌

 10.骨肉腫

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書籍情報

  • ISBN:9784521744551
  • ページ数:400頁
  • 書籍発行日:2021年6月
  • 電子版発売日:2021年6月23日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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